流通/関東 「ゴミ『ゼロ』梱包材による物流管理統合システム・サービスの事業化」

環境配慮型物流システムを提供

 環境ベンチャー企業、スターウェイをコア企業として新連携事業で展開するのは、環境配慮型梱包材「イースターパック」を利用した物流管理システム。使い捨てにされてきた段ボールやトレーに代わり、繰り返し使える梱包材を独自開発。「通い箱」として資源の有効活用を実現するだけでなく、ICタグと組み合わせ、出荷、流通在庫状況などをリアルタイム追跡できる物流ソリューションとして、顧客企業の業務効率化に貢献している。開発当初は、拠点間で部品を頻繁に輸送する電機や精密機器メーカーの企業間物流用途が中心だったが、環境意識の高まりから、最近では通信販売など採用分野のすそ野が拡大している。

 梱包材は古紙を圧縮することで100回もの再利用に耐える強度を実現。製品を衝撃から守る緩衝材には、発泡スチロールに代わり、伸縮性のあるフィルムをはった特殊な板紙で製品を挟んで保護する仕組み。2008年7月に北海道で開催された主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、世界各国の報道機関に対し、資材輸送用に無償提供され、話題を呼んだ。

 目下の課題は、需要拡大に伴う増産対応と、海外市場の開拓だ。09年夏、中国に稼働したばかりの自社工場の近隣に現在、新工場を建設中。国内外への「イースターパック」の供給拠点となる。

スターウェイ(株)


会社名
役割分担
■コア企業
スターウェイ(株)
サービスの開発、運用、販売
(株)エターナルサイエンスシステム開発
北越パッケージ(株)梱包材の製造、管理、出荷



スターウェイ(株) 竹本直文社長<br>「大手物流会社との販売提携を視野に入れ、日中間および中国国内の拠点間の製品や部品輸送用に採用拡大も目指す」

スターウェイ(株) 竹本直文社長
「大手物流会社との販売提携を視野に入れ、日中間および中国国内の拠点間の製品や部品輸送用に採用拡大も目指す」

【市場拡大で連携進化】

 事業の原点は、半導体メーカー勤務時代の竹本直文社長にある。生産現場でトレーや段ボールが使い捨てにされる姿を目の当たりにし、環境配慮型梱包材「イースターパック」を考案したのがきっかけだ。強度や耐久性といった製品品質そのものは優れていても、製品コストや再利用の前提となる回収システムが確立していないことが壁となり、普及につながらなかった。

 構造的な課題を打破する弾みとなったのは、新連携支援制度を通じた外部資源の活用だ。梱包材単体を販売するビジネスモデルから脱却し、ICタグによるネットワーク技術と組み合わせることでリアルタイム追跡が可能な物流管理システムとしてサービス展開することにした。スターウェイをコア企業、システム開発をエターナルサイエンス(川崎市)が担い、製紙メーカー、北越パッケージに「イースターパック」の生産を委託、さらに物流会社と手を結ぶ。こうした企業間連携によって事業展開をスタート。企業の環境意識の高まりも追い風に、採用分野拡大を実現してきた。当初は拠点間で頻繁に部品を輸送する電機や精密機器といったメーカーが中心顧客だったが、通信販売や食品、日用品といった新たな分野での採用も相次ぐ。

【生産増強急ぐ】

 新連携事業認定から5年−。環境配慮型梱包材に対する需要の高まりは、スターウェイにさらなるビジネスモデルの進化を求めている。課題はふたつ。需要拡大に対応するための生産増強と、アジア地域をはじめ活発化する国際物流需要の取り込みだ。2010年初めには横河電機が日本と中国の工場間の製品や部品の輸送にスターウェイの梱包箱の採用を決めた。こうした動きは、今後ますます加速することが予想される。

 生産増強については、まさに手を打っている最中だ。09年夏に中国・山東省に初の自社工場を稼働。北越パッケージへの生産委託を見直し、中国企業からの原材料供給を通じた自社生産に方針転換。製品価格を従来比3分の1に抑えることができた。さらに設備増強を図るため現在、稼働中の工場の近隣に新工場を建設中だ。10年7月の完成、9月稼働を目指しており、生産能力は月2万箱から8万箱と大幅に引き上げられることになる。

 中国向け営業も本格化する。第一弾として、重量物包装材製造のトライウォール(東京都千代田区)と販売業務提携する方針だ。大手物流会社との販売提携も視野に入れている。日中間および中国国内の拠点間の製品や部品輸送用に採用拡大を目指すほか、中国郵政にも採用を働きかける方針だ。

 さまざまな苦難を経て大きく花開いた環境配慮型の物流管理システムは、まさに環境先進国、日本発のビジネスモデル。そしていま、活躍の舞台は世界に広がりつつある。