IT/近畿 「デジタル統合書類管理システムの開発及び販路開拓事業」

一貫サポート体制を構築へ

 デジタル統合書類管理システム「デジタルドルフィンズ」の開発と販路開拓に取り組む。開発した枚岡合金工具は金型メーカーで、IT関連の製品づくりや販路開拓には限界があると判断し、異分野の企業と連携することにした。とくに導入企業に対するサポート体制構築を重視している。連携するクレアールソシオはグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を得意とし、フェズインターナショナルはシステム開発技術を持つ。

 また、フェイスはコピー機やソフト販売で実績があり、玉てばこ倶楽部は顧客サポートを担当する。この5社が手を組めば、開発から販路開拓、システムの導入、教育、サポートまでの一貫したサポートが可能になるというわけだ。導入実績は今のところメーカーが多いが、システムの性格上、業種は問わない。より汎用性の高いシステムとすることで、市場が広がると期待している。また2005年4月に施行された「e文書法」や、企業内セキュリティー対策の強化なども、追い風になるとみている。

枚岡合金工具(株)


会社名
役割分担
■コア企業
枚岡合金工具(株)
プロジェクト統括
(有)クレアールソシオデザイン
(株)フェズインターナショナル開発
(株)フェイス販路開拓
玉手箱倶楽部ユーザーサポート



枚岡合金工具(株)<br>古芝保治社長

枚岡合金工具(株)
古芝保治社長

【デジタル書類管理システムの販路拡大】

 枚岡合金工具は冷間鍛造用金型メーカー。戦後間もない1949年に、伸線やびょうらなどの地場産業が立地する大阪府東大阪市で産声を上げた。新規事業としてデジタル書類管理システム「デジタルドルフィンズ」を開発、事業化したのは2004年だが、それ以前から同社にはITの長い蓄積があった。

 そもそも古芝保治社長自身が1980年代からのマッキントッシュユーザー。社内のIT化も早く「売り上げや仕入れ管理、給与計算システムなど、全部自前で開発した」(古芝社長)ほど。「デジタルドルフィンズ」の原型を社内で活用しており、2001年に同社を見学した大手電機メーカーの幹部から「なぜ商品にして事業化しないのか」と質問されたという。

 商品化の直接の契機は品質保証・管理の国際規格「ISO9001」の認証取得活動。膨大な文書をデジタル化してうまく検索できないか、と開発に取り組んだ。同システムは企業内の各種文書、写真、メールなどの異なるデータを統合管理するツール。紙ベースの文書をスキャナーで取り込み、ネットワーク上で瞬時に検索・閲覧・印刷する。

 コピー機メーカーなどが販売している書類管理システムと異なり、メーカーの機種は問わない。また、設定した項目だけでなく、導入企業の特性に応じた項目を設定することで容易に検索できる。さらに、文書を検索すればリンクで関連付けて表示され、検索時間の短縮化にもつながる。操作もたやすく、同社では女性スタッフや金型工場の現場スタッフも活用している。

 価格はシステム構成によって異なり、リース価格は月額数万円から10数万円。中小企業でも導入しやすい設定になっている。


【異分野の企業で販促】

 新連携に名乗りを上げたのは「それぞれの専門分野の企業と組むことでビジネスの品質を高め、スピードを加速させたい」(同)ため。文書管理のニーズはメーカーだけにとどまらない。事実、同システムの顧客は保険代理店や携帯電話販売会社、会計監査法人にまで広がっている。こうした顧客を開拓するには連携が不可欠というわけだ。

 導入実績は2005年12月末の段階で12社。うち9社が製造業で、3社がサービス業だ。製造業はプレス加工や油圧機器、精密ネジなど業種、規模ともにまちまち。地域も関西を中心に中部圏まで広がっている。中には数百人規模の事業所もある。

 すでに「デジタルドルフィンズ事業部」を2004年4月に立ち上げ、金型事業と並ぶ二本柱として位置付けた。「企業にとって『時間創造』の重要性は大手も中小も同じ。いかに時間をつくるかで真価が決まる」(同)と販路開拓に全力を挙げる。