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山伝製紙(株) 山口 和弘 代表取締役社長 「ネルスームは小ロット生産でオーダーメードにも対応しています。原料は東南アジアから安定的に調達しています。麻は2年で生育し、大気中の二酸化炭素をたくさん吸収してくれるメリットもあります」 |
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【優れた素材の国内普及へ】
山伝製紙は明治時代に手すきちり紙の製造で創業した老舗企業。1963年に機械すきに転向し、扱う製品を換えながら力強く生き抜いてきた。年間売上高は約3億円で、印刷用紙など一般紙製品が6割、室内装飾壁紙が3割を占める。
紙製壁紙の生産を始めたのは80年代後半で、米国のインテリア壁紙メーカー向けに細々と供給を始めた。今では欧州にも顧客ができ、事業の柱の一つに育った。ただ紙製壁紙の利点を理解する海外に限定して販売してきた。そして07年にパートナーとなる和紙空間と出会った。
和紙空間は室内装飾の企画開発などを手掛けており、顧客の要望にこたえるため当時、新たな紙素材を小ロットで供給できる企業を探していた。そこで、ふくい産業支援センター(福井県坂井市)が両社を結び付けた。
紙製壁紙は人の健康の維持に配慮し、環境にも負荷をかけない優れた素材で「国内にもっと普及させるべきだ」(山口和弘山伝製紙社長)との考えから、連携に挑んだ。普及すれば和紙、繊維など福井の地場産業の活性化も見込めた。
連携は両社の強みを生かす形で取り組んでいる。山伝製紙がコア企業として事業全体の統括と生産、品質管理を行っている。従来の協力企業の力も借りて、紙すきから原紙のカット、ねん糸、織り上げまで一貫体制をとった。
「織物技術は当社にはなかったが、和紙空間に企業を紹介してもらった。地域の優秀な技術を組み合わせるとモノづくりが早い。単独では難しかった」(同)という。
一方、インテリアに精通する和紙空間は商品企画やデザイン開発、販売を担当。和紙空間の持つネットワークを活用し、建築士や設計事務所に直接提案する手法で浸透を図っている。最終ユーザーの建築施主に一番近いところへ訴求するのが、最も有効だからだ。
【ホテルのスイートルームや斎場で採用】
08年にはホテルグランヴィア京都(京都市下京区)のスイートルームの壁紙に採用され、岐阜県内の斎場にも使われた。多数の人が利用する公共施設を中心に「自然素材を選ぶ傾向が強まっており、製品は徐々に広まっている」(山口社長)。
新連携支援事業を活用したのは販売に向けた準備が必要だったため。和紙空間と組み、デザイン面でバラエティ豊かになり、商品力は飛躍的に向上した。ただユーザーに提案するにはサンプルが必要で「これを作るのに補助金を大いに活用している」(同)。という
麻製品の課題である品質の安定化は高いレベルにあるが、ねん糸の際のムラを減らすなど一段の均質化を進めている。使用する麻の種類の選定などにより、この課題を乗り越える考えだ。今後の普及拡大にはブランドをいかに確立するかがカギ。販売面でも工夫を続ける。
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