食料・食品/沖縄 「伝統的沖縄野菜の青パパイヤ搾汁液を用いた機能性飲料の製造・販売事業」

「売れる」商品づくり

 沖縄ハム総合食品が手掛けるのは、沖縄県内の伝統的野菜「青パパイヤ」を活用した健康飲料「ギャバミン(720ミリリットル入り1980円)」の製造・販売だ。泡盛で知られる久米仙酒造と、食品商社の沖縄県物産企業連合と連携を組む。県内有数の食品メーカーである沖縄ハム総合食品は、機能性物質を増量させる技術を開発。久米仙酒造が製造する醸造酢に配合して製品化する。また沖縄県物産企業連合が開発段階から加わり、マーケティング戦略を組み立てることで「売れる商品づくり」を目指す。

 青パパイヤは沖縄県では裏庭に実っているような県民になじみ深い野菜。スーパーや青果店でも日常的に販売される。栄養価が高く、地元では出産後に食べるとよいとされてきた。近年、食品に含まれる機能性物質が注目されるなかで、青パパイヤには機能性物質「ガンマ−アミノ酪酸(GABA)」が含まれることが判明。GABAには血流促進やリラックス効果があり、同様の効果がある醸造酢と組み合わせることで、睡眠改善効果が期待できる飲料として発売した。

 また南西諸島が国内の北限とされる青パパイヤを原料に使うことで、地域性も強みにした高付加価値商品とした。飲料に使用される原料は青パパイヤも醸造酢も沖縄県内の素材であり、県内の農業振興にも貢献していく構えだ。

沖縄ハム総合食品(株)


会社名
役割分担
■コア企業
沖縄ハム総合食品(株)
商品開発・製造
久米仙酒造(株)商品開発・原料提供
(株)沖縄物産企業連合マーケティング・販路



沖縄ハム総合食品(株) 長濱徳勝社長<br> 「発酵食品を深掘りし、海外進出にも力を入れたい」

沖縄ハム総合食品(株) 長濱徳勝社長
「発酵食品を深掘りし、海外進出にも力を入れたい」

【高付加価値の健康食品に参入】

 「健康食品に力を入れている」と胸を張るのは、沖縄ハム総合食品の長濱徳勝社長だ。同社は1977年創業の県内トップクラスの食品メーカー。ハム・ソーセージなど食肉加工製品やレトルト食品に定評がある。健康食品分野に進出したのは03年ごろ。地元食材を使った高付加価値の商品づくりを目指した。将来沖縄県内の人件費が上昇するとの予測があり、県産品に付加価値を付けることで、利益を確保できる体制づくりの必要性を感じたためだ。その当時既にウコンやシークワーサーなどを使った健康食品がブームになっており、同社も新製品開発へと乗り出した。

 青パパイヤを利用しようと検討を始めたのは07年から。野菜を活用した加工製品に県の補助金がついたことがきっかけだった。青パパイヤには血流促進やリラックス効果のある機能性物質GABAが含まれており、健康食品への利用を試みた。タブレットを想定したが開発を重ねた結果、飲料へと行き着いた。

 製品化において大きなポイントだったのが、GABAの増殖技術だ。当初は抽出量が少なく、自社製造分では足りなかった。だが自社で技術を開発し、青パパイヤの搾り汁を乳酸菌発酵することで大幅増殖に成功、自社製でまかなえるようになった。「天然由来のGABAが自慢」と長濱社長は力を込める。

【県内企業でタッグ組み一貫した製品づくり】

 同社が目指したのは「売る」部分までを考えた商品づくり。そのため県内企業と商品開発段階から連携体を組むことで、商品開発・製造・販売まで一貫した体制を築いた。
 久米仙酒造は県内で唯一、泡盛の副産物であるもろみ酢から醸造酢を製造する技術を持つ。また飲料開発のノウハウを生かし、味付けの部分でも力を発揮している。また沖縄物産企業連合は商社として県内外に販売チャンネルを持ち、販路開拓とともに、マーケティング力を商品開発にも生かした。営業面でつきあいがあった2社と組むことで、県内3社による強力なタッグが生まれた。

 「ギャバミン」のパッケージには沖縄ハムの社名をあえて大きく載せていない。3社が協力して開発したことを表現することで、各社が自社製品として売りやすくしたのだ。
 発売から3年が経過し、中高年の女性を中心にファンが多くついている。県内スーパーなどで販売しており、販売目標は年間3000万円。09年3月には別名「ねむり草」とも言われる、沖縄伝統野菜クワンソウのエキスも加えた「ギャバミンDX」を発売した。長濱社長は「飲んだ人の反応は良く、手ごたえはある。認知度が上がってきており、根気よくやっていきたい」と、沖縄の振興と安眠に力を発揮する考えだ。