食料・食品/四国 「低吸油性『マンナンパン粉』と添加物としてのコンニャクゲルの開発、製造および販売」

ヘルシーとサクサクした食感で勝負

 中温はクリやたけのこなどの農産物加工会社。同社ではこれら主要品に加えて愛媛県や愛媛大学などと共同研究で渋皮付きのクリ「虎栗」やクリの渋皮から抽出した食品素材「栗渋ポリフェノール」などのオリジナル商品を開発している。その中で同社が一番期待するのが「マンナンパン粉」だ。

 マンナンはコンニャクの根茎などに含まれ、健康食材の代名詞の一つになってきたが、「マンナンパン粉」は同社と愛媛県、連携先の誠実村が共同開発したコンニャク(マンナン)成分の入ったパン粉(特許出願中)。小麦粉とコンニャクゲルを配合し焼き上げパン粉にしたもので、従来の揚げ物より油分を約20%カットし、レンジで加熱した時のベタつき感が減少する。温め直してもサクサクしたソフトな食感が残るのが特徴。ヘルシーさはデータでも実証済みで、「試食した人からサクサク感があっておいしいと評価が高く、売れると自信が持てた」(大澤邦夫社長)という。従来の大豆タンパクを添加したヘルシーパン粉と比べ、大豆タンパク361キロカロリーに対し、コンニャクマンナン5キロカロリーのうえ、食感で勝ると感じた大手冷凍食品メーカーなどが注目している。

(株)中温


会社名
役割分担
■コア企業
(株)中温
マンナンパン粉製造に関する知的財産権、食品製造加工技術、販売ルート
(株)誠実村マンナンパン粉製造に関する知的財産権、コンニャクゾル・ゲルの製造設備・製造技術



(株)中温 大澤邦夫社長<br>「マンナンパン粉は初期の営業段階から顧客の反応が良く順調に商談が進んでいる。特許出願と新連携の認定商品であることが営業にも役立ち、来期(2011年8月期)は大いに期待している」

(株)中温 大澤邦夫社長
「マンナンパン粉は初期の営業段階から顧客の反応が良く順調に商談が進んでいる。特許出願と新連携の認定商品であることが営業にも役立ち、来期(2011年8月期)は大いに期待している」

【産学官共同研究から生まれた新規事業の柱】

 事業化に際して中温は製造ノウハウや実証データの提供、営業を担当。誠実村は国内産のマンナンゲルを製造するなど役割分担する。材料の小麦粉やコンニャクはニーズにより輸入品と国産品を使い分け、パン粉メーカーも販売地域ごとに提携するビジネスモデルができつつある。

 そうした矢先、新連携の認定はマンナンパン粉を市場に売り出す絶好のタイミングになった。「本当は虎栗を地域産業資源活用事業の認定に申請するつもりだった」(辻田純二中温取締役企画開発室長)。ところが、中小機構四国の担当者が同社を訪れた時、マンナンパン粉を見て新連携を紹介された。09年6月に認定を受けるまで苦労したが、認定後に本格営業を始めるとさまざまなメリットを実感する。

 大手食品メーカーなどへ営業に出向くと「新連携の認定企業・認定商品と話すだけで企業や商品の信用度が増した。自社の会社説明時間も大幅に減り、商談がスムーズに運べた」(同)と喜ぶ。食べてすぐわかるサクサクおいしい食感と新連携認定の追い風もあってこれら商談は各方面で高いレベルで進んでいる。

 大澤社長は「楽しいくらい先方の反応が良い。8月以降に国内外で大きく商談が進展しそうだ」と期待する。同社では冷食メーカーやスーパーなどの総菜、弁当屋、消費者向けのOEM商品向けなどに売り込み、「ヘルシーパン粉のシェア1割は狙いたい」(大澤社長)と意気込む。

【販売は消費向けと海外展開が先行】

 先行して3月から消費者向けにエコライフコーポレーションブランドのマンナンパン粉が各スーパーなど店頭に並んだ。各スーパーの総菜にも使われる予定だ。また海外向けはエビフライなど手がける冷食メーカーのベトナム工場に正式採用が決まれば、8月から同工場向けだけで月販100トンが見込まれている。

 一方、国内の冷食メーカーなどは商品化までの検証に時間をかかるのがネック。それでも「おいしさは実証済み。『吸油率をさらに向上させてほしい』などの要望にこたえ、早く1社採用を決めたい。そうすればすぐに後に続く」(辻田取締役)と期待する。

 同社はマンナンパン粉やマンナンゲルの販売拡大を図る一方で、新連携の認定を機に商工中金からマンナンパン粉やコンニャクゲルの運転資金、研究開発費の融資を受けた。「マンナンパン粉はゴールではなくスタート。今後もマンナンゲルなどを生かした商品開発をしていきたい」(同)と、さらに事業の裾野を広げる考えだ。