IT/関東 「患者アメニティ環境と医療環境の融合を目指すヘルスケア・ポータル・サービス」

 ヴァイタスが医療機関への営業活動、ゴールデン・マイクロ・システムズがハードウエアの開発・保守、アクシスソフトがアプリケーションの開発・保守をそれぞれ行う。さらにTBSビジョンが配信用コンテンツを提供する。補助金でハードの開発を進めるほか、販売促進用の資料などを作成する。

 販売ターゲットは大学病院、総合病院、総合医療センターなど地域の中核的な医療機関。ベッドサイドに設置したパネル状の情報端末で、テレビ番組やネット配信の映画を視聴したり、インターネット通販を利用したりすることができる環境を整える。入院生活と日常生活の便利さのギャップを埋めていく。

 医療機関は情報端末で診療計画や医薬品、リハビリ計画などの情報提供を行う。投薬などの最終処置が確認できるため、医療ミスの防止にも役立つ。

 「ME&i」サービスのベッド1床あたりの初期導入コストは約30万円。電子カルテメーカーなどを通じて、2006年中に5000床への導入を目指す。

(株)ヴァイタス


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ヴァイタス
販売チャネルの提供VOD関連機器販売
ゴールデン・マクロ・システムズ(株)ハードウェアの開発・保守
アクシスソフト(株)アプリケーションの開発/保守
(株)TBSビジョンコンテンツの調達/管理/提供



(株)ヴァイタス<br>曽根伸二社長

(株)ヴァイタス
曽根伸二社長

【入院患者に快適さ提供】

 ヴァイタス(東京都文京区)、TBSビジョン(東京都港区)など4社の連携体は、入院患者のアメニティー環境と医療環境の融合を図る「ME&i(メディカル・エンターテインメント・アンド・インフォメーション)」サービスを行っている。ベッドサイドに設置した情報端末を利用してビデオ・オン・デマンド(VOD)やインターネットができる環境を整える。さらに電子カルテを連動させて、入院患者へのインフォームドコンセント(説明を受けた上の同意)に利用する。

 ヴァイタスは医療情報の管理システムの開発、コンサルティングなどを手がけている。曽根伸二社長が知人を通じて、TBSのコンテンツを病院にVOD配信できないかという話を持ちかけられ、新サービスに乗り出すことになった。曽根社長は4社連携について「サービスを提供するために必要なハード、アプリケーション、コンテンツを手がける会社が関係者の紹介などで集まった」という。

 医療機関向けのビジネスは専門用語が使われることが多く、一般の人への説明に苦労することがたびたびあるという。今回、中小企業基盤整備機構のサブマネジャーの支援を受けて事業計画の書類作成や数字作りができたことで、新連携事業評価委員会などへのプレゼンテーションを円滑に進めることができた。
 しかし「“新連携”支援はモノづくり事業が前提。補助金をアプリケーションの開発に使うことができない。連携体の中でお金を使えず、制作の発注ができないといった制約もある」と、曽根社長は補助金に制約があることを残念がる。


【ベッドサイドに大きな可能性】

 日本の医療機関のベッド数は120万床といわれる。曽根社長は「入院患者が時間をつぶすために、端末を使うことが多くなるはずだ」と、ベッドサイドの情報端末ビジネスが秘める大きな可能性を示唆する。

 電子カルテは、検査の内容や治療の進ちょく状況など、医療情報を入院患者に提供する。曽根社長は「医療側には情報が整えられているにもかかわらず、患者側は詳しいことを知らないことが多い。患者が見たいとき、聞きたいときに情報を入手できるようにして、“情報の非対称性”をなくしたい」という。

 さらに端末をマーケティングのツールとして利用するビジネスも展開していく予定だ。入院患者に退院後の治療法の希望についてアンケートを行うなど、医療機関にかかわるさまざまなビジネスにつなげていく。

 現在の悩みはシステム開発や営業の人材が不足していることだ。今後、医薬情報担当者(MR)や医療情報システムに精通する担当者を早急に増やし、事業拡大を図る。