製造/九州 「卵の殻を有効利用したリサイクル製品の製造・販売事業」

卵の殻を活用したライン材の普及

 グリーンテクノ21は100%卵の殻を完全リサイクルした、学校グラウンド用ライン材や人工芝生専用ライン材「ガイアフィールドライン」、エコチョークなどの開発製造、販売を手掛ける。

 これまでライン材といえば消石灰が一般的によく知られている。ただ、消石灰は体内に吸引すると有害であるばかりか、アルカリ性が強いため肌に付着すると低温火傷を起こし、「子供たちが遊ぶグラウンドでの使用は安全ではなかった」(下幸志社長)という。

 一方、同社のグラウンド用ライン材は卵の殻を微粒子状にした卵殻カルシウムで「食品添加物」としても認められており、「たとえ子供たちが誤って口に入れたとしても人体に無害で安全だ」(同)という。また、卵の殻は多孔質構造で比重が重く、人工芝生に密着すると多少の風では飛散しない特徴もある。

 同ライン材はグリーン購入法特定調達指定品に指定され、自治体や学校などで安全面や保全面、使用効率、環境保全面から非常に注目されている。

 「現在、佐賀市の小中学校や公共施設の多くにライン材などが導入済みで、佐賀県武雄市や福岡市にも続々と導入が進んでいる。環境意識の高まりとともに全国規模で問い合わせが来ており、生産が間に合わない状況だ」(同)といい、下社長は「近い将来、グランド用ライン材を消石灰から子供たちに安全な卵の殻を使用した自社製品に置き換えることが夢だ」意気込みを語った。

(株)グリーンテクノ21


会社名
役割分担
■コア企業
(株)グリーンテクノ21
リサイクル製品の特許、開発
チクシ電気(株)破砕設備の設計、製造技術、設備施工技術
(株)エヌ・アイ・ティ設備制御技術、運用ソフト開発技術



(株)グリーンテクノ21 下幸志社長<br>「全国の中小割卵業者に向けて小型処理プラントの営業を強化し、幅広く普及させたい」

(株)グリーンテクノ21 下幸志社長
「全国の中小割卵業者に向けて小型処理プラントの営業を強化し、幅広く普及させたい」

【カギは小型・低コスト化】

 同社が卵の殻のリサイクルに注目したのは起業した2003年のこと。マヨネーズやお菓子など、家庭や食品加工工場から産業廃棄物として排出する卵の殻の年間総量は約20万トン。その量は年々増え続けている。

 そのうち約20%は農業用土壌改良材として再利用され、残り約80%が処分費用をかけて焼却、埋め立てられている。なかでも卵を卵黄と卵白に分けて食品会社へ液卵として販売する割卵業者は、年間約6万トンという卵の殻を産業廃棄物で排出している。

 下社長は割卵業者が産業廃棄物として排出する卵の殻に目を付け、グラウンド用のライン材開発に着手した。同製品は03年販路開拓を支援する佐賀県のトライアル発注製品に選ばれ、翌04年にもエコチョークが同発注製品に選ばれるなど環境、リサイクル分野で同県の後押しを得た。

 しかし、発売当初は環境に配慮した付加価値の高いライン材としての認知が得られず、消石灰と比べてコスト競争力の高い製品にどう仕上げるか、苦慮したとか。

 現在ライン材原料となる卵の殻は、全国の割卵業者の3工場内で年間約3000トンを粉砕している。大型処理プラントをリース設置して、その場で製品化している。今後は今以上に効率的な供給を行うため、処理プラントの小型・低コスト化を進めるのがカギだ。

【新たな処理プラントを市場投入】

 今回、新連携の認定を受けたことを弾みに、新たに環境に配慮した省エネタイプの小型・低コスト化した月量約30トンの同処理プラントを、2010年度をめどに市場投入する。連携を組むのはリサイクル製品の開発を担当する同社と、処理プラントの設計製造、施工を担当するチクシ電気(佐賀県吉野ケ里町)、設備制御技術などを担当するエヌ・アイ・ティ(同鳥栖市)の3社。

 5年後には全国の中小割卵業者の10工場に小型処理プラントを設置し、「全国で卵の殻を地産地消する体制を整えたい」(同)としている。下社長は「09年1月期の売上高約1億2000万円を、2013年1月期には4倍の約4億円を目指す」(同)と事業の成功に自信を見せている。

 将来は大手割卵業者に留まらず、地場の中小洋菓子メーカーなどにも小型処理プラントを販売していく計画。「まずは全国の中小割卵業者に向けて小型処理プラントの営業を強化し、幅広く普及させたい」(同)と夢をふくらませている。