製造/近畿 「加熱輾圧機能により作業性を向上した高機能舗装用プレートコンパクターの製造・販売事業」

アスファルト舗装の既成概念を打ち破る

 ウレタン・テフタンコーティングなどの表面加工処理を主力事業にしながら、顧客の要望に応じた加工部品や各種機器の開発にも積極的に取り組んでいるユニックスが、高性能かつコスト削減を目的としたプレートコンパクターの開発に取り組む。

 プレートコンパクターはアスファルト舗装道路の改修工事で、大型ローラーの使用ができない小規模現場で使われる建設機械。アスファルトをならして平らに仕上げるために使用される。従来の舗装工事ではアスファルトがこのプレート面へこびり付くのを防いだり、面同士の剥れがスムーズに行われるようにする目的などから、水を撒きながら路面の輾圧(テンアツ)作業をする必要がある

 しかもこの水撒き作業は、まんべんなく、均等にまかなければならないなど、アスファルトをならす作業は非常に手間がかかっていた。しかしこの連携事業で開発するプレートコンパクターは、こうした既成概念を打ち破る。

 水撒きが不要なプレートコンパクターの基礎特許は秋田建設(兵庫県宝塚市)が取得していた。しかし慣れない機器製造のため、開発を断念。そこで同社は、ウェブサイトで知ったユニックス(大阪府東大阪市)に開発を依頼した。

 ユニックスが開発した「プレートユニパクター」は、プレートコンパクターの打圧プレート面を加熱することで、アスファルトの付着、仕上がりのバラつきを抑えたのが特徴。水を撒く作業員が不要になり、時間とコストの削減が見込める。

 09年4月に発売する予定で、現在は振動や駆動音を抑えた改良型の開発も進めている。

(株)ユニックス


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ユニックス
構想設計、製造・販売
(株)メタルファンテック金属構造体設計、製造



(株)ユニックス 苗村昭夫 代表取締役<br>「オンリーワン商品を目指して新規事業に参入しました。経済不況のあおりから資金的にも厳しいものがありましたが、スタートラインにつけました。危機を好機にしたいと思います」

(株)ユニックス 苗村昭夫 代表取締役
「オンリーワン商品を目指して新規事業に参入しました。経済不況のあおりから資金的にも厳しいものがありましたが、スタートラインにつけました。危機を好機にしたいと思います」

大企業に頼むとノウハウを持って行かれてしまう

 08年4月に開発を始め、ユニックスが機器の基本設計、メタルファンテックが機械に使用する板金加工をそれぞれ手がける。08年1月に新連携を申請し、同7月に認定を受けた。09年4月にはユニックスは自社で初めての建設機器「ユニパクター」を発売する。

 道路工事でアスファルトをならして平らに仕上げる。それがプレートコンパクターの仕事だ。プレートコンパクターをただ運転するだけでは、アスファルトが機械へ付いてしまう。プレートの温度を上げればひっつかない。誰でも知っていることだが、そんな製品はなかなか出なかった。兵庫県宝塚市の秋田建設が、まず高温を発生させるプレートコンパクターの製造に乗り出した。

 しかし、もともと建設会社で機械設計に不慣れだったこともあり、製造はうまく進んでいなかった。どうしても製品化したい。その思いでユニックス(大阪府東大阪市)を知り、製造を依頼した。

 「大企業に頼むと全部持って行かれてしまう。だから共同開発は同じ中小企業者が理想的だった」(苗村昭夫ユニックス社長)。しかしユニックスは建設機械を手がけたことがなかった。

【自社のオンリーワンとなる商品を作りたい】

 苗村昭夫社長は府内電機メーカーの技術者出身。同社設立時は家電を手がけていたが、大手にはかなわない。それに加えて「技術が盗まれやすい事業は避けたかった」(苗村社長)。

 換金できないものは何かと考えコーティングを始めた。しかし、樹脂加工とコーティングが売り上げの80%近くを占め、残りが注射器を滅菌する機器「セフティポン」など機械類の製造という事業構造では、やはり「景気に左右されやすかった」(同)という。機器の製造をしていたものの、同社の売り上げを支えるほどではなかった。

 「自社のオンリーワンとなる商品を作りたい」という思いもいつしか芽生えていた。両者の思惑は最初から一致していた。「いっぺんトライしてみるか」。06年4月、「ユニパクター」の開発は始まった。

【建機設計へのとまどい】

 クリエイション・コア東大阪に入居していた時に知り合ったメタルファンテック(大阪府東大阪市)に、板金加工を依頼。初めての建機設計にとまどい、開発資金もかかった。

 一番の問題は機器の大きさ。プレートコンパクターは狭い作業場所で使用することを目的にしていたため、小型化する必要があった。発電機は軽いものを使用。発電機以外の部品は金型をおこして一から作った。

 そのほかにもさまざまなアイデアをちりばめた。本体の底板部は温度コントロール機能を装備。アスファルトが付着しない安定した温度(120℃〜140℃)を保てるようにした。また発電機を振動から守るため、防振ゴムをつけた。

 さらに重量は約90kg、サイズは幅446mm×高さ900mm。回転数は毎分4,000回転。人が手で押しながら作業できる仕様になった。これらにより水まきは不要、均一に仕上がる。人手もいらず、工事スピード向上が見込まれる。

 100年に一度といわれる世界的な経済不況のあおりを受けて、製造業にも逆風が吹き荒れている。そのなかでも「危機を好機にしたい」(苗村社長)と意気込む。09年4月には「プレートユニパクター」を発売、今後は振動を抑えた改良型を出していく予定だ。