食料・食品/関東 「原料用緑茶製造方法の開発と販売」

高温加湿熱風で緑茶製造のあり方を一変する

 まるよん製茶をコアとして短時間で香味豊かな緑茶飲料、食品向け原料茶を製造、販売することを目指す。従来製法ではおよそ4時間を要している製造時間を新製法では加工食品用なら10分間、緑茶ドリンク用でも2時間と、大幅に短縮する。

 この新製法では茶葉を乾燥させるのに、従来の100度C程度の熱処理に対し、160−300度Cの高温に加湿した熱気を用いる「高温加湿熱風」を採用しているのが特徴だ。

 製茶工場のまるよん製茶が原料用緑茶の製造を担当し、茶業関連機械メーカーの沢田工業が機械設備の手配を、茶そばメーカーの池島・フーズが商品化の技術提供を、化学分析のエコプロ・リサーチが製造されたお茶の成分分析と品質検査をそれぞれ受け持つ。

まるよん製茶(株)


会社名
役割分担
■コア企業
まるよん製茶(株)
原料緑茶生産
沢田工業(株)機械設備
(株)エコプロ・リサーチ成分分析
池島・フーズ(株)商品開発



まるよん製茶(株)<br>杉本琢是社長

まるよん製茶(株)
杉本琢是社長

【新しい緑茶原料の供給スタイル確立へ】

 まるよん製茶をコア企業とする新連携グループは、新しい製茶方法による緑茶飲料、食品向け原料の製造・販売に挑戦している。関東経済産業局と関東農政局からの連名認定を受けた初の新連携事業として注目されている。

 茶業界の現状は、これまでの主力である煎茶(せんちゃ)の消費が伸び悩むなど厳しさを増している。一方で、緑茶ドリンクに代表される緑茶飲料、食品の市場は急拡大している。新連携では、この新市場に的を絞った原料用緑茶の新しい製造方法の確立を目指している。

 製茶工場では、一番茶から秋冬番茶まで同じ工程でお茶が製造されており、緑茶ドリンクや粉末茶もすべて煎茶に加工されたもののなかから利用されている。

 「加工用の原料として使うのであれば、もんで形を作る必要はなく、用途に応じて色、成分、香りなどを合わせた新しい形のお茶でよいのではないか」と、まるよん製茶の杉本琢是社長は提案する。

 「煎茶の形を作る必要がなければ、その分、工程を簡略化して短時間で製造できるので、生産コストが下げられる」と設備を担当する茶業関連機械メーカーの沢田工業の澤田弘社長は語る。連携グループではこのほか、茶成分の化学分析・品質検査を分析検査会社のエコプロ・リサーチが行い、茶そば国内シェアトップの食品メーカー、池島・フーズが商品化の技術を提供する。

 同グループには、協力機関として静岡県茶業試験場や静岡県静岡工業技術センターが技術連携するほか、静岡県お茶と水研究会、SOHOしずおか、静岡産業大学なども連携する。


【専用設備2基の試験運転を開始】

 「それぞれ異分野の専門家が集まったことで、課題を掘り下げて検討できる」(杉本社長)のが連携の強みだ。「メンバーは信頼関係を築き、協力することが前提」(同)と4社が一丸となり、事業化に向けて取り組んでいる。
 まるよん製茶はこのほど本社内に工場を新設、専用設備を2基導入して試験運転を始めた。今後、飲料・食品メーカーへ提案し、原料供給を目指す。

 「開発するのは、製茶工程も形状も違うお茶。商品力には自信があるが、認知されるまで時間がかかりすぎないためにも新連携が必要だった」(同)。今回、認定を受けたことにより、茶業界内外から反響があり、引き合いが多く寄せられている。

 「この新連携事業で新しいお茶が普及すれば、成功事例として他社に追随してもらいたい。それによって、既成概念にとらわれないチャレンジを茶業界全体でしていきたい」(同)と意欲をみせる。