IT/近畿 「生産財卸売業向け「経営課題解決型パッケージソフト」開発とその販売による新事業分野開拓事業」

ハード一体のオープン化対応パッケージソフトとして展開

 ソフト開発企業であるアスコット(大阪市中央区、森井義雄社長)がコア企業。パイプやバルブなど管工機材卸売業のカワムラ(大阪市西区、川村耕一社長)、一ノ瀬(同、一瀬克彦社長)、生産財卸売業のライト精機(同、山中栄樹社長)、新和鋼機(同、川松勝己社長)と連携し、管工機材業界を中心とした生産財卸売業に対する「生き残りのための経営課題解決」を行う新ビジネスモデル対応のパッケージソフトを開発する。

 さらに販売面ではアスコットがソフトパッケージ、導入支援作業、カスタマイズ作業を直販するとともに、富士通およびそのディーラーである都築電気、イースクラム(大阪市中央区、中村開社長)と組み、サーバを含めたハード、ソフト一体型のオープン化対応商品として市場展開する。

 パッケージソフトの開発は2005年度中に終え、2006年度から本格販売を始める。事業期間として予定している2005年度以降5年間に、全国の管工機材および生産財卸業など60社への販売を目指す。

(株)アスコット


会社名
役割分担
■コア企業
(株)アスコット
新ビジネスモデルのとりまとめ
(株)カワムラ業界情報/検証/ソフト販売
(株)一ノ瀬管工機材卸業界情報提供
ライト精機(株)生産財卸売業界情報提供
親和鋼機(株)生産財卸売業情報提供
(株)イースクラム拡販/導入支援
富士通(株)組込/需要開拓
都築電気(株)需要開拓/営業



(株)アスコット<br>森井義雄社長

(株)アスコット
森井義雄社長

【生き残りへ向けて古い体質にもメス】

 水道、ガス、浴槽などの配管工事に使われるパイプやバルブを取り扱う管工機材卸の業界は、伝統的な商習慣が残り、古い経営体質の企業が多い。SCM(サプライチェーンマネジメント)などの物流合理化や、適正在庫管理への対応も遅れるなど、さまざまな経営課題を抱えている。

 管工機材卸売業の一ノ瀬(大阪市西区)とカワムラ(同)は以前から、こうした経営体質の改善に努め、業界企業の経営実態やメスを入れるべき課題について調査、検討してきた。
 とくにカワムラは、オフコンベースで業務改善ソフトを自社開発し、他社にも販売してきた。しかし、最新のクライアント・サーバ方式のオープン環境で作動する業務システムソフトの開発にはノウハウがなく、業界が抱えている課題に十分応えきれていなかった。

 今回の新連携プロジェクトのコア企業であるアスコット(大阪市中央区)の森井義雄社長が、カワムラの川村耕一社長と出会ったのはこんな時だ。

 プラスチック製品製造業向けEDI(電子データ交換)連携型販売・生産統合情報システムなど中小企業関連のパッケージソフト開発を数多く手掛けてきたアスコットは、すぐに「管工機材卸業をターゲットにしたパッケージソフトの開発を提案した」(森井社長)。業界の代表的企業である一ノ瀬も参加し、異分野の新連携がスタートした。
 さらに、アスコットは「生産財全般を取り扱う卸売業に幅広く対応できるソフトにする」(同)ため、ライト精機(大阪市西区)、新和鋼機(同)とも連携し、システムを開発することになった。


【オープン系システムでメーカーと協調した販売戦略】

 セールス展開に当たっては、オープン化対応のサーバやパソコン販売で他社との差別化を目指す富士通が系列ディーラーとともに参加。自社製サーバに開発ソフトを組み込み、徹底した動作検証を行ったうえで当該業界専用のシステムとして販売する。

 オープン化対応システムは、多様なソフト組み合わせによる不具合の発生が課題とされているが、富士通と系列ディーラーの参加によりこれを防ぎ、安定した稼働を実現させる。また、アスコットを含む販売サイドがハード、ソフト一体の市場開拓を早期に軌道に乗せられるようにする。

 管工機材卸業界では近年、取扱商品数が急激に増えている。小規模な卸売業でも約10万点に及び、これらを効率的に管理するため2次元バーコードを前提にした業界統一の商品コード作成の動きがある。
 メーカーの強いEDI要請に応え、卸がSCMの中核的機能を果たせるようになるためにも、受発注、在庫、利益管理の業務効率化と経営支援に向けた問題解決型パッケージ導入によるIT武装が急務になっている。