製造/関東 「オンデマンド型産業用インクジェット描画装置の開発と販売」

顧客ニーズに応えるソリューションを提案

 トライテックは1994年に新潟県柏崎市で設立、画像検査装置や産業用インクジェット装置を小ロット多品種で設計・開発する、製造部門を持たないファブレスエンジニアリング企業。08年7月に新連携事業「オンデマンド型産業用インクジェット描画装置の開発と販売」のコア企業として認定された。

 「画像処理、ソフトウェア、ハードウェアの技術力向上とノウハウを蓄積してきた」(高橋一義社長)というように、自慢の技術力で精密部品や食品容器などの外観を検査する画像検査装置、産業向けインクジェットプリンタ装置の開発、ソリューションを企業に提案している。

 プリンタ装置ではヘッド、インク制御、高速ソフトウェア、画像処理、メカトロニクス設計など複合技術で印刷速度を高め、用途別に供給してきた。さらに「画像検査とプリンタのテクノロジーを融合した生産現場の効率化と低コスト、安全性が顧客に評価を受け採用が進んでいる」(同)。

 インクジェット装置は「メカニカルに変化できるピエゾ方式。建材業界、自動車業界、エレクトロニクス業界、印刷業界向けの受注に力を入れている」(同)。各業界のパートナーと協力して顧客から受注、3〜4カ月で納品する体制を築いた。

 同社は広範囲な産業に対応したアプリケーションやソフトウェアを開発、成長してきた。顧客の仕様に合わせる一品料理的事業のため、装置の受注数量は多くないが、単価が大きいため売り上げも順調。現在、現地法人を中国の蘇州市と深セン市に開設、グローバル中小企業として海外市場への拡大も図っている。

(株)トライテック


会社名
役割分担
■コア企業
(株)トライテック
ソフトウェア開発、電気設計、ヘッド・インク制御技術
(株)朝日電機製作所装置設計・製造(小型・中型機)
(株)野水機械製作所装置設計・製造(大型機・集塵・研磨技術)



(株)トライテック 高橋一義 代表取締役社長<br>「ヘッド・インク制御、高速ソフトウェア、LSI開発、画像・色処理、メカ設計という自社のコア技術の強みを生かし、メンテナンス性、耐久性、描画速度、カスタマイズ性に優れた製品開発に成功しました」

(株)トライテック 高橋一義 代表取締役社長
「ヘッド・インク制御、高速ソフトウェア、LSI開発、画像・色処理、メカ設計という自社のコア技術の強みを生かし、メンテナンス性、耐久性、描画速度、カスタマイズ性に優れた製品開発に成功しました」

【技術・ノウハウを融合】

 現在、工業製品などにおける印刷は少品種大量生産向けのグラビア印刷やスクリーン印刷が主流。しかし多品種少量生産への流れから工業用インクジェットプリンタのニーズが高まりつつある。

 そこでトライテック(新潟県柏崎市)、朝日電機製作所(石川県白山市)、野水機械製作所(新潟県三条市)の連携3社は、印刷速度、用途・素材向け最適化性を高めた工業用インクジェットプリンタの開発に向けて技術を結集する。

 開発を進める産業用インクジェット装置は5機種。新連携では3機種認定を受けた。1機目はエレクトロニクスと印刷業界向けの小型テスト機「パターニングジェット」。同機は複数ヘッド搭載で、1台で異なる材料塗布が可能。アライメント機能との組み合わせでミクロンレベルの高精度重ね描画と、高い位置精度を実現する。独立行政法人・科学技術振興機構(JST)の産学協同シーズイノベーション化事業の成果として完成した。

 2機目は建材・鋼板の印刷向け「建材ジェット」。厚みがあり、大判の建材にも高速に印刷できる。3機目はフィルムなどのロールに1パス印刷の「ロールジェット」。エレクトロニクスや食品容器フィルム、バリアブル印刷用途に適している。

 「3社の技術・ノウハウを融合することで、製造したマシンの技術評価を行うことができた。当社が設計改良を進め、機能の進化は比較的順調にきている」(高橋社長)。 


【産業用インクジェットが実用化へ】

 コア企業のトライテックは、同装置のソフトウェア開発やヘッド・インク制御技術を生かした設計・開発を担当。朝日電機はCNCやマイコン搭載制御盤、電装が得意なことから、中小型装置の製造を行う。野水機械は研磨・集塵装置の製造技術と大型設備を持っていることから大型装置の製造を分担する。

 大切なパートナーとの出会いは「銀行や商社の紹介」と言い、パートナーシップとは「当社スタッフと2社の代表者が集まり、外部講師を招いてセミナーを開いたり、必要に応じて集合する」(高橋社長)という。

 新連携活用の狙いを「事業化ベースに乗せることと、試作機を作る資金面のサポートになった。産業用インクジェット装置が成長のS字カーブの実用化に移りつつある」(同)と明るい。

 2009年と10年で研究開発から実用化に向けて成果が出る見通し。研究は請求書などの一定しないバリアブル印刷をインクジェット装置で行うことも進めている。

 「顧客ニーズに合わせて苦労しながら開発を進めている。トータルな技術力を高めつつ、画像処理技術も付加して実用化の実績を積み上げていく」(同)と、産業界向けのインクジェット装置の需要増加に応えていく。