製造/近畿 「駐車場から地域活性化、コミュニティー内再投資を促進する、コミュニティーゲートとしての駐車場事業」

駐車場が主体となり地域消費を喚起

 神戸地区の駐車場で利用者にポイントを付与して周辺の店舗でも使えるクーポン券に変換し、駐車場と店舗の利用を促すことで消費を喚起して駐車場の収益向上と地域の活性化を図る。

 イーエスプランニング(神戸市中央区)が同地区の機械式立体駐車場を借り上げるか取得して運営を行い、利用金額に応じたポイントを付与し、ポイントの累積により駐車場料金の決済と周辺の店舗での精算が可能なクーポン券を発行する。情報誌やポータルサイトを通じて店舗の販促も支援。エムトーン(神戸市中央区)と共同開発した駐車場専用の情報管理システムで駐車場の稼働状況や車両の駐車場利用回数、入出庫履歴、ポイントなどを管理する。

 駐車場が主体となって顧客の消費行動の契機となるサービスを提供し、利用者はもちろん店舗にもメリットをもたらす仕組みを構築した。イーエスプランニングは神戸を中心に約60カ所の機械式立体駐車場を所有者に代わって運営し、独自のノウハウで利用者と売り上げの増加を実現してきた。

 新連携事業関連ではすでに神戸市内の中心部2カ所でポイントの付与とクーポン券の発行を行っており、周辺店舗でクーポン券が使われている。今後は駐車場の借り上げや取得、店舗との提携を進めて、事業を実施する駐車場を増やしていく計画だ。

(株)イーエスプランニング


会社名
役割分担
■コア企業
(株)イーエスプランニング
事業の統括、駐車場運営
(株)エムトーン専用POS開発、SaaS/ASP運用、ポータルサイト開発



(株)イーエスプランニング 藤岡義己社長<br>「兵庫県に本社を置く企業として駐車場事業で1番になる」

(株)イーエスプランニング 藤岡義己社長
「兵庫県に本社を置く企業として駐車場事業で1番になる」

【地域内で消費循環】

 駐車場が地域での消費増加の仕掛け人となる−。そんなアイデアは、「駐車場は利用者が買い物や飲食などの目的で店舗を利用するための手段にすぎない」(藤岡義己社長)という発想から生まれた。イーエスプランニングは駐車場の利用者に対してアンケートを実施し、行動範囲を駐車場から半径300メートル以内と分析。この範囲で自社のクーポン券が使える店舗を増やし、駐車場の利用増加につなげる狙いだ。

 機械式立体駐車場は、遊休地の活用手段として増加しているコインパーキングに押され、利用が減少気味だが、基本的に有人であるという点を生かして、きめ細かなサービスを提供することで対抗しようとしている。

 駐車場と周辺で協働する店舗が一つの商店街を構成するとの考え方から、「パーキングモール(駐車場前商店街)」と名付けた。特に兵庫県に本社を置く店舗と提携し、地域内で消費を循環させて地域の活性化に結びつける考え。2009年度に3カ所、2013年度までに12カ所のパーキングモールを実現する計画。

 事業で重要な役割を果たすのが、連携企業のエムトーンと共同開発した販売時点情報管理(POS)システム。車両のナンバーをIDとして顧客管理を行うだけでなく、駐車場の稼働状況に応じた入出庫の管理が可能。たとえば月極利用者が駐車しているスペースでも、空いている時間帯をシステムで把握して時間貸し利用者に提供できる。こういった手法で収容台数を増やしている。

 またネットワークを通じて複数の駐車場の情報を一元管理することで、手間やコストの削減になる。サーバ上でアプリケーションを更新できるASP方式を採用しており、最新の機能を各駐車場へ同時に反映できるのが強みで「阪神間で、駐車場事業で優位に立てるシステム」(藤岡社長)と胸を張る。今後さらに改良を重ね、映像配信やスタッフの勤怠管理といった機能を順次付加していく計画だ。

【事業モデル、全国にも】

 本事業は地域限定となるが、同様の仕組みを全国の駐車場事業に適用することは可能だ。藤岡社長は「地域ごとの特性を生かし、フランチャイズチェーン(FC)のような形で全国各地に広がっていけばよい」と期待する。商圏人口50万人の地域であれば、FC化が見込めるという。

 新連携事業の認定を受け、社会性に対する国のお墨付きを得たことで、企業や店舗、駐車場所有者の賛同・協力を得やすくなることに加え、「自社の信用獲得につながる」と、今後の事業拡大に意気込みを見せる藤岡社長。新連携事業を軌道に乗せ「兵庫県に本社を置く企業として駐車場事業で(現在の2番手から)1番になる」のが目標だ。