製造/近畿 「「ぬめり」等の汚れ(=有機物)の付着しない且つ、抗菌性能を持つシステム・バスの開発及び事業化」

抗菌性能、防汚性能を併せ持つ

 ぬめりなどの汚れが付着するのを防ぎ、しかも抗菌機能を併せ持つFRP製のシステムバス、ユニットバスの開発・販売を目指す。プラスチックの防汚技術を持つアリス化学と、微粒子を高粘度樹脂に混練する技術を持つ公進ケミカルなどが連携。2007年春までに高付加価値機能のユニットバス、システムバスを商品化する。独自の防汚性材料を浴槽の0・3ミリメートルの表面層に公進ケミカルの混練技術で練り込み、防汚効果の耐久性を大幅に向上させる。

 システムバスやユニットバスは使い出して20年を経過すると表面の汚れが目立ち、取り換えたくなる。古くなったユニットバス、システムバスのリサイクルはコスト面から合わず、粉砕か焼却しかない。ぬめりの問題が解決できれば、その寿命は半永久的となる。

 住宅供給戸数は、ピーク時の年間180万戸から2004年、2005年は同120万戸前後と大幅に減少。ユニットバス、システムバス市場は、高価格品と低価格品に二極分化している。アリス化学は高付加価値の高機能製品としてリフォーム市場を含めて市場攻略し、事業拡大を目指す。

 

アリス化学(株)


会社名
役割分担
■コア企業
アリス化学(株)
全体的なとりまとめ
公進ケミカル(株)防汚性能強化



アリス化学(株)<br>青竹弘之社長

アリス化学(株)
青竹弘之社長

【快適なお風呂へ、ぬめりなど汚れが付着しない浴槽開発】

 ユニットバスにぬめりなどの汚れが付着しないようにできないか−。こんな悩み、疑問を持つ人は多い。繊維強化プラスチック(FRP)製の浴槽を製造・販売しているアリス化学(福井県あわら市)は、福井県内第1号の新連携支援認定事業として福井大学工学部や公進ケミカル(静岡県浜松市)などと連携。ぬめりなどの汚れが付着しない浴槽の開発に取り組んでいる。

 アリス化学は1964年の創業。ユニットバスやシステムバスの製造一筋に歩んできた中小企業だ。青竹弘之社長は「機械成形の大量生産でなく、多品種少量生産にこだわる経営」を志向し、業界での地位を確立している。それだけに製造作業の半分以上は手作業が中心で、少数の注文にも応じる。近年は大量生産で低価格の中国製品などが急増しているが、これらと一線を画している。

 新連携事業は「こだわりの経営」をさらに推し進めるもので、中国製品との差別化、国内同業他社への対抗製品として開発する。浴槽に汚れが付着せず、同時に抗菌効果を発揮するのが特徴だ。2007年春に高付加価値機能を持ったユニットバス、システムバスとして市場に出す。

 青竹社長は2000年ごろからユニットバス、システムバスのぬめり、汚れ防止の事業化を研究し、開発プランをまとめた。産学連携で研究開発を具体化するため、福井県のふくい産業支援センターに相談した。紹介されたのが福井大学工学部の荻原隆助教授だった。

【防汚性材料を練り込み】

 荻原助教授との共同研究で、せっけんかす、人間の皮膚の残りかすなどによるぬめり、汚れが付着しない浴槽の製造法を開発。実験室レベルの試験、分析で効果を確認した。新連携事業は商品化を加速するのが狙いだ。製造方法は浴槽表面の厚さ0・3ミリメートルの高粘度樹脂層に、ぬめりなど汚れの付着を防ぐ独自の防汚性材料を微粒子として練り込む。練り込みは公進ケミカルの技術。塗布だと浴槽の使用頻度に応じて効能が消えるのに対し、練り込み工法は「ぬめり防止効果が半永久的」(青竹社長)と力説する。

 事業参画する公進ケミカル、積水ホームテクノ(大阪市)は、いずれもアリス化学の創業当時からの取引企業。「連携事業は信頼関係が一番大事」(同)というだけあって、福井大工学部を含む4者の信頼のきずなは厚い。公進ケミカルは原料供給メーカーで、高粘度樹脂や微粒子混練、色相などの得意技術を持つ。積水ホームテクノは積水化学系の住宅資材メーカーで、最終商品の評価や商品の市場開拓、販売を担当する。青竹社長は、国の認定によって「後戻りはできない。背中を押してもらった」と話す。

 計画では2005年内に製品試作に入り、評価試験を実施する。これまでは大学の研究室レベルでの評価で、通常の浴槽での試験、評価は行っていない。短くても半年間から1年間のテストが必要とみている。商品化に成功すれば、ほかの水まわり製品にも応用できるだけに「夢の持てる開発だ。この一年が勝負」と、青竹社長の言葉に力が入る。