製造/中部・北陸 「空缶・空ペットボトル等の回収率を上げる多機能回収ボックスの製造・販売事業」

低価格でコンパクト、市場性を追求 

 飲料用空き缶の容量を約3分の1に圧縮する装置の開発と製造・販売で、アルナコーポレーションがコア企業となり、ミヅホ製作所(愛知県豊明市)、ユタカ電子製作所(岐阜県羽島市)の3社が連携する。

 空き缶用の「缶ペチャくん」をはじめ、空きペットボトル用の「ペシャットさん」、紙コップ用を製品化し、飲料自動販売機管理サービス業者や公共施設などに販売している。

 年間販売台数約100台と、この分野では販売好調だ。その理由は企画段階から“売れる”製品を目指して「低価格、軽量、コンパクト」をキーワードに他社製品との差別化を図ったため。市場性に重点を置いて開発したことが奏功した。

 単なる圧縮装置に終わらないためにオプション機能という付加価値にも力を入れた。自動販売機の横にゴミ箱代わりに設置することを想定して開発したデポジット機能がその一つ。

 商品についているバーコードを利用し、自動販売機で扱う商品をあらかじめ装置に登録。登録した商品の空き容器を装置に投入すれば、販売時点で商品に上乗せされていた10円が消費者に返却される仕組み。空き容器の回収率向上に役立つ機能だ。

 企画、販売、メンテナンスはアルナが担当、装置の製造や製品特許はミヅホが受け持ち、電子部品はユタカ電子が担う。各方面から引き合いがあり、新機能の充実に向けた開発を続けている。

(株)アルナコーポレーション


会社名
役割分担
■コア企業
(株)アルナコーポレーション
多機能回収ボックスの企画・販売、メンテナンス管理
(株)ミヅホ製作所 空缶等圧縮処理装置の特許所有、多機能回収ボックスの製造
(株)ユタカ電子製作所電子部品、制御部品の開発・製造



(株)アルナコーポレーション 丸山隆資 代表取締役会長<br>「特殊形状のスチールと硬質ゴムローラーにより、小型化と節電に成功しました。空き缶、ペットボトルを約1/3に圧縮・減容(H型)します」

(株)アルナコーポレーション 丸山隆資 代表取締役会長
「特殊形状のスチールと硬質ゴムローラーにより、小型化と節電に成功しました。空き缶、ペットボトルを約1/3に圧縮・減容(H型)します」

【特技を持ち寄り、完成度を高める】

 丸山隆資・アルナコーポレーション会長が、知人の会社が開発した空き缶等圧縮処理装置の製造事業を引き継いだのが連携のきっかけ。

 空き缶や空きペットボトルを誰でも楽につぶせる装置があれば、再資源化で採算面のカギを握る運搬費用の抑制や回収率の向上、さらには環境美化に役立つと考え、その会社の特許を買い取った。だが、アルミ製のサッシや手すりなどの施工、改修を手がけるアルナコーポレーションにとって電気機器の開発・製造は全くの畑違い。

 このため以前から付き合いがあった、鉄道車両の内装などを手がけるミヅホ製作所に装置本体の製造を依頼。電子部品の開発と製造では、知人の紹介で知り合ったユタカ電子製作所に協力を仰いだ。

 事業を引き継いだ当初は、缶がきちんとつぶれなかったり、つぶした缶が機械の中で詰まったりする問題があった。これを解決するため会合・試作を繰り返した。「それぞれ専門分野が違うので、考え方も三者三様。アルナが調整役を務め、技術コンサルタントのアドバイスも受けながら、完成度を高めた」(丸山博司社長)。

 他社製では1台100万円程度するところをシンプルな構造で23万円の低価格に抑え、市場性を確保した。大人2人で持ち運べる重さと飲料自動販売機の横に置けるコンパクトなサイズ、そして100V電源での稼働など使い勝手の良さも追求。

 さらに飲料自動販売機管理サービス業者への売り込みを想定し、空き缶回収率を高めるためのオプション機能として、デポジット機能も付加した。

 08年1月には改良型第1号を発売。現在も顧客の依頼を受けてポイントカード機能やスタンプシール発行機能など開発を続けており、地元スーパーなどからも引き合いもでてきたという。


【提出書類の作成が管理面で一役】

 「中小企業が新しい事業を始める場合、社長の独断で進めることが多く、会議の議事録取りや経費管理などがいいかげんになりやすい」(丸山博司社長)。

 その点、新連携制度では申請時や補助金交付の際などには書類を提出しなければならず、計画的な進行、しっかりとした経費管理が求められる。「書類作成には時間と労力を使った。もっと簡素化できないものかとは思ったが、この経験は今後役に立つ」(同)という。

 また製品の仕様を決める時などに意見がまとまらない場合は、専門家の助言が参考になったという。「ポイントをきちんと押さえることができ、脱線せずに事業を進めることができた」(同)と振り返る。

 現在、同事業の年商は2,500万円程度。年商1億円を目指し、今後も機種改良を進めるとともに、販売先の開拓に力を入れていく方針だ。