サービス/九州 「駐車場経営支援システムの事業化」

安価で小規模でも利用可能な駐車場経営支援システム

 創新がコア企業となり、九州経済産業局から「中小企業新事業活動促進法」に基づく新連携事業計画として認定を受けたのは「駐車場経営支援システムの事業化」だ。数百台から数千台という大規模な駐車場を想定し、製品化された駐車場管理システムに対抗。安価で数台からの小規模駐車場でも無理なく導入でき、しかも使いやすいシステムの普及を目指す。

 創新は03年設立のベンチャー企業で、駐車場管理機器のメンテナンスや駐車場管理システムの開発などを手がける。新連携事業では駐車場管理機器の製造で国内大手のサニカ(山梨県南アルプス市)とグループを形成。創新が開発した駐車場管理システムを搭載した駐車場管理機器をサニカが生産する。

 この連携では特に新製品の開発だけに注力していない。すでに05年から創新の管理システムを搭載した駐車場管理機器をサニカが生産しており、安価で小規模の駐車場でも導入できる駐車場管理システムの普及を目指す。ただ連携の先を見据え、新製品の開発も進めていく。

 その一つが安価な車番認識装置を使った駐車場管理システムの開発だ。現在、ゲート式のコインパーキングでは駐車カードを使った駐車料金の精算方式が一般的だが、これは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)など画像素子で車両番号を認識、精算機へ車が近づけば自動的に精算する仕組み。他社の同様システムは数百万から数千万かかっており、創新の田中亨社長は「100万円台まで引き下げたい」としている。

創新(株)


会社名
役割分担
■コア企業
創新(株)
遠隔通信システム(制御ソフト・管理ソフト)の開発、コインパーキングの管理・保守事業のノウハウ
(株)サニカコインパーキング機器の製造・販売ノウハウ、周辺機器の製造及びシステムの取り付けノウハウ



創新(株) 田中 亨代表取締役社長<br>「集中管理システムは、「遠隔監視システム」と「遠隔管理システム」の2つの機能で構成されます。駐車場機器と管理者を通信回線で結ぶことにより、遠隔操作で駐車場の監視、状態把握が可能になります」

創新(株) 田中 亨代表取締役社長
「集中管理システムは、「遠隔監視システム」と「遠隔管理システム」の2つの機能で構成されます。駐車場機器と管理者を通信回線で結ぶことにより、遠隔操作で駐車場の監視、状態把握が可能になります」

【創業2年目に佐賀県の助成対象に】

 03年の創業とまだ社歴が浅い創新にとって、新連携事業計画の認定を受けた理由は「取引先からの信用を得ることが最大の目的だった」(田中社長)と説明する。

 同社は会社設立後から、行政機関が公募する助成事業などへ積極的に応募してきた。創業2年目の04年には佐賀県の「新世紀ベンチャー創出支援事業」に認定されるなど、08年まで毎年、何らかの助成を受けている。

 創新は駐車場管理機器のメンテナンスを手がける会社として創業。その後、駐車場管理システムの開発などにも事業を広げ「基本的に技術者集団の会社」(同)。行政機関の助成事業の対象となれば、周囲からは一定程度、技術開発力のある企業と見られる。同時に開発資金の助成も受けることができれば、財務負担も軽減できる。

 サニカとの連携は、創新の技術力が認められたのがきっかけだった。バブル経済崩壊後、都心部の土地の有効利用として、コインパーキングは急速に普及した。都心部の駐車場が不足していたという事情もあり、規模や種類が異なる多様なコインパーキングが開設された。駐車場管理機器にも多様性や高度化が求められるようになり、サニカは駐車場管理システムの開発力が高い会社を探していた。

 そこで創新に白羽の矢が立ち、05年に駐車場管理機器の製造はサニカ、システム開発は創新という分業体制の確立で両社が合意。当初、サニカは自社開発のシステムと創新のシステムを搭載した2種類の機器を製造してきたが、今では創新のシステムに一本化した。


【将来は駐車場以外の業種も視野に】

 サニカのシステムは遠隔通信機能を持ち、駐車状況や売り上げ、釣り銭の状況などをオンラインで監視できる。さらにこうした状況を一つの画面で表示し、「ユーザビリティーにも配慮した」(同)システムをつくり上げた。約3,000台の駐車場を持ち、創新のシステムを導入している企業のケースでは、わずか一人で全駐車場を管理しているという。


 また週ごと、曜日ごとなど各駐車場別に営業状況を分析、料金設定など駐車場の運営についてコンサルタント的立場からオーナーに助言も行っている。オンラインでつなげ、助言もできれば「創新のシステムから別のシステムに乗り換える人はいない」(同)と自信をみせる。

 駐車場メンテナンスから出発した創新。今ではシステム開発や駐車場管理業務の受託、駐車場経営のコンサルタントにまで領域を広げ、成長を続けている。今後は駐車場運営で培ったノウハウを活かし、コインランドリーなど他業態への進出も検討中だ。