製造/中部・北陸 「季節によって異なる髪のダメージに最適なヘアケア製品の製造・販売事業」

季節限定・数量限定・業界初のシーズン企画

 美容業界などで「季節対策商品」が定着してきた。季節対策商品は、まさに季節特有のダメージを緩和する目的で開発された商品。夏には紫外線(UV)カット、冬には保湿機能の向上を狙いに開発され、肌が受けるダメージを軽減したり、肌を保護したりする化粧品がその代表格といえる。

 ビーロードをコア企業とする連携体は、ヘアケア製品で季節対策商品を開発した。季節ごとに配合成分を変えたシャンプーとコンディショナーのシリーズ「SEASONS PRESENTATION」がそれだ。シャンプーやコンディショナーでは初の取り組みで、新たなビジネスモデルとして評価された。

 肌と同様、髪が受けるダメージは季節によって異なる。それにもかかわらず、これに対応した製品はこれまでなかったという。ここに目を付け、春は水分補給、夏はUVカット、秋冬には栄養補給や保湿といった機能を付加。春、夏、秋冬シーズン向けで3種6アイテムを商品化した。

 生産数量は各アイテム5万本で、一定期間で売り切る戦略を採用。小売価格はシャンプー、コンディショナーとも内容量580ミリリットルのボトル入りで、1,050〜1,680円。07年2月に販売を始め、ヘアケアに関心の高い女性を中心に人気を集め、どのシーズン製品も完売するほどの人気商品となっている。

(株)ビーロード


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ビーロード
商品企画、ドラッグストアなど既存販路の活用と開拓、販促プロモーション
(株)セレス研究所成分配合・香料調整、薬事法・ヘアケアに関するノウハウ提供
(株)グラセル容器製造に関するノウハウ、商品別容器に関するマーケティングノウハウ



(株)ビーロード 彦田庸三代表取締役社長<br>「SEASONS PRESENTATIONは、適切な在庫管理をしたいという観点で生産量を限定しました。ユーザーニーズが高まれば、詰め替え用も検討していく必要があると考えています」

(株)ビーロード 彦田庸三代表取締役社長
「SEASONS PRESENTATIONは、適切な在庫管理をしたいという観点で生産量を限定しました。ユーザーニーズが高まれば、詰め替え用も検討していく必要があると考えています」

【ヒット商品の種】

 季節によって異なる髪のダメージに最適なヘアケア製品「SEASONS PRESENTATION」を企画したビーロード。オリジナルの化粧品などを扱う美容サロンや地場のドラッグストアの商品企画を手がけるかたわら、卸売りも行っている。

 同社は96年、美容資材商社「彦田」の企画、デザイン部門が分離独立してできた企業。彦田は美容室など北陸3県で約3,000件の顧客を抱えている。商品企画を中心に手掛ける同社が、春は水分補給、夏はUVカット、秋冬には栄養補給や保湿といった機能を付加したヘアケア製品の製造・売に取り組むのは珍しい試みだった。

 ビーロードは商品企画などが専門のため、シャンプーなどの生産設備を持っていない。そこで、同ヘアケア製品の企画案を従来から取引のあったセレス研究所(兵庫県三田市)に持ち込んだ。セレス研究所は、ドラッグストア向けのプライベートブランド(PB)シャンプーの生産を委託していた縁もあり、連携もスムーズだった。

 セレス研究所は、育毛剤のOEM(相手先ブランド)メーカーとしてトップクラスの実績を持つうえ、オリジナル商品も展開している。さらに多くの研究員を抱え、シャンプーやコンディショナーに使用する香料調整や成分配合のノウハウも持つ。ヘアケア製品の製造には最適のパートナーだった。

 同社に連携を申し込んだのは、ほかにも理由があった。少量生産に対応した設備を持っていたからだ。「SEASONS PRESENTATION」の1アイテムあたりの生産本数は内容量580ミリリットル換算で5万本。大手のシャンプーメーカーの生産量とは比べものにならないほど少ない。

 「生産量が少ないだけに、過剰能力の生産設備を使って生産したら、コストが合わない」(彦田庸三社長)。限定生産品だけにセレス研究所の設備規模は、まさにうってつけだった。


【顧客のための企業活動の最適化】

 季節を意識した商品だけに、商品コンセプトを忠実に表現するボトルも必要となる。このため化粧品メーカー向けに多種多様な容器提供で実績を持つ、グラセル(旧大阪硬質硝子、大阪府茨木市)に協力を依頼した。

 同社は、ガラスや樹脂製の容器製作を金型から手がける。そのため形状など細かな要望にも柔軟に対応できるのが特徴。また試作時には職人が手作業で樹脂と着色剤を混ぜ合わせてボトルの色調整を入念に行ってくれたため「各シーズンのボトルは形も色もイメージ通りに仕上がった」(彦田社長)と話す。

 この商品のコンセプトは女性を中心に受け入れられ、これまでに作った春、夏、秋冬のすべてのタイプは完売した。女性誌などでも取り上げられ、注目度も高まっている。今後も顧客、そして顧客ニーズのために企業活動を最適化するというスタンスのもと、「売れる商品」「売れる仕組みづくり」を積極的に展開していくという。