製造/近畿 「ロボット用超小型6軸力覚センサの商品化」

ロボット用超小型6軸力覚センサーの商品化

 日本リニアックスがコア企業となっているグループは、次世代知能ロボット用の6軸力覚センサーの開発を進めている。次世代知能ロボットには人間の動きに合わせて作業を行うパワーアシストロボットや、アーム部分に特化したハンドリングロボットなどがある。将来は人間が行けないような特殊な環境下での細かい作業も可能になる。

 6軸力覚センサーは次世代知能ロボットの動きのカギになる部品だ。次世代知能ロボットには視覚センサーなど多くのセンサーが使われるが、中でも指の関節部分に相当する小型6軸力覚センサーの開発を進めている。

 現在、一般に市販されている最も小型の6軸力覚センサーは直径18ミリ。同グループでは、直径16ミリの6軸力覚センサーの開発を進め、より細かい作業をできるようにする。量産を目指す。

日本リニアックス(株)


会社名
役割分担
■コア企業
日本リニアックス(株)
プロジェクト統括/事業化
(株)新興製作所研磨加工
(株)日本プロビーム工業溶接加工



日本リニアックス(株)<br>沢村幹雄社長

日本リニアックス(株)
沢村幹雄社長

【小型6軸力覚センサーの量産技術】

 日本リニアックス(大阪市北区、沢村幹雄代表取締役)をコア企業とするグループは、次世代知能ロボット向けに6軸力覚センサーの開発を進めている。6軸力覚センサーは、次世代知能ロボットのカギを握る部品。その中でも、とくに指の関節部に当たる小型高性能6軸力覚センサーの開発を進めている。

 「生産現場のロボット化が進んでおり、人間と同じ動作ができる次世代知能ロボットがますます必要になる。人間が耐え難い作業環境でも人間と同様の繊細な作業が行えるので、次世代知能ロボットの用途は急速に拡大する」と、沢村代表は需要を見込んでいる。

 日本リニアックスは6軸力覚センサー製造の根幹技術であるひずみ抵抗の製膜加工技術を持つ。6軸センサーには、加重を受ける起歪体に数十個のひずみ抵抗を取り付ける。通常、ひずみ抵抗の取り付け作業は手作業だが、同社は特殊スパッタリング蒸着技術を持つ。ひずみ抵抗を正確な場所へ一度で蒸着加工することができ、生産効率が格段に高い。手作業中心の貼り付け方式は時間がかかるうえ、ひずみ抵抗の位置ずれが大きくなり、品質の安定性や生産性が低かった。


【特長を生かした連携】

 日本リニアックスは、大手力覚センサーメーカーのニッタと連携。日本リニアックスの特殊薄膜加工技術と、ニッタの6軸力覚センサー回路技術および販売ルートを組み合わせ、強みを生かす。さらに日本プロビーム工業(兵庫県伊丹市)が部品の溶接、新興製作所(大阪市都島区)が抵抗の蒸着面の研磨工程をそれぞれ担当することになった。それぞれの工程で高い技術を持つ企業が参加することで、より性能の良いセンサーの生産を進める。

 大阪府立産業技術総合研究所(大阪府和泉市)もグループに参加。分野の違う企業の技術協力を進めるための支援をしている。コア企業は、センサー生産の根幹技術を持つ日本リニアックスになった。


【新連携により開発が加速】

 日本リニアックスの沢村代表は、自社の蒸着技術に自信を持つ一方、「1社だけで開発していたら、もっと製品化に時間がかかっただろう」と連携のメリットを強調する。同じ目標に向かって複数の企業が活動することで、製品化のスピードが上がるという。行政からサンプル作製費用の支援を受けることで、開発が加速する。資金の少ない中小企業にとって新連携は貴重な支援策だ。

 連携に当たっては「参加する各社のメリットを明確にすることが重要」と沢村代表は話す。ビジネスを進めるには全社にメリットがないといけない、というわけだ。事業モデル構築までの過程が、単独でのビジネスより時間のかかる点だという。

 しかし「事業の柱ができると、使える技術や情報が格段に増える」。各社の持つ発明や技術をすべてオープンにすると取り決めた。全社が同じ条件で取り組むための配慮だ。今後の課題は基本生産技術の早期確立と、量産体制の構築。沢村代表は「低価格化への要請に応えるべく、グループ一丸となって積極的にチャレンジしていく」と決意を語る。