製造/近畿 「ポリプロピレン段ボール製キャビンを仮設トイレなど折り畳み式ルームとして製造・販売」

軽量・安価・丈夫で拡販進める

 ポリプロピレンプラスチック段ボールを壁材とするキャビンを「折り畳み式簡易仮設トイレ」および「多目的ルーム」として製造販売する事業。仮設トイレはキャビンとトイレユニットからなり、One’sアイ(ワンズアイ、大阪府豊中市、齋藤榮三社長)が企画、設計し、柏木商会(同、柏本聡之社長)が製造するキャビンと、市販の直放流水洗タイプや2槽式ポータブル水洗タイプのトイレユニットをセットにして販売する。

 キャビンの素材であるプラ段ボールは軽量で丈夫、リサイクルにも適している。ワンズアイが開発したコーナージョイント部材やエンド部材と組み合わせることにより、工具なしにワンタッチで組み立て、解体が可能。

 開発経緯が面白い。コア企業であるワンズアイの齋藤社長が40年以上続けている外構造園工事業(フジアウテック)の現場体験から必要性を痛感して、開発に乗り出した。短期工事の現場で職人が用を足そうとすればコンビニや公園のトイレを利用するか、持参のポリタンク式携帯トイレに立小便の状態で行うことが多く、施主などに迷惑がかかる。手軽なキャビンを提供したいとの思いで開発に取りかかったという。

 また、従来の仮設トイレはレンタル料が高い。個々の職人でも買い取れる価格設定を考え、繊維強化プラスチック(FRP)キャビネット製仮設トイレなどのレンタル料の10分の1程度で購入できるようにした。

(株)One’sアイ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)One’sアイ
事業統括、企画立案・販売戦略、企画と技術開発、製造調整・部品の供給、国内外の販売戦略、アフターメンテナンス
(株)柏木商会経営資源等の統括、製造に関する設備・生産管理・環境・安全衛生管理、試作・試験



(株)One’sアイ 齋藤榮三社長<br>「手軽なキャビンを提供したいとの思いで開発に取りかかった」

(株)One’sアイ 齋藤榮三社長
「手軽なキャビンを提供したいとの思いで開発に取りかかった」

【災害時用としても注目】

 開発したキャビンは外壁・扉と天井部の2ユニットからなり、組み立て時の大きさが幅890ミリ×高さ1990ミリ×奥行き890ミリメートル。左右外壁下部に設けたサイドステイを開き重しを載せれば、毎秒13メートルの強風にも転倒しない。

 重さ14.2キログラムで、折り畳むと厚さ6センチメートル。本格的な仮設トイレほどの強度や排せつ容量はなくても、現場へ通う車へ道具や工事材料と一緒に積み込め、女性でも運べる。

 畳んで平積みでき、大量備蓄・輸送ができることから災害時用として地方自治体、さらに警察・自衛隊の出動先用などとしても注目され、これらに適用するため水タンクや土のうなどのオプションをパッケージした機種も加えた。

【バリアフリータイプの投入】

 天井付き四角形の一般型キャビンに加え、天井付き八角形の折り畳み式プラスチック段ボール製キャビンも7月から発売(価格41万7000円)しており、ゆったりした内部空間が確保できるため、ポータブルトイレを設置しても内部で車いすが十分回転できる。障害者用バリアフリー仮設トイレとして利用が期待できるほか、おむつ交換や更衣室、シャワールーム、臨時の屋外事務所など多目的仮設キャビンとしての用途が見込める。

 発売後約2年たつ一般型キャビンは、先に販売実績が1000台の大台を突破したため、定価(5万9850円)の20%引きで記念セールを実施。バリアフリータイプなどの投入もあって、拡販に力が入っている。

 新規投入したバリアフリータイプはプラスチック段ボール製壁部と扉を八角形に組み、8本の金属パイプの骨組みにテントを張った天井をセットする。縦2430ミリ×横2430ミリ×高さ2218ミリメートルで、内部に直径2.5メートルの空間を確保した。重さ約70キログラムで、壁裾部4カ所に重しを置いて設置する。運ぶときは5分割して移動する。

 ポータブルトイレのほか車いすからトイレへ移るときの手すりや子供用のおむつ替え、使用済みおむつなどのダストボックスなども装備できる。

 この折り畳み式プラスチック段ボールキャビン開発にあたっては国際特許を出願している。特許庁の見解書で「6請求項に新規性が認められた」(齋藤社長)と言う。横に開いて重しを載せるサイドステイの仕組みにも新規性を認められるなど意外な評価に喜ぶ。

 キャビンの製造は中堅の紙製段ボール箱などの製造会社である柏木商会が全面的に行っている。しかしキャビンのジョイント部材開発、その金型製造などはワンズアイが行っており、製品企画、開発の主導権はあくまでワンズアイ。販路開拓でも建設現場に強いハウスメーカーや建材メーカールートのほか、防災用品取り扱いルートなども加わって順次整備。09年度は1億7000万円、5年後には19億円の売上高を目指してまい進中だ。