製造/近畿 「安全安心の「霜降り豚肉」などの製造管理システム開発とエコフィード循環事業及びそのFC事業」

食品残さの飼料化でリサイクルを推進

 再生可能な生物由来の有機資源であるバイオマス。日本でも「循環型社会」の形成に向けて、国をはじめ各自治体で構想が進んでいる。

 コア企業のバイオマス・グリーン(兵庫県稲美町)は、兵庫県加西市が進めるバイオマスタウン構想に沿う形で、食品バイオマスを用いた「エコフィード循環事業」を行う。エコフィードとは、食品の残さ(かす)を原料として加工処理されたリサイクル飼料のこと。

 同事業では地元スーパーの店舗や食パン工場から排出された残さを収集し、エコフィード循環事業協同組合(兵庫県明石市)が建設した工場(同加西市)に運び込む。工場内で分別・乾燥を含む加工処理を行い、2種類の飼料を製造。飼料メーカーや養豚農家に販売する。

 養豚農家が養育段階に合わせて飼料を使い分けながら豚を飼育し、その豚から「霜降り豚肉」を生産。残さを排出したスーパーで販売することで循環型のリサイクルシステムを形成する。

 また「安全・安心」を確保するため、トレーサビリティーを整備。販売店舗で消費者向けに生産履歴などを確認できるようにするほか、連携体構成メンバー3社との間で重さや個数、温度といった情報をデータベース化した生産管理システムを構築する。同事業のフランチャイズチェーン(FC)展開も計画している。

(株)バイオマス・グリーン


会社名
役割分担
■コア企業
(株)バイオマス・グリーン
事業統括、食品バイオマス研究開発・仕入販売、食品バイオマス飼料の販売、FC展開事業、プラント販売、廃棄物処分業許可等の取得指導
エコフィード循環事業協同組合飼料製造、共同施設の設置、共同生産(加工処理)
金澤産業(株)食品残さ収集、食品バイオマス仕入活動(収集・運搬)、食品バイオマス分別運搬容器の指導
(株)共立モデルプラントおよびFCプラント設備の開発・製造・設置・改良など



(株)バイオマス・グリーン 金澤 孝代表理事<br>「リサイクル飼料と給餌方法により、これからの循環型社会に適合した、安全で安心なブランド霜降り豚肉を出荷していただくことができます」

(株)バイオマス・グリーン 金澤 孝代表理事
「リサイクル飼料と給餌方法により、これからの循環型社会に適合した、安全で安心なブランド霜降り豚肉を出荷していただくことができます」

【霜降り豚肉をつくる】

 エコフィード循環事業の事業化の契機は、コア企業であるバイオマス・グリーンの金澤孝社長が連携体メンバーで廃棄物処理を手がける金澤産業(兵庫県稲美町)で食品リサイクルに取り組んだ時期にさかのぼる。

 99年に地元スーパーから店舗で排出される食品残さを飼料にできないかと持ちかけられ、共同で調査を始めた。残さの傾向を調べるほか、食品リサイクルとしての飼料化に詳しい専門家の協力を得て、排出した残さの分析を行ってきた。

 単に飼料を製造するのではなく、その飼料で「安全で高い品質の豚肉を生産する」(金澤社長)のが事業の大きな目的だ。金澤社長らは飼料の調査や分析を重ねる一方で、製造した飼料を用いて試験的に豚を飼育。「霜降り」の豚肉をつくることに成功した。

 日本の消費者の嗜好に合うよう飼料の配合を少しずつ変えながら豚を育て、霜降り豚肉を生産するノウハウを取得。02年度には事業化に向けて地元の試験場や中小企業団体、産業支援機関などをメンバーとする研究会を立ち上げ、兵庫県の支援を受けて活動した。

 養豚農家にも参加を呼びかけた結果、1件の農家が加わり、そこで飼料を使って豚を飼育。03年度末には生産した霜降り豚肉を販売するまでになった。


【循環型の仕組みが成立することが重要】

 事業展開によって食品のリサイクル率が向上すること以上に、循環型の仕組みが成立することが重要。「農産物に対する国の支援はあるが、畜産物に対して(の支援)はない。もっと充実していくべきだ」と語る金澤社長。その事例モデルになればと願う。

 加工処理設備を設置した工場は10月初旬に完成。金澤産業が食品残さの収集と運搬を担当する。加工処理に用いる分別スクリューや乾燥機、混練機など設備一式の開発と製造は機械メーカーの共立(神奈川県相模原市)が受け持つ。

 「消費者に安全でおいしいものを届けたい」(同)との思いから、09年4月からは販売先でQRコードを携帯電話で読み取れば情報が見られるようにする。さらに「安全、安心というだけではだめ」(金澤社長)と連携体内部での経理面を含む生産管理システムも徹底する考えだ。
 
 連携のメリットに「各分野のプロが集まって迅速に事業活動を行える」(同)点を挙げる金澤社長。新連携事業については「市場開発型の制度でPRやマーケティングにも活用できる」(同)と評価する。

 エコフィード事業の本格化にあたって、年間に生産される豚肉の6万頭分をカバーできればと意気込む。事業の最終年度となる2011年3月末には約11億円の売り上げが目標。今後展開するFC事業では、2011年に6件のFC化達成を目指している。