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役員になったら知っておきたいトップ5 会社法や税法などで特に重要な5つの事項を解説します。

役員になったら知っておきたいトップ5

役員(取締役)になったら知っておくべき大切なこと

会社法や税法などで特に重要な5つを紹介します。

法律コラム

役員の法律(1)-法律コラム

役員なら知っておきたい法律の基本を解説

法律コラム

取締役と刑事罰(1)-法律コラム

役員なら気を付けたい、やってはいけないことを解説

ビジネスQ&A

Q502.利益相反取引とはどのような場合に該当するのでしょうか-ビジネスQ&A

役員と会社間の取引で注意すべき「利益相反取引」について解説。

<施策・支援情報>

役員なら知っておきたい中小企業支援施策

平成27年度予算関連/平成26年度補正予算関連
補助金、資金繰りなど中小企業・小規模事業者向け政策のポイントをまとめています。解説動画も公開。
事業者の皆様も準備が必要!マイナンバー制度
従業員などのマイナンバーを取扱う上でのポイントを解説しています。

特集テーマ募集

これまでの特集

J-Net21の特集は、毎回タイムリーなテーマを設定し、そのテーマに関するJ- Net21の記事をご紹介します。

取締役になったら知っておくべき5つの重要事項

会社は、利益を追求する目的で存在しますが、一方で、社会経済への寄与、労働者の雇用、消費者や取引先など関係する人の役に立つといった重要な役割を担っています。こうした、社会にとって重要な会社を切り回していく取締役に選任されるとなった場合、それは喜びである一方、大きな重責と法的な責務をどこまで負わされるのかといった不安を感じるのではないでしょうか。
そこで、取締役になったら知っておくべき法的責務のうち、重要なものを解説します。

重要事項1:会社の業務を執行する役割を担う

1.取締役の役割-

取締役は、基本的には自ら会社の業務を執行する役割を持ちます。しかし、取締役会を設置する会社ではその役割は異なります。

(1)業務執行の決定

取締役は、取締役会の構成員として会社の業務執行について決定することが第一義的な役割です。したがって、取締役会に出席し業務執行について意見を述べなければなりません。特に会社法は、取締役会自身が決定しなければならない専決事項を定めていますので、取締役はその専決事項について十分に議論することが求められます。

また、決定されたことを執行する代表取締役や業務執行取締役を選任し、これらの者(業務執行機関)に業務執行にあたらせるのも取締役会における取締役の役割です。

(2)業務執行機関の監督

しかし、取締役は業務執行機関に執行を委ねるだけでは足りません。業務執行機関が決定通りに業務執行しているかを取締役会として監督する役割を担っています。そのため、日頃から会社法や会社の進むべき方向・諸規定をよく理解したうえで、会社の業務内容や財務状況を正確に把握しておかなければなりません。

また、業務執行機関が適正に業務執行していない時は、是正を命じ正させなければなりません。

(3)取締役会非設置会社

取締役会は3人以上の取締役が必要ですが、会社法では、1人以上で取締役会を設置しないことも認めています。この場合の取締役は、会社の業務執行を行い、対外的に会社を代表する者となります。

取締役が2人以上の場合も代表取締役を別途定めない場合は、各自が会社を代表することとなります。

取締役会非設置会社では、取締役の監督義務はありませんので、1人取締役の場合は株主総会が、2人以上の場合は協議を通じて相互に監督することになります。

重要事項2:会社に対して重大な義務を負う

2.会社と取締役の関係

会社法で取締役は、「委任に関する規定に従う〔取締役(受任者)は、特定の事務を処理することを会社(委任者)から委任を受けて職務を執行する〕」とされています。これは、会社の指揮命令に基づき、労働力を提供するだけにすぎない従業員と会社との雇用関係とは、責任・権限・義務などにおいて大きく異なります。したがって、取締役には以下の義務が課されています。

(1)善管注意義務

善管注意義務とは、委任の本旨に従い、善良なる管理者の注意を持って行わなければならないということですが、自己の財産を管理する注意より重い義務を負わされているのです。そのため、職務を遂行する善管注意義務を尽くさず会社に損害を与えた場合は、任務懈怠(けたい=行うべきものを怠ること)として、会社から損害賠償責任を追及されることがあります。<法律コラム「取締役の利益相反取引とは」参照>

(2)忠実義務

また、「取締役は、法令や会社の定款、総会の決議を遵守し、会社のために忠実にその職務を行わなければならない」と規定されています。これから派生した義務として、

  • i. 競業避止義務〔会社の意思決定に関与し、営業機密を知りうる立場にある取締役は、それを利用して会社と同種の事業を行う場合は、事前に取締役会(ない場合は株主総会)の承認を得る必要がある〕<法律コラム「取締役の競業避止義務とは」参照>

  • ii. 利益相反取引の制限(会社の利益を犠牲にして,自己または第三者の利益を図るような会社と利益が相反する取引をしようとするときも、同様の承認を売る必要がある)<ビジネスQ&A「取締役の利益相反取引とは」参照>

が規定されています。

当然、この規程違反となる場合は前述と同様、損害賠償の責任を負います。また、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を知った時は、その事実を株主または監査役に報告しなければなりません。

重要事項3:コーポレートガバナンス(企業統治)機能を有効に発揮させなければならない

3.取締役に期待されるもの

近年では、相次ぐ企業の不祥事により、社会の企業を見る目が一層厳しくなっています。それに伴いコンプライアンスが強く求められていますが、現在は法令遵守のみならず、社会のルールに適合した健全で正しい、信頼される経営を行うことまで広く求められています。

そのために、業務運営を適正に行えるような仕組(内部統制)のもと、業務執行機関が不祥事を起こさないよう監督・助言するコーポレートガバナンス機能が有効に働くことが取締役に期待されています。

監督権限については既述の「業務執行機関の監督」のとおりですが、これを怠り不祥事が発覚した場合、一定の株主からの株主代表訴訟により、取締役個人の責任追及と多額の損害賠償が求められる恐れがあります。それは、商法改正で少額で提訴できるようになって以降、活発化していますので、正しい経営を行うという会社の体質と意識が真に求められています。

重要事項4:常に第三者に対して責任を負う

4.第三者に対する責任

取締役がその職務を行う際、悪意または重大な過失によって第三者に損害を与えた場合は、損害賠償責任が生じます。これは、自ら直接関与していなくても、他の取締役や従業員を監督する地位にありながらその者の行為(例えば詐欺的行為)に対し適切な措置をしなかった場合も含まれます。

また、特別背任罪など特に悪質な場合は、懲役刑など刑事責任を問われることもあります。

重要事項5:自らの報酬には規制がある

5.報酬規制

取締役の報酬の決定は、業務執行機関の権限であることから、取締役により不当に高額な報酬額とならないよう規制が設けられています。具体的には、定款に一定の事項が定められていない時は、株主総会の決議によって定められます(ただし、委員会設置会社の場合は報酬委員会で決定)。

また、法人税法上、毎月定期に同額が支給されるもの以外は損金算入されません。したがって、役員賞与も損金算入されませんので、業績連動型の報酬・賞与の支払いを導入しないケースがほとんどです(ただし、一定の要件を満たすもので認められるケースもあります)。また、報酬額の変更も、基本的には定時総会まで行われません。<中小企業の税金と会計「役員給与はどうやって決める?」参照>

以上、取締役の責任について自覚できたでしょうか。その責任は、「知らなかった」「中小企業だから」「同族だから」ということで免れることはできません。

取締役となったからには対内的にも対外的にも正しい経営をするという意識と法律の正しい理解があれば、発展的な会社経営を担っていけるのではないでしょうか。

中小の株式会社の機関パターン例(株式譲渡制限の場合)

社会保険労務士・行政書士 吉岡早苗

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