製造/関東 「廃石膏ボードのリサイクルサービスの事業化」

石こうボードの100%リサイクルを目指して

 中央環境開発は廃石こうボードの破砕といった中間処理やリサイクルが主力事業。新連携では石こうボードの破砕片を紙(はく離紙)と石こう粉に完全に分離する技術を確立し、これまで難しかった石こうボードのリサイクル事業を展開していく。

 再生処理した紙は古紙原料として製紙メーカーへ納入し、段ボールの板紙として再生。一方、石こう粉は砂利やセメントなどと混合して、公園や遊歩道のブロックとして再生する計画だ。「これまで廃棄物として処理していた石こうボードをリサイクルすれば、環境保護はもちろん、処理コストの低減につながる」(太田敏則社長)と連携事業の意義を説明する。

 連携体は中央環境開発がコア企業となり、リサイクル原料の製造や分離装置の開発を担当。連携体の信和(東京都大田区、甲斐義行社長)がブロック製造装置の開発、ソーセキ(栃木県佐野市、池ノ谷静一社長)がブロックの製品化や販売を担当する。

 連携事業を円滑に推進するため、連携体以外の企業にも支援を仰いだ。古紙販売には国際紙パルプ商事(東京都中央区、赤松恭夫社長)が、ブロック販売では大手ホームセンターがそれぞれ協力。「完全分離技術が実用化できれば、石こうボードの100%リサイクルが可能になる」(同)と力を込める。

中央環境開発(株)


会社名
役割分担
■コア企業
中央環境開発(株)
古紙原料の製造、ブロック原料の製造、リサイクルサービスのノウハウとシステムの提供
(株)信和ブロック製造装置の製造、メンテナンス
(株)ソーセキ新商品(ブロック)開発、ホームセンターへの販売



中央環境開発(株) 太田敏則社長<br>「リサイクルシステムの構築を新連携事業に盛り込めたのも異業種連携があったからこそ」

中央環境開発(株) 太田敏則社長
「リサイクルシステムの構築を新連携事業に盛り込めたのも異業種連携があったからこそ」

【完全分離技術の確立】

 石こう廃材は現在、全国で年間150万トン出ており、2013年には220万トン程度に増加するといわれる。廃材のリサイクルはほとんど行われておらず、廃棄物として埋め立て処分されているのが現状。加えて、石こうボード廃材は06年6月の環境省通達で、厳しい処分基準がある「管理型処分」の対象となった。このため、処理コストが大幅に高まり、建設業者にとって大きな負担となっている。

 中央環境開発はこうした業者の声をくみ取り、石こうボードのリサイクル技術開発に乗り出した。石こうの成分は90%の石こうと10%の紙で構成され、リサイクルには石こうと紙を完全に分離する必要がある。同社は石こうと紙とをリサイクル可能なレベルにまで完全分離できる装置を開発する。

 装置開発のポイントは「紙の繊維を破壊せずに石こうを分離させる」(同)こと。高速で紙をたたけば石こう粉を取り出せるが、紙の繊維は破壊されてしまう。

 そこで、スクリューで紙を回しながら、石こうを分離させる方法を用いた。回転時間と1回の処理量、筐体とスクリューの角度などを調整。手でもむような状態を保ちながらスクリューを回すことで、紙と石こうの完全分離が可能になるという。

【異業種連携の魅力】

 分離技術の開発に加え「リサイクルシステムの構築を新連携事業に盛り込めたのも異業種連携があったからこそ」(同)。埋め立て処分しか手段がなかった廃石こうボードを、古紙原料やブロックへ再生する道すじをつけた。

 連携企業がそれぞれの強みを持ち寄り、新たな事業を展開できることに新連携の魅力がある。すべてを自社で行うには資金的・時間的な制約があるうえ、「ノウハウを持たない自社だけではリサイクル商品の開発まではとてもできなかった」(同)と振り返る。

 技術や設備を共有するなど、互いの経営資源を有効に活用できるのも新連携の大きな特徴。信頼で結ばれた連携による相乗効果は計り知れない。しかも、同プロジェクトはフットワークの良い中小企業3社が展開する事業。「3社の経営者が集まり、その場で事業の方向性を決定できるのも強み」(同)とし、迅速な意思決定こそが事業成功の要になることを強調する。

 また、太田社長は新連携事業に対して「一省庁の事業で終わらせてしまうのはもったいない。各省庁が情報を共有し、有益なプロジェクトに対して一体的な支援体制を構築してはどうか」と提言する。今後、各省庁の支援メニューと新連携を合わせて利用できるようになれば、事業の幅は広がっていくかもしれない。