製造/中部・北陸 「小型・安価・簡単操作の荷重・変位出力付測定システムの製造・販売事業」

将来のビジネスへの種まき効果

 イマダは力の程度を測る荷重測定器の開発、製造、販売を手がけている。設立は87年で、航空機業界向け荷重測定器からスタートし、今では自動車、電気・電子、食品、医療、包装など幅広い分野に食い込んでいる。

 測定する力は押し付け力や引っ張り力、はく離力、破壊力、挿抜力、駆動力、たわみ力などさまざま。具体的にはタマゴの殻が割れる時などの食品の硬さ、ペットボトルの栓が開く時の力、電子部品自動装着用のエンボスキャリアテープがはく離する力などだ。

 荷重測定器はニッチな製品であるが、業種を問わない。そのため使われ方も多様で、ユーザーごとにセットする内容が異なる。特注品が多く「ニッチな分野の中でもニッチ」(今田充洋社長)というほどで、ユーザーに対する個別提案が重要だ。

 そうした市場の声に応えるために、効率よりもニーズを優先。競合が嫌がる面倒なことも積極的に行うことで参入障壁を高くし、ブランド力を強くしてきた。また、売れば終わりというものではなく、校正やメンテナンスなどのアフターサービスが必要となる。

 88年に東南アジア、95年に欧州、97年に米国と輸出先を広げてきた。04年には世界で初めて、測定結果のUSB出力を可能とした荷重測定器を発売。荷重測定データを単一で管理するだけでなく、グラフで傾向を解析することを推奨した製品で、大きなヒットに結びついた。

(株)イマダ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)イマダ
測定システムの製造・荷重計測ノウハウ、製品企画・ニーズ把握、販売・メンテナンス
(株)シー・ティー・エル電子回路・電子回路基板の設計とプログラム開発
東洋テック(株)計測器校正ノウハウ、変位(長さ)の出張校正



(株)イマダ 今田充洋代表取締役社長<br>「ハンディタイプから自動計測まで、高品質の追及と豊富なバリエーション、万全なアフターサービスで様々な荷重測定(力を測る)技術を提案し、多様なニーズに応えていきたいと思っています」

(株)イマダ 今田充洋代表取締役社長
「ハンディタイプから自動計測まで、高品質の追及と豊富なバリエーション、万全なアフターサービスで様々な荷重測定(力を測る)技術を提案し、多様なニーズに応えていきたいと思っています」

【荷重・変位へのニーズの高さ】

 USB出力を可能とした荷重測定器の発売後、測定現場で簡単に荷重・変位曲線を正確に描く製品はないのかといった声がもたらされた。またユーザーの独自設備に荷重・変位測定機能を組み込みたいなどの要望が相次いだ。しかし各種機能不足やUSBドライバーの汎用性のなさなどから、市場ニーズに応えられていなかった。

 あらためて荷重測定器の新たなニーズを収集するための調査を実施したところ、荷重・変位に対するニーズが高いことを痛感。複数の電子回路基板・プログラム企業と打ち合わせを行っていく中で、シー・ティー・エルが開発したアイデアが企画イメージに近く、コストメリットも出ていた。また古くからの付き合いもあり、USBソフト開発の知識と技術もあったために連携を決めた。

 一方、測定器校正ノウハウと変位(長さ)の出張校正は、マイクロメーターの校正でISO17025を取得し、変位の校正ノウハウを持つ東洋テックにサービス協力を依頼した。

 電子回路基板の開発はソフトの進歩が速く、開発環境の変化も激しい。IC技術は日進月歩であり、新製品には最新の技術を搭載しなければならない。しかし専門家の協力を得ることで、安価で高品質な電子回路基板を手に入れられた。変位については全くノウハウがなかったが、長さを測るノウハウの入手で、荷重測定器のサービスの新たな軸を得られたという。


【荷重と変位のグラフ描画が可能なシステム】

 こうしてできたのが手軽に高精度測定ができるデジタル荷重評価システム「FS-Master」。同社従来機比2倍となる毎秒2,000回の超高速荷重サンプリングや荷重と変位のグラフ描画が可能だ。特に荷重と変位の変化のグラフを重ね合わせることで荷重推移の解析を可能にした。

 新連携制度の活用は「新しい情報網をつくりたかった」(今田社長)から。企業と企業の出会いによって、従来よりもさらに良い製品を市場に送り出すことが狙いだという。

 また中小企業の仲間意識を強め、将来のビジネスにつながる種まき効果もある。連携企業による販売増進はもちろん、より高度な荷重測定器、縦型電動スタンド、小型マルチ計測スタンドの開発など製品バリエーションの拡大にも結びついている。

 制度については、書類提出の面倒さとプレゼン時間の短さを挙げる。荷重測定を知っている審査員がおらず、「技術と新規性を伝えるのが難しかった」と今田社長。補助金についても、「連携体にではなく、製品に対して出してもらわないと使いにくい」と注文を出す。