製造/中部・北陸 「高い夜間視認性を有するフルカラーの再帰反射性インク・塗料の販路開拓」

高い夜間視認性を誇るインク・塗料で安全分野へ進出 

 コア企業の小松プロセスを中心に「再帰反射性インク・塗料」を開発、その販路開拓も含めて事業化に挑んだ。従来のシートタイプに比べコンクリート構造物などへの施工に優位性を持つ。またフルカラーを実現し、夜間視認性に優れるのも特徴だ。

 小松プロセスが再帰反射性インク・塗料の製造や商品開発、販路開拓のための企画を行う。またインク・塗料、スプレー、絵の具など商品に合ったガラスビーズをユニオンが製造し、小松プロセスに供給。さらに塗装面の防護や耐候性の向上を目的に、IDT日板からセラミックス系コーティング剤による表面処理技術を導入した。

 長年、小松プロセスと取引関係にある長瀬カラーケミカルが、製造業を顧客に持つ強みを生かし、西日本を中心に安全分野の販路を開拓する。また小松プロセスが関係会社から紹介を受けた丸紅シーエルエスは、大手商社の関連会社としての広範囲なネットワークを生かし、東日本を中心に鉄道や輸送の保安分野へ売り込む。さらに、公共事業関連など一部分野を、IDT日板が受け持つ体制となっている。

(株)小松プロセス


会社名
役割分担
■コア企業
(株)小松プロセス
塗料特許/開発
A社ビーズ製造
(株)ID日板表面処理技術
長瀬カラーケミカル(株)販路開拓
丸紅シーエルエス(株)販路開拓



(株)小松プロセス<br>松浦宏明社長

(株)小松プロセス
松浦宏明社長

【施工性に優れた再帰反射性インク・塗料の事業化に挑む】

 小松プロセスは、A社、IDT日板、長瀬カラーケミカル、丸紅シーエルエスの4社とタッグを組み、フルカラーの再帰反射性インク・塗料の販路開拓事業で、中部経済産業局から新連携計画の認定を受けた。

 小松プロセスの松浦宏明社長は、以前から高速道路などで使われている再帰反射性シートを使った標識に着目していた。夜間、車のライトを反射することで、運転者の視認性を高めるものだ。同シートは、施工の際に切り張りが必要。もっと使い勝手が良く、施工性に優れたものはできないかと考え、再帰反射性を持つインク・塗料の開発に着手した。

 光の再帰反射は、塗料がおこすのではなく、そこに用いられている50マイクロメートルのガラスビーズによるものだ。松浦社長は、まずビーズメーカーを自ら開拓する。その中で、A社の専門メーカーとしての実力や同社営業マンの熱心さに信頼度を深め、供給を依頼した。

 塗料とビーズの配合や調合のテストを繰り返し、製品は完成した。さらに塗装面を保護するため、IDT日板が持つ表面処理技術を融合した。これにより耐候性などが飛躍的に向上した。IDT日板とは営業活動を行う中で出会った。同社は公共事業に販売実績を持つことから、製品を販売する際の強い味方ともなった。


【万全の販路開拓で飛躍を期す】

 次に目指したのは販売体制の確立。まず塗料の配合、分散の委託加工を受けるなど約25年に及ぶ取引関係があった長瀬カラーケミカルに白羽の矢を立てた。同社も製品の優位性を認め、西日本を中心に販売することで合意。さらに紹介によって出会った丸紅シーエルエスは、主力の人工・合成皮革販売に加え、もう一つの事業を模索していたこともあり、東日本での販売を担うことになった。

 新連携計画申請は、地元の石川県産業支援機構(金沢市)の勧めによるものだった。認定に関し松浦社長は「信用度がアップしたことが一番の財産」と語る。また「販売先の開拓などは自分の力だけではできなかったことで、これが可能になったことが大きい」と打ち明ける。

 連携体は営業活動の進捗状況や販売実績、PRのための展示会への出展の打ち合わせなどを適宜行っている。

 また、国土交通省が有用な新技術を公共事業で活用するために構築している「新技術情報提供システム」(NETIS)への登録を目指している。登録できれば、地方自治体や建設会社などがパソコンで簡単に閲覧できるだけに、製品普及に向けて大きなPRとなりそうだ。