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新連携アベニュー 異業種企業の連携による新事業開拓をサポートする「新連携」をさまざまな角度から紹介しています。


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

夢を奏でるメロディーロード!-元気な地域づくりと交通安全-

メロディ看板

メロディ看板

コア企業:株式会社篠田興業(北海道標津町)
代表取締役:篠田静男
設立年月日:昭和48年2月26日
資本金:2,670万円
年商:約1億3,000万円(平成20年2月期)
従業員数:5名
所在地: 〒086-0652
北海道標津郡標津町南2条東1丁目2番1号
TEL(0153)82-2179
FAX(0153)82-3736
新連携認定:平成21年2月20日

バブル崩壊後の土木建設業

篠田興業は、現社長の父が創業者であり、長男が家業を継いだ。次男だった現社長は、乳製品で有名な道東の町、中標津町でコンビニの経営を開始する。利用者は地元住民が9割を超え、毎日のように来店してくれるリピーターによって支えられている。こよなく地元を愛する篠田店長は、地域に溶け込み、クリスマスにはサンタクロースに扮して町内会の子供たちにプレゼントを配る、そんな生活を続けてきた。

そんな中、バブルが崩壊。さらに数年後、兄である前社長が若くして急逝する。コンビニの店長は、奇しくも土建会社の社長に就任することとなった。社長になって初めて決算書を見て、会社の状況を理解し、愕然とした。建設、しかも公共受注の多い土木に基盤を置いていた企業。その状況は想像に難くない。この会社は、存続するべきなのだろうか? 悩んだ時期もあった。ただ、企業とは雇用を伴う。特に道東の小さな町であればなおさらである。

自分や企業だけではない、社員の人生を守らねば! こうして、篠田静男社長の奮闘が始まった。

愛される技術

メロディーロード

メロディーロード

ここで、新連携で認定された「メロディーロード」について説明したい。元来、技術的好奇心が強い篠田社長は、楽しみながら交通安全を訴求できる道路はないか?と考えていた。そして、北海道立工業試験場の橋場博士の指導のもと、音楽が鳴る道路の開発に着手。道路に溝を刻み、溝の間隔で音階が、溝自体の幅で音の強弱が決まる。楽譜に合わせて溝を設計することで、道路を使ったオルゴールのごとく、車両通行時に音楽が奏でられる。

しかし、社長交代直後は積極的な事業展開など考えられる状況ではなかった。債務の整理、採算のとれない事業からの撤退、そして、金融機関との交渉等々。ここで生きてきたのが、専門家でも舌を巻くほどの熱い思いとコンビニ経営で培った経営知識、経験であった。

現在、篠田社長が会社を引き継いで3年が経過し、売上は前社長時代の半分近くにまで減少。しかし、赤字を出していた旧体制とは違い、安定的に利益の出る企業へと確実に変化を遂げている。ホッと一息ついた時、驚くべき気づきが一つ。社長の好奇心から始まったメロディーロードの認知度の高さである。

本事業は、試験施工が数件、積極的な営業活動は皆無に近かったにもかかわらず、テレビも含めたマスコミへの掲載回数は数十件。営業をせずとも、年1件程度は受注が入ってきていた。自分が企業再建に奔走している間に、メロディーロードが万人に愛される技術として世間へ浸透していたとは! 

もともと人に喜ばれる技術を提供するのが好きな気質である。道東の小さな町から、世界へ希望を与えられる事業が起こせないか? 篠田社長の胸は期待に高まった。

新連携の土俵

篠田静男代表取締役

篠田静男代表取締役

懸念もあった。企業を再建している段階であり、新連携のように新しい技術やサービスで企業を飛躍させる制度は荷が重いのではないかと。ところが、私たちの反応は正反対。夢を奏でる魅力的な事業、経営感覚を持った信頼感のある社長、製造面で後押ししてくれる酒井鉄工、西澤電工という2社の連携企業。よし、いこう! 珍しいくらいに、支援事務局の専門家全員一致の意見であった。

ただし、それからが一仕事。篠田興業、流通研究所、そしてわれわれの総力を結集し、今後の事業展開に頭をひねった。

第一に、顧客の把握。メロディーロードは知名度もあり、話題性の高い事業ではあるが、使用者(通行車両)が料金を支払うというビジネスモデルは難しい。よって、顧客を観光(自治体など)、交通安全(公的機関など)、広告・宣伝(民間企業など)の三形態に分類し、それぞれの市場性とアプローチ方法を検証した。

第二に、営業面を中心としたマンパワーの確保。従来は、マスコミに取り上げられる機会も多く、引き合いへの対応が中心であった。しかし、本格的に事業化するとなれば、積極的な営業展開が必要となる。そこで、全国に販売網を有し、最終施工も可能である鹿島道路に協力機関としての参加を依頼。大企業との取引でもあり、今後の展開も考えて、知的財産面の整備も慎重に進めていった。

帆をあげて

平成21年2月、新連携に認定。3月には琵琶湖大橋で工事が完成し、湖上で「琵琶湖周航の歌」を聴くことができる。また、昨年の長野での施工が、アジア・パシフィック国際広告祭の斬新な広告を扱うInnova Lotus部門でグランプリを受賞。メロディーロードの広告・宣伝分野での活用可能性が、国際的にも評価されたといえよう。事業化へ向けて確実に風は吹いている。

そんな多忙の日々の中でも、篠田社長は今も毎朝3時からコンビニに立つ。地域の皆様に「おはようございます」を伝えるために。そんな社長だからこそ、メロディーロードは、これからも各地で皆が笑顔になる音楽を奏で続けるであろう。

((独)中小機構北海道 地域活性化支援事務局アシスタントマネージャー 秋田舞美)

掲載:2009年6月号

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