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特集 介護機器の最新事情 高齢化社会のニーズにしっかり応える機器の開発とビジネス

介護現場を的確にサポートする機器の開発と市場参入

介護現場を的確にサポートする機器の開発と市場参入

最近の介護機器の開発傾向と新規の市場参入の方法を紹介します。

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介護現場を的確にサポートする機器の開発と市場参入

現在の介護機器市場の概要と今後の動向

日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、2020年に29.1%、2035年には33.4%に達し、3人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来人口推計」)。
高齢化の進展に伴い、要介護(要支援)者も増加していることから、介護市場は拡大が見込まれており、厚生労働省では2020年の介護全体の市場規模は19兆円になると試算しています。
車いすや介護ベッドなど介護機器関連の市場規模について、シンクタンクの富士経済では、介護機器・器具の2013年の市場規模は前年比約6%増の1,035億円、2020年には1,433億円になると予測しています。また、介護用具用品まで含めた調査を実施した矢野経済研究所では、2013年度の国内の介護福祉用具用品市場は前年度比4.5%増の2,726億円(メーカー出荷金額ベース、見込み)、2020年度には2,996億円になると予測しています。
厚生労働省の試算や各調査機関の予測をもとに介護機器市場を考察すると、今後も堅調に推移していく魅力的な市場と言えます。

介護機器市場へ参入する方法

1.製造としての参入

介護機器製造業者は専業が少なく、介護以外の製品を製造する業者が兼業で参入するケースが多くなっています。
品質面では、「安全性が高い」、「使いやすい」、「壊れにくい」、「持ち運びやすい(軽い)」、「デザインが良い」など利用者ニーズは多様化しています。また、価格面では、参入業者の増加に伴い価格競争は激しさを増していますが、介護保険が適用される製品の場合、利用者の負担は少なく価格訴求力は弱くなります。
そのため利用者ニーズを的確に把握し、製品に反映することで、品質面での差別化を図ることがポイントになります。
介護機器を利用する場合はレンタルが中心となることから、機器のメンテナンスなどアフターサービスへの対応も必要になります。

2.販売としての参入

介護機器の流通・販売チャネルとしては、レンタル目的でメーカーから製品を仕入れるレンタル卸、ホームセンター・総合スーパー・百貨店等に販売する卸売業者、施設関係(介護保険施設、医療施設)があり、さらにメーカーが卸売を介さず直接ネットで販売するケースもあります。
介護機器の販売で市場に参入する場合、単に販売だけではなく、訪問介護事業や介護者の負担を軽減する住宅改修事業を併営するなど利用者の利便性を高めることが顧客獲得につながります。
また、介護保険の指定する福祉用具を貸与・販売する事業所には、福祉用具専門相談員を配置する必要があります。そのため利用者やケアマネージャーに対し、適切なアドバイスや情報提供、情報収集ができる相談員の育成がポイントになります。
利用者やケアマネージャーから収集した情報をメーカーにフィードバックすることで、ニーズにあった製品開発をサポートし他社との差別化を図ることも必要です。
個々のニーズにあわせたきめ細やかな対応が必要という点では中小企業にも十分にチャンスがある市場と言えます。

介護機器市場参入における留意点

介護保険の対象製品を扱う場合、介護保険関係の法改正に留意する必要があります。保険給付対象の変更により、利用者が減少することもあれば、新たに給付対象になる製品の場合は市場が拡大する可能性もあります。そのため法改正には常に注意を払うとともに、介護保険給付対象外の製品販売を拡大していく取組みも必要になります。

ご参考までに介護保険の対象になる介護機器を表にまとめました。

厚生労働大臣が定める福祉用具貸与の対象種目
(1)車いす (6)体位変換器 (11)認知症老人徘徊感知機器
(2)車いす付属品 (7)手すり (12)移動用リフト(つり具の部分を除く)
(3)特殊寝台 (8)スロープ (13)自動排泄処理装置
(4)特殊寝台付属品 (9)歩行器
(5)床ずれ防止用具 (10)歩行補助つえ
厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売の対象種目
(1)腰掛便座 (4)簡易浴槽
(2)自動排泄処理装置の交換可能部品 (5)移動用リフトのつり具の部分
(3)入浴補助用具

中小企業診断士 田中正浩