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新連携アベニュー 異業種企業の連携による新事業開拓をサポートする「新連携」をさまざまな角度から紹介しています。


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

熱回収、空気の予熱、省スペースを実現した省エネ新型るつぼ炉の開発

プレサーブ炉

プレサーブ炉

コア企業:北陸テクノ(富山県射水市)
代表取締役:木倉正明
設立年月日:平成5年1月
資本金:3,000万円
年商:8億円
従業員数:18名
所在地: 〒939-0321
富山県射水市青井谷1-8-3
TEL(0766)57-1400
FAX(0766)57-1401
新連携認定:平成20年12月24日

「環境問題が深刻化する今、どんな技術も、自然と無関係ではいられない。技術を開発する私たちは人と自然に対して何ができるか? そんなことを常に考えながら新しいテクノロジーの創造に挑戦しています」。北陸テクノの木倉社長はこのようにコメントしている。その言葉を実現したのが今回開発したアルミ等溶解るつぼ炉(REX-SP炉)である。

省エネルギー性に優れた工業炉メーカー

自動車や電子機器に多く用いられているアルミダイカスト製品の鋳造には、金属溶融るつぼ炉が用いられるが、当社は設立以来そのるつぼ式金属溶解炉の熱効率向上を目指して開発を続けてきた。早い時期から、るつぼの周囲を燃焼ガスがらせん状(スパイラル)に巡るという独自開発の構造による炉を作り上げていた。

従来の炉ではバーナーの燃焼ガスが上方へ流れ出てしまうため熱の無駄が多いが、同社の方式では、るつぼをらせん状に取り巻くフレームガイドにより強制的に炎を誘導することで、るつぼ全体に熱を行き渡らせ、大幅に熱効率を向上させている。その結果、燃料費の節減はもとより炉の寿命延長、溶湯品質の均一化など優れた特徴を発揮するものとして高く評価されてきた。

一方、通常の金属溶解るつぼでは省エネルギー性を高める工夫の一つとして、バーナーの燃焼ガスを炉の外側に設けた熱交換器により燃焼空気を予熱する方法も採用されているが、炉自体や熱交換機からの放熱が多いため十分な効率を得ることが難しく、設置スペースが大きい点でも課題があった。

バーナーの熱を回収して効率的に利用できないだろうか?

REX-SP炉

REX-SP炉

そこで、スパイラル炉の優位性を生かしつつ省スペース性にも優れ、従来の炉に比べてさらに省エネルギー効率を高め、燃焼空気を予熱することを可能とする融解炉方式の溶解るつぼ炉を開発することを新たな目標に掲げた。「熱回収」「蓄熱」「空気の予熱」「省スペース」「バーナーのサイズ制限」などをキーワードとして、技術者間での工夫・意見のやりとりの繰り返しを経て、平成19年末にはようやくバーナーの排熱を回収して蓄熱すること、その蓄熱のための熱交換機能は炉体内部に持たせるものとする斬新なアイデアにたどり着いた(特許出願)。

では、どのように蓄熱するのか? どのような素材を用いれば効率的に熱交換と蓄熱が両立できるのか? その形状は? 耐久性は? コストは? 等々の未解決の課題が次々と浮上してくる中、試行錯誤による数多の選択肢を狭めていった結果、次のような材料選定と配置方法を構築するに至った。

・蓄熱体...安価な市販のセラミック製を利用する
  ・形状...中空パイプにより燃焼ガスを通過させる
  ・蓄熱体設置方法...炉壁内側を取り囲むようにしてパイプを水平に敷設する

以上の様式により、炉内には二系統の蓄熱ならびに熱回収の流路を持たせ、この流路を交互に切り替えて燃焼ガスを通す。排熱の通過によって蓄熱されたパイプの中を空気が流れる際に燃焼空気として予熱され、バーナーには熱せられた空気が供給されるというこれまでにない構造が確立された。

連携により技術課題などを解決

木倉正明社長

木倉正明社長

しかし、その構造による燃焼方式を正確に機能させるためには、短時間のうちに交互に900℃を超える高温の燃焼ガスを蓄熱体に通すこと、その流量や切り替えタイミングを厳密に制御することが不可欠な条件となるが、高温ガスの過酷な特性に阻まれて容易に解決できない技術課題として残されていた。平成20年、中小企業基盤整備機構への相談を契機に燃焼機器や温度管理の制御システムに高度な技術を有する愛知県のアイテックを知ることとなり、同社と連携することによって課題の解決に結びつけることができた。

新しい炉では、従来のものより20%以上の熱効率向上を実現した。さらに金属材料などの専門商社である阪和興業が販路の拡大に有力な役割を担う連携体として加わることで、平成20年12月に新連携事業の認定を受けた。平成21年7月には認定事業者として、4年に一度しか開催されない国際工業炉・関連機器展示会の「サーモテック2009」に出展を果たし、大きな飛躍を図る道を拓き始めている。

((独)中小機構北陸 北陸地域活性化支援プロジェクトマネージャー 布目大剛)

掲載:2009年12月号

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