製造/近畿 「蛍光灯管と互換性のある蛍光管型LED発光管の製造・販売」

一般蛍光灯を代替できる製品を開発へ

 リードコーポレイション(奈良市)は、海外委託生産部品の輸入代行業務や電気製品・部品の販売・輸出入業務を手がける創業9年目のベンチャー企業。たんなる輸出入・販売代行のみならず、仕入れた製品に小加工を施したりするなどの派生サービスも行ってきた。

 同社の中西靖信社長は松下電器産業の出身。松下時代は国際購買の仕事をしていたが、中国市場をベースに培った商社機能を武器に独立を決意。99年に出身地の奈良市内で起業した。

 安定収益事業を模索していた同社は、06年11月に取引先関連の鉄道会社から発光ダイオード(LED)を使った蛍光灯の開発依頼を受けた。

 トンネルなどに設置された蛍光灯の交換作業の苦労が提起され、蛍光灯の交換取り替え作業とコストの負担軽減を進めるべく、長寿命化が図れるLED蛍光灯が開発できないかというものだった。

 当時の同社に本格的な開発機能はなかったが、中西社長は松下時代の人脈を頼りに、LED製品開発を手がけていたライフ・グリーン(京都府京田辺市)に協力を依頼。ライフ・グリーンの中村泰清社長も松下出身で、会社を設立した経緯を持つことから互いに意気投合、開発に乗り出した。

 「一般蛍光灯管から代替できるLED蛍光灯管を開発する」(中西社長)ことを目標に設定。1年強かかって、08年1月に製品を開発した。

 商品企画を重視する中西社長は「開発製品が国のお墨付きをもらえれば今後の売り込みに有利」(中西社長)と新連携事業へ応募を決めた。奈良県中小企業支援センターの支援を得て、08年3月に奈良県2例目となる新連携事業に認定された。

(株)リードコーポレイション


会社名
役割分担
■コア企業
(株)リードコーポレイション
LED発光管事業の総括、製造、営業活動・販売
(株)ライフ・グリーン設計・技術開発、商品仕様、信頼性評価



(株)リードコーポレイション 中西靖信代表取締役<br>「LEDの電気から光へのエネルギー変換効率は90%以上と白熱電球や蛍光灯と比べても圧倒的です。また水銀とガラス管も使っていないので、リサイクルもカンタンです」

(株)リードコーポレイション 中西靖信代表取締役
「LEDの電気から光へのエネルギー変換効率は90%以上と白熱電球や蛍光灯と比べても圧倒的です。また水銀とガラス管も使っていないので、リサイクルもカンタンです」

【CO2削減効果で反響】

 LED蛍光灯を製品化する連携体としての構成は、基本の技術開発を依頼したライフ・グリーンとの2社体制だが、その他に材料や部品の供給などを受ける企業6社から事業の推進協力を得ている。

 リードコーポレイションは04年に自社で中国工場を立ち上げ、部品調達や製造、販売などの経験もある。そのため多くの協力企業の調整から連携体構築はスムーズに進めることができた。

 製品形状は一般蛍光管に合わせて製作。従来の蛍光灯器具にそのまま取り付けられることが特徴だ。電気的接続仕様を従来の蛍光灯管と合わせており、さらに蛍光灯管と同じ口金で封止を使うことで、形状、使用方法ともに従来のものと変わらないものとなっている。

 構造は、透明で割れにくいポリカーボネート製円筒の内部に高輝度LEDを最適配列したプリント基板を封入。一般型蛍光灯で代表的な直管型で10W、20W、40Wの3種類の製品化が進められた。LED数は10W品が54個、20W品は112個、40W品は224個で基板に搭載される。

 またユーザーが安心して使ってもらえるよう、蛍光灯管の両端をJIS(日本工業規格)の口金で封止するとともに、光束やランプ効率で電気安全環境研究所(JET)の認定も受け、想定できる多くの信頼性試験や特性評価を得た。製品構造として日本で特許も取得した。

 LED蛍光灯は寿命が一般蛍光灯の5〜10倍となる4万時間超で、突然の消灯もない。他社のLEDは信号機などにも使われている砲弾型LEDを使っているが、同社ではチップ型LEDを採用。明るさは通常より20〜30%ダウンするが、消費電力は一般蛍光灯より大幅に削減できるという。

 40Wの蛍光灯20本をLED蛍光灯へ取り換えた場合、年間約45%の二酸化炭素(CO2)削減効果があるとする試算も行った。「CO2削減という地球温暖化対策に貢献できる蛍光灯というコンセプトは当たった。幅広い業界から問い合わせが来ている」(中西社長)という。


【専用工場で生産体制も整備】

 専用工場を08年に奈良市内で立ち上げ、量産体制も整えた。当初は月産5万本体制でスタートし、その後の受注の拡大に伴い10月には同7万本体制へ拡充した。

 LED蛍光灯の事業化が急速に立ち上がってきたことで「08年3月期のグループ売上高は約8億円だったが、09年3月期は一気に30〜40億円を計画する」(同)。

 中西社長は高校時代、野球名門校でレギュラーとして高校野球全国大会(夏の甲子園)での優勝経験を持つ。その後、松下電器で国際購買の仕事を通して海外を飛び回り、幅広い人的ネットワークを築いてきた。起業、そして今回の連携体によるビジネスも、野球で培った連携プレーとこれまでの人脈づくりが生きている。

 LED蛍光灯の製品名は関西方面で「得電ねん」、関東方面で「地上の星」とつけた。製品キャラクター「得電太郎」も作り、マーケティング強化も打ち出している。

 「LED蛍光灯はこれから各社と勝負になる。当社として特徴を打ち出していけば必ず勝てる」と中西社長は強調する。奈良発のベンチャー企業を意識し、新連携事業で体制を整え、大きな飛躍に向かっている。