サービス/中部・北陸 「医療費請求書の審査を自動化し高品質・短納期・低価格で提供するサービス事業」

医療費請求書審査をシステム化

 医療機関が健康保険組合や共済組合、国民健康保険など保険者に発行する医療費請求書(レセプト)の内容を点検し、医療費を過当に多く請求する過剰請求や間違いを指摘する「レセプト審査」。TMMCは岐阜医事研究所と連携し、このレセプト審査の迅速化を実現するためのシステムによる自動審査サービスを提供している。

 政府は2011年をめどにレセプトの発行を紙から電子化に全面移行する。これにあわせコア企業のTMMCは、自社のシステム開発・運用力と岐阜医事研究所のレセプト審査のノウハウを組み合わせて、電子化されたレセプトを自動で審査するシステムを開発した。

 現状ではレセプトは紙での発行が主流。審査そのものは人手によって行われており、作業効率も悪く、人件費もかかる。さらに運送コストの発生に加え、運送時の盗難など情報漏えいのリスクも伴う。

 こうした課題に対応するため、同社はレセプト審査のシステムによる自動化を発案。点検すべき診療内容などのデータ化により、過去データとの照合作業も容易。審査精度の向上に加え、作業時間も大幅に短縮でき、情報の暗号化により防犯性も向上した。

 「レセプト発行の電子化が進めば受注の大幅増が見込める。営業活動を本格化したい」と宮城達夫社長。09年度は同サービスで2億4,000万円の売り上げを目指す。

(有)TMMC


会社名
役割分担
■コア企業
(有)TMMC
システム構築ノウハウ、システム開発・運用・メンテナンス、販売
(有)岐阜医事研究所レセプト審査および審査ノウハウ



(有)TMMC 宮城達夫代表取締役<br>「医療事務の職人ノウハウとITのプロの技術力が連携したシステム。レセプト発行の電子化が進めば受注拡大が見込めるため営業活動を本格化させていきます」

(有)TMMC 宮城達夫代表取締役
「医療事務の職人ノウハウとITのプロの技術力が連携したシステム。レセプト発行の電子化が進めば受注拡大が見込めるため営業活動を本格化させていきます」

【医療費の過剰請求は想像以上】

 日本の07年度の医療費は約33兆円。医療費は年々増加傾向にあり、政府は医療費抑制に向けた施策を展開している。一方、医療機関の保険者に対する過剰請求が横行するのも事実。

 過剰請求額は「すべてのレセプトを精査すれば、年間で医療費全体の1割以上に達するのではないか」(宮城社長)とも指摘する。医療費請求の現状を知るにつれ「過剰請求は想像以上に多く憤りを感じた」(同)というのが今回のサービスを始めたきっかけだ。

 連携先である岐阜医事研究所との出会いは05年。宮城社長は元NECの技術者で、NEC時代の同僚が同研究所のデータ処理業務に携わっていることを知った。そこで当時、レセプト審査について興味を持っていた宮城社長は、その同僚に頼み込み、同研究所を紹介してもらった。

 実際、研究所を訪れると、紙で提出された膨大な量のレセプトを専門の審査員が一件ずつ点検していた。その光景を見て「レセプト審査はなんと前近代的な業務なんだ」(同)と驚いたという。

 1人の審査員が審査できるレセプトは1時間で100件が限度。日本全国で年間のレセプト発行数が16億〜18億件といわれており、「すべてを点検するには人手が足りず限界がある」(同)。

 そこで同社は自動審査システムの開発に着手。07年7月に新連携の認定を受けた。新連携を活用した理由は「個人情報を扱う業務なので、『信用力』が何より大事」(同)と語る。


【低コストで審査制度が向上】

 同システムは専用のソフトウエアに診療報酬点数や薬価基準などを登録し、ルールエンジンを構築。またレセプトの審査員のノウハウをデータベース化したことで機械的に審査できるようにした。いわゆるYESかNOかの手続き判断型ではなく、ルールに照らし合せて判断するAIシステム。診療報酬改定など制度改正による設定の変更も容易に行える。

 このシステムを使った電子化レセプトの自動審査サービスは、保険者からレセプトの電子データを受け取り、コンピュータで病名や診療行為、医薬品の使用状況などをチェックし、間違いを自動で検出する。

 その後、事前に登録されていない情報などシステムで審査できなかった項目について、審査員がコンピュータとの対話形式で点検する。審査終了後、電子データや伝票などに出力して、保険者に提出する仕組みだ。

 同サービスは08年7月に始めたばかりだが、すでに複数の大口の健康保険組合から受注があった。価格は従来方式に比べて3割ほど安く抑えられる。また審査精度が向上したことで、これまで見過ごしていた過剰請求を発見でき、トータルの医療費削減につながるという。さらに不正請求を行う医療機関へのけん制効果もある。

 09年度にはこのシステムをパッケージ化して販売することも計画しており、「一層のコスト削減と商品開発を進め、競争力を高めたい」(同)と意欲を燃やす。