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サービス/中部・北陸 「使用済み自動車から回収する廃油の農業用途への再利用事業」

使用済み自動車の廃油を農業向けに販売

 使用済み自動車を回収し、部品のリサイクルを行う会宝産業(金沢市)は、廃油専用暖房機器の製造販売の明和工業(同)、油類搬送の上昇運輸(同)と組んで、ハウス栽培の農業向けに廃油のリサイクル利用を提案した。

 ハウス栽培では暖房機器の燃料に軽油や灯油を使うのが一般的。しかし、原油高騰の影響で、生産物への価格転嫁が大きな課題となっている。異業種の3社はその課題の克服にチャレンジした。会宝産業がディーラーなどから回収した使用済み自動車から廃油を取り出し、上昇運輸がその廃油を農地まで配送する。そして、明和工業が開発した暖房機器で廃油を安全に燃焼させて温室を温める仕組みだ。

 環境に優しく、寒冷地でも安定的に栽培できる農業の確立を目指す。2009年秋には、石川県宝達志水町の農作放棄地10アールを借り受け、ハウス栽培のテストを開始する予定。1日の廃油使用量は105リットルで、冬の時期50日程度を廃油で加温する。ハウス栽培ではブドウなどの果実や野菜を作る計画だ。

 この新連携事業の総売上げ計画は、初年度1200万円、2年目2700万円、3年目4600万円、4年目6800万円、5年目8100万円を見込んでいる。

会宝産業(株)


会社名
役割分担
■コア企業
会宝産業(株)
使用済み自動車からの廃油回収、全国同業者との協力体制
明和工業(株)廃油専用暖房機器の製造販売、廃油専用暖房機器に関する研究
上昇運輸(株)潤滑油運搬貨物自動車の所有、地域の運搬体制



会宝産業(株) 近藤典彦(こんどう・のりひこ)社長<br>「業界全体が環境リサイクルの先進企業と認められるようにしたい」
会宝産業(株) 近藤典彦(こんどう・のりひこ)社長
「業界全体が環境リサイクルの先進企業と認められるようにしたい」

【農業者の燃料コストと解体業者の油廃棄費用を削減】

 会宝産業は、1日50台、年間約1万3000台の使用済み自動車を回収し、解体をしている。その過程で、エンジンオイル、ATフルード、ブレーキオイルなど各種オイルも大量に回収しており、その量は年間9万リットルにも及ぶ。これまで回収した廃油は、産業廃棄物業者に費用を払って処分してもらっていた。

 上昇運輸は会宝産業から引き取り依頼を受けて、使用済み自動車の回収業務を行っていたことから、連携体企業に参画することになった。そして、往路は廃油を積載して運び、復路は使用済み自動車の回収運搬を行うことで、輸送費用の低減をも可能にした。

 使用済み自動車から回収される廃油を燃焼させるためには専用ボイラーが必要。上昇運輸は、食品残渣の堆肥化による有効利用を目的とした活動を行うNPO法人39(サンキュー)アースのメンバーで、農業分野向けの燃焼装置を製造している明和工業に廃油専用ボイラー(暖房機器)の製造を依頼した。

 依頼を受けた明和工業は既存の暖房機器を改良し、ストーブ式とバーナー式の2種類を開発した。どちらもビニールハウスの外に設置し、ダクトを引き込んで配管するタイプ。改良に際しては着火装置の形状や構造を工夫し、いろいろな油が混じった廃油を効率良く燃やすことに成功した。ストーブ式は毎時5万キロカロリー、バーナー式は毎時10万キロカロリーの燃焼能力をそれぞれ持つとしている。

 回収した廃油を農業用暖房の燃料として再利用することで、農業者の燃料コスト削減と解体業者の油廃棄費用の削減を実現した。まさに"一石二鳥"の事業といえる。

【リサイクル事業を通して地球環境に貢献】

 「日本国内の食料自給率の低さに強い危機意識を持っている。地産地消を推進しながら、農業生産者のお役に立つよう、同じ問題意識を持つ地元の人たちと共に活動していきたい」と話す近藤典彦会宝産業社長。今後は、この事業を自動車関連の解体作業を行う全国の同業者に広げていきたいとしており、NPO法人「RUMアライアンス」も設立した。すでに同業者23社が参加しており、「今後の展開が楽しみ」(近藤社長)。

 こうした活動を通じて「解体業にある3Kのイメージを払拭したい。そして、業界全体が環境リサイクルの先進企業と認められるようにしたい」(同)と狙いを語る。さらに「自動車メーカーを動脈に例えれば、我々の産業は静脈。廃車はゴミだと思われてしまうが、うまく活用すれば立派な資源になる。循環社会を築きあげるため、静脈の使命は大きい」(同)と自らを鼓舞し、今後もこの事業の推進に力を入れる覚悟だ。

 

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