サービス/近畿 「業務用排水再利用システムを活用した布オムツランドリー事業展開」

排水再処理プラントを活用してFC展開

 相互技研(大阪府羽曳野市)はラクーパシステム(大阪府東大阪市)、ラクーパ奈良(奈良市)と連携し、低コストで環境負荷の低い、「布オムツのレンタル、クリーニング事業」の全国展開をスタートする。

 コア企業の相互技研は、すすぎに使った水を洗濯に再利用する排水再利用システムの設計・開発を担当し、ラクーパシステムは同システムを使った、布オムツ洗濯事業のマネジメントを担当する。ラクーパ奈良は関連商品の開発やフランチャイズ店のモデル店として活動する。

 布オムツは紙オムツに比べ、ゴミを出さない、子供のオムツ離れが早いなどのメリットがある半面、洗濯に手間がかかる。そのためほとんどの病院や老健施設では使われていない。同事業ではレンタル、クリーニングを一括で請け負うことでこの問題を解決する。

 相互技研が開発した排水再利用システムは2回の洗濯工程と4回のすすぎ工程に使う水のうち、すすぎ工程で使う水を浄化槽で処理して洗濯工程と1回目のすすぎに再利用する。ラクーパシステムが使っている業務用大型洗濯機に組み込んで使用することで「水の使用量を最大で50%削減できる」(中谷裕文相互技研社長)という。

 現在の店舗は「ラクーパ奈良」のみだが、今後は全国でフランチャイズ展開し、店舗数を増やす方針だ。

(株)相互技研


会社名
役割分担
■コア企業
(株)相互技研
業務用排水処理再利用システムの開発、洗濯排水の浄化再利用を行うシステムの設計・施工および関連開発技術の提供、販売・施工・メンテナンス
ラクーパシステム(株)病院・老健施設等にオムツ他のランドリーサービスを行うフランチャイズ店の募集、フランチャイズ店に対する本全体システムの販売、フランチャイズ店に対するオムツ他の物品販売
ラクーパ奈良(株)フランチャイズのモデル店、全国フランチャイズ店の見学工場、関連商品の開発



(株)相互技研 中谷裕文社長<br>「水の使用量を50%減らせる、排水再利用システムを用いることで環境にも配慮したビジネスモデルを目指します」

(株)相互技研 中谷裕文社長
「水の使用量を50%減らせる、排水再利用システムを用いることで環境にも配慮したビジネスモデルを目指します」

【水道工事業からの転換】

 相互技研は大阪府羽曳野市で水道工事業を営む傍ら、雨水を再利用して散水などに使用するリサイクルシステムを産業技術総合研究所(産総研)や三洋電機などと共同で開発、マンションや自治体、企業に販売してきた。

 水処理技術のさらなる利用拡大を目指していた同社は、産総研から東大阪市でオムツの洗濯事業を手がけているラクーパシステムを紹介される。布オムツのクリーニング事業という水を大量消費する業態に興味を持った相互技研と、再利用システムを導入することでコストダウンが図れるラクーパシステムの思惑が一致し、連携することが決定した。

 05年9月には新連携事業の認定も受けた。中谷社長は「認定のおかげで連携を早く進められることができた。今後のフランチャイズ展開を進める上でも大きなPR効果が出るだろう」と期待を寄せる。

 認定後、ラクーパシステムは試験店舗として奈良市に「ラクーパ奈良」を設立。病院や老健施設など8カ所を顧客に持ち、布オムツのレンタル、クリーニングサービスを行ってきた。事業を進める上で、バーコードを使った「マイオムツ管理システム」や、マイクロコロニー法を使った「細菌検査システム」などを開発。付帯サービスも充実してきた。

 サービス体制が固まったこともあり、今後はオムツクリーニング事業のフランチャイズ化を進める。03年度〜09年度にかけて近畿圏を中心に、10カ所まで店舗を増やす計画だ。これまでは顧客数の見込める病院や老健施設が対象だったが、今後は在宅介護の要介護者や乳幼児など一般家庭のレベルまでサービスを拡大する。


【介護ビジネスの拡大が追い風に】

 「現在は手ごろな紙オムツが一般的だが、私たちが子供のころは布オムツが当たり前だった」と中谷社長は述懐する。

 布オムツは肌触りがよい、費用が安い、紙オムツのゴミが減るなどのメリットがあるほか、排せつ感が強いため子供のオムツ離れが早くなり、要介護者ではぼけ防止にも役立つなどのメリットもある。ただ、使用ごとに洗わねばならないため、高齢者介護の現場では労働力の観点から紙オムツを使うことが一般的だ。

 近年は高齢化社会の到来とともに、オムツが必要な要介護者が増え続けている。2000年度時点で約300万人だった要介護者は、05年度で410万人、08年度は倍増の6000万人まで拡大する見通しだ。このままでは介護現場で出されるオムツのゴミも増加すると予想され、日本古来の布オムツが再評価されることは想像に難くない。

 排水再利用による環境負荷の低減とコスト削減を武器にする両者の布オムツクリーニングサービスには、高齢化社会を乗り切る上で大きな期待が寄せられている。