サービス/近畿 「狭幅員橋やトラス橋等に最適な点検カメラシステムのレンタル販売と調査受託事業」

橋の点検調査の新サービスを提案

 ジビル調査設計(福井市)は、福井県を営業地盤とする建設コンサルタント会社。橋や道路などインフラ整備の設計・調査業務を中心に、自治体へコンサルティング業務を展開している。

 橋を建設する場合、事前に地形の測量や地質調査を実施し、経済比較を行った上でその土地に最適な設計を提案する。1970年に設立し、これまで県内の多くの工事にたずさわり、実績を積んできた。現在も年間約150件の物件を手がけている。

 ただ、受注のほとんどが公共工事のため、深刻な構造問題に直面している。1996年ごろをピークに公共工事が減少傾向となり、大規模建設プロジェクトに代わって小規模案件が増えている。以前は橋の設計業務を主力にしてきたが、現在は橋の架け替えや新設などの工事はほとんどないのが実情だ。さらには競争入札により、他社との低価格競争も激しさを増している。

 こうした閉塞(へいそく)状況を打破するため、異業種と手を携え、新たなサービスに乗り出すことで勝ち残りを目指している。機械製造・設計のインテス(大阪府東大阪市、神出明社長)と連携し、「橋梁点検カメラシステム」を開発。橋の点検調査の受託や、レンタル・リースなどの新規需要の掘り起こしに向けた活動を始めた。

ジビル調査設計(株)


会社名
役割分担
■コア企業
ジビル調査設計(株)
事業統括、点検業務請負、市場調査、システムのPR活動、レンタル販売
(有)インテスレンタル機器のメンテナンス、システム機能改良・製作



ジビル調査設計(株) 毛利茂則社長<br>「競合他社にない技術を持つことで道を切り開いていきたい」

ジビル調査設計(株) 毛利茂則社長
「競合他社にない技術を持つことで道を切り開いていきたい」

【死角領域も正確に測定】

 開発したシステムは、橋のひび割れなどの劣化部分や老朽個所の点検に用いる。点検用のビデオカメラを遠隔操作し、目視点検では困難だった橋の下面や鉄骨構造内部の死角領域を正確に測定できる。橋上の作業スペースが幅120センチ−150センチメートルで「狭い道路橋でも点検中の車両通行が可能」(毛利茂則ジビル調査設計社長)なことを売りにしている。撮影した測定画像の部位や位置別のデータベース化も行える。

 従来の点検は大型の点検車のデッキに人が乗り、目視で行っていた。ただ目視では見える範囲が限られ、見落としもある。さらには狭い道路橋へ点検車を止めると、通行止めといった交通規制が必要となる場合が生じる。同社のシステムでは幅員5メートルの狭い道路橋でも、普通自動車の片側交互通行が確保できる。

【道路橋の点検が急務に】

 2007年度から国土交通省は地方自治体に対し、道路橋の「長寿命化修繕計画」の策定を求めており、これが新たなシステムとサービスを発想するきっかけとなった。2013年度までに策定できなければ、修繕・架け替えへの国費補助が受けられなくなる。このため全国の自治体では、道路橋の点検が急務となっている。ただ市区町村などでは人材不足もあって、取り組みが遅れている。ジビル調査設計はこうした問題に対応するため、社内にプロジェクトチームを立ち上げ、異業種との連携によるシステム開発に乗りだした。自治体による点検は将来も定期的に行われ、一定の市場が見込めるからだ。

 連携パートナーのインテスは、日本有数の中小企業の集積地である大阪府東大阪市にある。それだけに、モノづくりにかかわる「さまざまな情報を持っている」(毛利社長)。技術力も高く「当社が求めるものを、うまく形にしてくれる」(同)。建設業界は入札で仕事を獲得するため、これまで新しいものをつくって提案する経験がなかった。異業種との接点もなく「インテスもインターネットサイトで初めて知ったが、この巡り合いに感謝している」(同)。

【PR活動を本格化】

現在、ジビル調査設計が受注した橋の点検現場で、システムのゼロ号機を使用している。試験も兼ねた運用で、改良型の1号機は2010年3月末までに完成する。これも試験を重ね、より使いやすいものに変えていく考えだ。4月以降はいよいよ展示会などを通じて、点検調査の受託をはじめPR活動を本格化する。量産が可能になれば近畿地方の建設コンサルタント向けに、レンタルやリースも始める。システムはトンネルの点検などにも応用できると見ており、今後は用途開拓も進めることにしている。建設業界を取り巻く環境は年々、厳しさを増している。しかし、競合他社にない技術を持つことで「道を切り開いていきたい」(同)と意気込んでいる。