製造/中部・北陸 「高生産性・省力化・環境対応等を実現した金属曲げ加工機の製造・販売事業」

顧客の声を機械作りに生かす  

協和マシン(富山県高岡市、吉田宏朗社長)は1972年に創業。アルミ産業の発展に伴い、切断機や穴開け機、プレス機など多くの機械開発を手がけてきた。なかでも得意とするのがパネル形状の板を曲げる機械。数々の機械づくりで得たノウハウを駆使して「ユーザーのために機械をつくる」を基本理念に、実直に機械製作に取り組んでいる。

現在の主力機種で、今回開発した新型機のベースとなったプレス曲げ機「KMPシリーズ」は約10年前に開発した。以後、研究開発を続け、新機能・新技術を搭載しながらモデルチェンジを繰り返してきた。

開発は技術部のスタッフが携わっており、人員は約10人。先輩技術者の指導を中心に、外部の技術講習なども受けて新しい機械作りに励んでいる。また金型メーカーとの共同開発も活発化している。近年では板金加工業者から加工についての問い合わせや相談も増え、工場内でのサンプル加工や顧客へのアドバイスも積極的に行っている。

顧客は産業機械、配電盤、家具などを製造する板金加工業者がメイン。こうした業者に新開発のプレス曲げ機「KMP・BG」をアピールし、業績向上を狙う考えだ。

協和マシン(株)


会社名
役割分担
■コア企業
協和マシン(株)
曲げ加工機の設計製造・販売
川崎鉄工所専用金型の製造



協和マシン(株) 吉田 宏朗 代表取締役<br>「プレス工程の現場で、思いのままに「曲げる」ことを可能にしたKMPシリーズ。その最新モデルでは、省力化、環境性、低騒音、ライン化・システムUPという4つの開発コンセプトに基づき、人と地球に快い高性能を追究しています」

協和マシン(株) 吉田 宏朗 代表取締役
「プレス工程の現場で、思いのままに「曲げる」ことを可能にしたKMPシリーズ。その最新モデルでは、省力化、環境性、低騒音、ライン化・システムUPという4つの開発コンセプトに基づき、人と地球に快い高性能を追究しています」

【作業員の負担軽減や作業効率が大幅に向上】

今回、開発した新型のプレス曲げ機もユーザーからの意見を随所に反映させたのが特徴。「とくに作業者にかかる負荷の軽減や安全性の向上を図りたかった」と吉田宏朗社長は語る。

従来、プレス機で複雑な曲げ加工を行う場合、数人で板材(ワーク)を持ち上げて角度をつけたり、工程ごとに金型を取り換えねばならなかった。また形状によっては溶接作業など、特殊な工程や技術を要する場合もあった。さらには加工時にワークが急に向きを変えて、身体や指が巻き込まれる危険性もあり、安全面の対策も課題とされていた。

近年、作業者の高齢化や女性の増加などで、これら作業負担の軽減や安全性の向上を求めるユーザーの声が多くなってもいた。そこで、こうした要望に応えるため、新しい曲げ技術を備えた機械開発に挑戦することにしたという。

まず、従来から取引関係がある金型メーカーの川崎鉄工所(南砺市)の協力を得て、金型の共同開発に着手。目標は、加工時に作業員がワークを持ち上げなくてもすむように2段階の連続加工ができる金型の製作だ。

「金型先端部の角度を以前のものより鋭角にしなければならなかったが、その角度を割り出すのが難しかった。また金型そのものの厚みにも気を配り、結局完成するまでに半年ほどかかった」。また金型の形状の解析作業では富山県立大学工学部にも協力を仰ぎ、データ収集を行ったという。

一方、機械本体も改良した。精度の向上を図るために制御系や軸などの設計を見直し、幾度となく図面を書き直した。


【跳ね上がりを抑えた曲げ機を開発】

こうした取り組みを経て、07年に高生産性、省人化を兼ね備えた汎用性の高いプレス曲げ機「KMP・BG」を完成させた。従来までの曲げ機とは異なり、最初にワークをセットするだけで2段階の曲げ加工が可能となったことで作業時間が大幅に短縮されるという。

さらに上金型で板を押圧する板材曲げ加工機クランプ装置を独自開発。これを用いて押圧力の向上と機械そのものの小型化も実現した。

操作は、タッチパネル方式で簡単。また金型交換も容易に行えるようにしたため、多品種小ロット生産にも対応できる。駆動系にACサーボモーターを使用することで消費電力の抑制や低騒音化も実現したという。

川崎鉄工所の協力を得て、開発途上で発生したいくつかの課題をクリアしてきた協和マシン。吉田社長は「作業負荷の軽減をはじめ、作業時間の短縮、省人化、そして不良品発生の抑制や安全面の向上にもつながった」と胸を張る。

性能や安全性を向上させ、画期的な機械の誕生となったが、今後も顧客のニーズに応じて改良を進めていく考えだ。