製造/中国 「微細気泡生成装置を国内外の用途開発・実用市場に向けて製造販売する事業」

ナノ粒子生成装置を幅広く展開

 協和機設が開発したナノバブル生成装置を軸に、ニクニが用途開発などのノウハウ提供、マーキュリーが製造を担当、丸紅が販路開拓にあたる連携事業。すでに研究機関や企業向けで実績を作っているが、今後は医療分野への展開も強化。2014年3月期をめどに売上高10億円の達成を目指す。

 微細気泡は排水処理の効率化や界面活性効果による洗浄、生理活性効果を利用した魚介類の育成促進などさまざまな分野で注目を集めており、応用研究が進められている。しかしその一方で、多くは気泡の大きさなどを含め科学的な検証が不十分で未成熟な市場ともいわれている。

 協和機設は大学と組み、海外メーカー製の測定器を使って自社装置で生成できる気泡の大きさや量を検証。1ミリリットル中に100nmの気泡800万個を生成できる装置性能を実証した。気泡の大きさによる物性の違いなども研究し、新連携事業での取り組みの中で用途に応じた製品開発を続けている。

 08年、国内大手半導体メーカーが生産過程で発生する廃液の有害物質をナノレベルの微細な気泡で破壊する技術を開発。業界で採用を呼びかけ始めた。この設備にも協和機設のナノバブル生成装置が採用されており、実績は着実に積み上がっている。今後の成長は販売網の育成がカギとし、新連携を通じて取り組んでいく考えだ。

 (株)協和機設


会社名
役割分担
■コア企業
 (株)協和機設
製品開発・用途開発、試作品・特注品の設計製造、販売企画・促進
(株)ニクニ ・スクロールポンプの製造・供給、製品開発や用途開発にかかるノウハウ提供
(株)マーキュリー製品製造・技術開発
丸紅(株)国内外の販売総代理店販路開拓



(株)協和機設 辻 秀泰 代表取締役社長<br>「生成装置の精度については、各研究機関との連携によって非常に高レベルの精度を達成しています。ナノバブル・マイクロナノバブル生成装置開発のオンリーワン企業を目指して、今後も研究を重ねていく考えです」

(株)協和機設 辻 秀泰 代表取締役社長
「生成装置の精度については、各研究機関との連携によって非常に高レベルの精度を達成しています。ナノバブル・マイクロナノバブル生成装置開発のオンリーワン企業を目指して、今後も研究を重ねていく考えです」

【実証したナノ粒子で勝負】

 「ナノバブルに特化し、大きさと量を明確に提示しているメーカーはない」(辻秀泰社長)。微細気泡はマイクロバブルとナノバブルが一般的だが、両者は物性が異なり、効果も異なる。これまで「“マイクロ”“ナノ”とひとくくりにされてきたが、今後はユーザーも意識するようになるだろう」(辻社長)。

 マイクロバブルは粒径10μm〜数十μm、ナノバブルは100nm以下と定義づけられている。これまで気泡は大きさによって力と効果の違いがあるだけだと思われてきた。しかしマイクロレベルとナノレベルでは存在時間が大きく異なる。マイクロバブルは10分以内に消滅し、ナノバブルは長時間にわたって液体内に残る。

 気泡には界面活性や衝撃圧力、酸化、生理活性などの作用があると学術的に発表されているが、これらには液体内での気泡の残存時間も影響を与える。このためマイクロバブル、ナノバブルのそれぞれに適した使い分けが必要になる。これが拡販のポイントだ。

 しかも「マイクロバブルは容易に作れるが、ナノバブルは技術的に難しい。当社のアドバンテージは大きい」(同)。

 同社が採用している生成方法は独自開発した「気液混合せん断方式」。マイクロバブルと液体と気体を同時に装置内に送り、高速回転させて遠心分離の原理で3段の層を作る。各層は速度が異なるため、回転にズレが発生し、マイクロバブルをさらに細かく引きちぎっていく。

 バブル生成にはせん断や超音波、加圧溶解方式などが用いられるが、同社の技術では装置を稼働してすぐに大量のナノバブルを作ることができる。

 新連携でノウハウ提供を行うニクニも独自でマイクロバブル生成装置を手がけている。このため連携を通じ、ナノバブルを協和機設、マイクロバブルをニクニがそれぞれ扱い、住み分けながら営業展開していく。


【医療分野への進出を狙う】

 「ようやく製品性能が実証できるようになり、強みを出せるようになった」、と辻社長は意気込む。04年の時点では計測装置の能力不足で1ミリリットルあたり160万個(粒径100nm)のバブルしか確認できなかった。今は測定器が充実し、800万個が確認できる。

 新連携によって生産拠点を確立、供給体制も万全。化学メーカーや機械加工業者、製薬会社からの受注は右肩上がりだ。ただ「本来ならもっと販路は広がっているはずだった」と辻社長。「売る」ことについて、ここまで1枚岩でこれなかったと明かす。「商社への期待が大きすぎた」(同)。

 しかし話し合いによりもう一度、一丸となって取り組むことを確認したという。協和機設は近々、コンシューマ向けと産業用の低価格グレードのナノバブル生成装置も発売する。さらに医療分野をターゲットに販路を拡大していく考えだ。