食料・食品/沖縄 「沖縄県産素材を利用したスティック型のサプリメント等の開発・販売」

シークワーサーやノニをサプリメントに

 これまで活用されなかったシークワーサーの絞り粕、パインの果皮などの素材を無添加のサプリメントや麺、茶として商品化する。沖縄県産素材の色、風味、栄養成分などの特徴を残した粉末化技術を持つ海邦商事がコア企業。これに、素材の冷風乾燥技術を持つ沖縄発酵化学、製麺技術を持つサン食品、飲料製造技術を持つ名護パイン園が連携した。支援金融機関は沖縄振興開発金融公庫。

 コア企業のオリジナル技術と連携体企業の経営資源を融合し、スティック型サプリメントや、素材の持ち味を生かした麺、茶などを開発する。流通大手やインターネットを通じて販売していく。

 具体的な商品ターゲットは、シークワーサーのティーバッグ茶と粉末スティック、シークワーサーを麺に練り込んだ冷やし中華、パインのティーバッグ茶と粉末スティック、黒糖とおからの融合、ノニのジュースと粉末スティック。海邦商事が農業生産法人を立ち上げるなど、農家との連携を密にして事業を進める。

(株)海邦商事


会社名
役割分担
■コア企業
(株)海邦商事
素材の微粉末化
(株)サン食品麺関連商品の開発
(株)沖縄発酵化学素材の一次加工
(株)名護パイン園パイン関連商品の開発



(株)海邦商事<br>與那嶺安雄社長

(株)海邦商事
與那嶺安雄社長

【黒糖の微粒子粉末技術を生かす】

 海邦商事(沖縄県うるま市)は1991年(平3)の創業以来、新鮮なさとうきび汁を利用した黒糖製品を追求してきた。92年に畑で圧搾できる移動式圧搾機の実用化に成功したほか、95年には静電誘導技術の応用で冷水にも溶けやすい微粒子粉末黒糖の開発に成功した。同社商品「きび太郎」はサラサラで、水溶けがいい。

 この技術を生かして、これまで活用されなかったシークワーサーの絞り粕、パインの果皮などの素材を無添加のサプリメントや麺、茶として商品化しようと連携体が構成された。

 素材の冷風乾燥技術を持つ沖縄発酵化学(沖縄県糸満市)、製麺技術を持つサン食品(沖縄県浦添市)、大型観光施設をを持つ名護パイン園(沖縄県名護市)が集った。これら各社は「農家とは運命共同体」という海邦商事の與那嶺安雄社長の考えに賛同して、数年前から農産加工利用開発を行ってきた。

 新連携計画の認定以前から活動は始まっている。すでにシークワーサーのティーバッグ茶、パイン粕のティーバッグ化、シークワーサー冷やし中華には商品化のめどをつけている。新連携の補助金を受けて開発に力を注いでいるのは、粉末スティック化。従来の機械だと、絞り粕の落ち込みが悪く、目詰まりしてしまうため、機械メーカーとともに2005年度中に機械を開発する方針だ。


【農家と手を携えて】

 これと並行して海邦商事は、農家と手を携えて農業を事業化し、原料を安定確保するために農業生産法人「海邦ファーム」を2006年1月、沖縄市に設立した。「沖縄の農業の基幹はサトウキビだが、農家の高齢化が進んでいる。後継者づくりに役立ちたい」(與那嶺社長)という。

 亜熱帯地方に群生し、140種類以上の栄養素を含みながら、独特の強烈な匂いを発するため普及していない「ノニ」を、沖縄県工業技術センター、琉球大学とともにサプリメント化することも検討している。

 新連携について與那嶺社長は「きちんと協定を結んで、ガラス張りにする。信頼関係が重要」という。静電誘導技術の応用による微粒子粉末製造の基本技術特許は海邦商事が持つものの「つくっても、モノが売れないと特許は死ぬ。収益を按分しながら行う」考えだ。

 海邦商事は2005年12月、誰が、いつ、どのような方法で生産したかのトレーサビリティー(生産履歴)が分かるシークワーサージュース「伊豆味の森のしーくわーさー」(2500円)を6000本弱の限定で発売した。「農家あってこその2次産業」という意識は徹底しており、新連携でも農家と共存していく。

 海邦商事の2007年2月期の売上高見込みは約2億7000万円。與那嶺社長は「微粒子粉末技術を生かして総合健康食品メーカーへ飛躍したい」と目を輝かす。