製造/近畿 「マイクロコロニー観察装置の開発及び販売事業」

研究機関や医薬品メーカーなど細菌、微生物の自主検査市場をねらう

 電子計測やナノレベルの画像診断技術を持つ中央電機計器製作所(大阪市都島区)をコア企業に、産業機器販売のエバオン(大阪市中央区)、検査指導、メンテナンスを担当する日本食品エコロジー研究所(神戸市東灘区)、大阪大学、日東電工、大阪市都市型産業振興センターが連携した。マイクロコロニー法と呼ばれる検査手法によって、水環境中に生息する細菌、微生物の高速自動計数システム実用化と本格普及を目指している。

 すでに基本システムは完成しており、約10台の受注も内定している。主に研究機関や食品、医薬品メーカーなどで行う自主検査の市場を狙う。並行して、蛍光顕微鏡などで人間が目視カウントする既存法との比較や菌種ごとのデータ検証・蓄積を引き続き進める。

 販売価格は250万−300万円。売上高は2005年度に2500万円、2007年度には5億円を見込んでおり、中小企業金融公庫大阪南支店、りそな銀行都島支店、東京三菱銀行天満支店が資金面で支援する。

(株)中央電機計器製作所


会社名
役割分担
■コア企業
(株)中央電機計器製作所
プロジェクト統括/事業化
(株)日本食品エコロジー研究所教育/メンテナンス
エバイオン(株)販路開拓



(株)中央電機計器製作所<br>畑野吉雄社長

(株)中央電機計器製作所
畑野吉雄社長

【マイクロコロニー法への転換が進む市場】

 新連携事業「マイクロコロニー観察装置の開発・販売」のコア企業である中央電機計器製作所(大阪市都島区)は1930年(昭5)の創業。自動化・省電力化機器や電気・電子計測器などの設計、製作、メンテナンスなどを手掛ける。約3年前にフラットパネルディスプレー用シートやIC基板、金属、樹脂加工品などの寸法、形状を高精度、高速に計測できる寸法自動測定装置を発売した。

 その後、同社は「大阪大学など産学官との交流を進めた」(畑野吉雄社長)。その中で、マイクロコロニー法による微生物の高速自動計数に同装置を応用しようと考え、画像解析ソフトなどを開発してきた。

 細菌や酵母、カビ、高等動植物の培養細胞などを寒天培地のような栄養源の上に乗せ、一定の温湿度環境下に置くと、細胞が増殖し、かたまりをつくる。このかたまりをコロニーと呼ぶ。マイクロコロニー法は、こうした増殖する細菌などの定量法として知られる。

 具体的には、かたまりとなったコロニーを特定の蛍光体で染色し、蛍光顕微鏡を使って計測する。微細な状態のコロニーから観察、計数でき、ゴミや不純物を分離することも比較的容易だ。細菌などの定量法には以前から平板培養法があるが、コロニーを目視できるようになるまで培養時間がかかり、定量にバラつきがあることから、マイクロコロニー法への転換が進んでいる。


【高精度、高速寸法自動測定装置がベース】

 このマイクロコロニー法も一般には蛍光顕微鏡の視野下に数カ所をピックアップし、目視でカウントして一定面積中の菌数を割り出す。しかし計数面積はトータルでも1平方ミリメートルと狭小で、計数に時間と労力がかかるのが課題とされてきた。

 これに対し、中央電機計器が大阪大学大学院薬学研究科の那須正夫教授らと共同開発した装置は、レーザー光源および電荷結合素子(CCD)カメラを使い、水環境中に生息する細菌数をごく短時間で自動計測できる。

 例えば、試料水を濾過したフィルター上1平方センチメートル中で10マイクロメートル以上に生育したマイクロコロニーすべてを約1分間で計数でき、その値は目視計数とほぼ同じだった。
 また、カウント済みコロニーは画像上でマークされ定量確認できるほか、画像保存も可能なことから「飲用水や医薬品製造用水の微生物管理などに幅広く利用できる」(同)という。新連携グループでは最小検出サイズをさらに細かくし、目を痛めない光源の研究なども進めていく。

 日本食品エコロジー研究所や日東電工、大阪市都市型産業振興センターなどプロジェクト参加機関の協力を得て実証テストを重ねる一方、「装置の引き合いには積極的に対応していく」(同)考えで、エバオンを先頭に内外への販売、普及を図る。また、細菌検査に精通した日本食品エコロジー研と日東電工が操作指導、周辺機材の供給などに当たる。