製造/九州 「三分割方式空調装置の製造、販売事業」

小型船舶やキャンピングカー向けのエアコンを開発

 小型船舶やキャンピングカーなど限られた空間に設置できる三分割式の空調装置を製品化して販売ルートを拡大する。装置の使用法として見込んでいるのは、小型船舶のエアコンや捕った魚を入れるいけす、キャンピングカーの居住部分など。将来は住宅用の開発を目指している。

 連携事業の中心であるCSC(熊本市)は電気設備工事業が発祥。空調機器の取り付けや電子部品の製造など電気機器に関する幅広い業務を手がけている。2006年に空調機器に関するノウハウを生かして三分割で空冷式のエアコンを小型船舶向けに開発した。

 連携相手のCSCアップワーク(熊本市)はCSCの関連会社で、空調機器の設計や開発など連携事業のハード面を担当する。CSCは開発の企画やコーディネートなどのソフト面を担当する。ハード面とソフト面を別の企業に分けることで、互いの担当分野に集中できるメリットがあるという。

 開発は現在の三分割式空調装置をベースに高効率化と小型化、用途別のラインアップを目指す。船舶用機器の商社として、エムテック(熊本市)が製品の販路拡大と開発に生かすための利用者ニーズの収集を担当する。船舶関連以外の販路拡大については提携先を探す考え。将来は海外展開も目指す。海外展開についても提携先の商社を探す計画だ。

(株)CSC


会社名
役割分担
■コア企業
(株)CSC
企画・販売
(有)CSCアップワーク設計・開発
(株)エムテック開発支援・船舶メーカーへの販売



(株)CSC 渡邊今朝徳(わたなべ・けさのり)社長<br>「新連携に選ばれ資金調達と販売の両面に認定効果を感じている」

(株)CSC 渡邊今朝徳(わたなべ・けさのり)社長
「新連携に選ばれ資金調達と販売の両面に認定効果を感じている」

【試行錯誤で開発】

 レジャーや漁に使う小型船舶に取り付ける空調機器は水冷式が多い。周りの水を熱交換に生かそうとの発想だ。しかし、海で使用する場合は熱交換器の管内で塩分が固まり、熱交換の効率が低下したり塩分の除去が必要になったりする場合がある。また、水冷式の空調機器は熱交換用の水の取り込み口として船底に穴を開けなければならない。そのため船の建造後に空調機器を取り付けるのは手間がかかる。

 CSCの渡邊社長は小型船舶を使ったレジャーが趣味の一つ。かねて簡単に取り付けができて運転効率の高い空調機器を欲していた。しかし、見つからなかったため「自分で作るしかない」(渡邊社長)と一念発起。2006年には3分割の空冷式空調装置を開発して発売した。その後も改良を重ねて高効率化を進め、モデルチェンジを2度している。現在まで約400機を納入した。

 空冷式は船底に穴を開ける必要はない。開発した空調装置は内機、外機、本体の3分割にしているため、限られた船内でも取り付け場所を確保しやすい。また3分割にすることで仕様変更もしやすい。08年には独自の水冷式熱交換器を開発、製品群に加えている。この熱交換器は塩分の固形化による熱交換効率の低下が起きにくく手入れしやすいのが特徴だ。

 新連携によって取り組んでいるのは高効率化による能力のアップと新たな用途開発、販路拡大だ。渡邊社長の開発は改良と実証の繰り返し。家庭用からビル用まで幅広い種類の空調機器を設置してきた経験を生かしている。また自分の船に設置しながら開発を進めた経験から海での過酷な使用条件を知り、海での使用に必要な材料や表面処理も分かっている。

【幅広い用途と市場性】

 用途開発では現在、船舶用のほか、船舶や輸送トラック用のいけす、キャンピングカーがターゲット。船舶用は新造船への採用も見込む。船舶用、キャンピングカー用とも実際に設置して開発を進めている。将来は住宅用も開発したい考え。キャンピングカー用と住宅用は排熱を活用して給湯機能を加える予定だ。用途開発については要望が多く「自然と使い道が広がっていくようだ」(渡邊社長)という。

 開発などで資金調達が必要になるが新連携計画に認定されたことで資金調達に関して公的機関の支援が得られるようになった。また「新連携に選ばれて信用が高まった」(渡邊社長)と資金調達と販売の両面に認定効果を感じている。

 販路開拓では船舶以外の分野が課題。そのために提携先を広げていく考えだ。生産は今後も委託する方針。現在製造を委託しているメーカーに委託を続け、CSCは企画開発に集中したい考えだ。渡邊社長は「もちはもち屋。知恵や手は借りていきたい」と話している。