環境/沖縄 「リサイクル素材を利用したハイドロカルチャー製品の開発・販売」

土いらず、カビなしに

 廃ガラスのリサイクル素材と沖縄県産土壌、貴宝石を利用して、ハイドロカルチャー製品を開発・製造・販売する。コア企業であるトリムの廃ガラス再資源化設備は、プラント販売も行っており、全国9カ所で稼働している。こうした実績を踏まえ、廃ガラスのリサイクル素材である多孔質軽量発泡資材を、外国からの輸入品である「礫」の代替品として提供する。

 明確な差別化を図るため、強い化学的吸着性を持つ沖縄県産の粘土であるクチャと、マイナスイオン発生量が多い貴宝石をリサイクル素材に混ぜ込む。これにより、従来品に比べカビの発生が少ないハイドロカルチャー資材「スーパーソルH(仮称)」を2006年春にも発売する。

 連携企業はハイドロカルチャー製品開発・販売のプラネットファーム、観葉植物育苗・栽培のぎのざ観葉、植栽鉢開発・製造の名幸花鉢工場の3社。プラネットファームの販売網を活用し、苗木や鉢を合わせたセット品としても売り込む。新会社設立も検討している。

(株)トリム


会社名
役割分担
■コア企業
(株)トリム
資料の開発
(有)プラネットファーム完成品製作
(有)ぎのざ観葉観葉植物育苗
名幸花鉢工場植栽鉢開発



(株)トリム<br>新城博社長

(株)トリム
新城博社長

【廃ガラスのリサイクル素材をガーデニングへ】

 トリム(那覇市)の新城博社長は「わが国で1年間に供給されるガラス瓶は約190万トン。しかし、リサイクル率は40%に満たない」と嘆く。そこで同社は1996年にリサイクル事業部門を設置し、1999年に廃ガラスから軽石状の多孔質軽量発泡資材「スーパーソル」を製造する廃ガラス再資源化プラントを稼働した。

 同プラントは原料ホッパー、投入コンベヤー、ガラス破砕機、カレット粉砕機、粉体移送装置、振動ふるい機、混合撹拌装置、焼成炉と各自動制御装置で構成。製造した多孔質軽量発泡資材は透水性、保水性に優れ、耐火性があるほか、製造工程で比重を自由に変えられる。

 このため土木分野の軽量盛り土材、園芸・農業分野での人工培地・無機質土壌改良材、水処理分野の水質浄化材、建築分野の断熱材などに使われている。「寒冷地道路の下にスーパーソルを敷くと、路床凍結を防ぎ、アスファルト路面が割れない」(新城社長)という。

 一方、プラネットファーム(沖縄県宜野湾市)は、土を使わないガーデニングであるハイドロカルチャー製品を開発しており、ぎのざ観葉(沖縄県宜野座村)に観葉植物育苗・栽培を依頼している。また、名幸花鉢工場(沖縄県沖縄市)は、沖縄県産の粘土であるクチャを利用した植栽鉢を開発・製造している。

 ハイドロカルチャーは土の代わりに、外国からの輸入品である「礫」が多く使われている。「礫」は粘土や炭を高温で焼成した粒状で、スーパーソルと似た性質を持つ。しかし「カビ類が発生するから、2年に1回程度は洗わないといけない」(同)。「スーパーソルを使って、カビが発生しにくく、廉価なハイドロカルチャーを実現できないか」−。新城社長の負けん気に火が付いた。


【貴宝石と沖縄特産の粘土を活用】

 4社はまず、沖縄特産のクチャの成分に目を付けた。クチャは雲母、スメクタイト、クロライト、カオリナイトの10分の1ミリ以下の微粒子からなり、強い化学的吸着性や有用ミネラル成分を持っている。

 さらに、「マイナスイオンが備長炭の22倍」(同)という貴宝石を活用することにした。廃ガラスから軽石状の多孔質軽量発泡資材をつくる過程でクチャ、貴宝石を混ぜ込み、“天下無敵”のハイドロカルチャー資材をつくる。この計画が新連携に認定され、2005年10月に異分野連携新事業分野開拓約定書に調印した。

 従来の輸入品を超えるハイドロカルチャー資材「スーパーソルH(仮称)」は2006年春にも出荷を始める予定。亜熱帯特産の苗木や鉢、付属品を含む完成品のセットとしても販売する。プラネットファームの全国販売網を生かすほか、インターネット販売を行う。ガラスのリサイクル、県産粘土活用、亜熱帯型観葉植物拡販と、沖縄県の中小企業活性化政策に合致した事業展開になる。