製造/近畿 「安全で衛生的な筆記具と専用消去具、および筆記用シートの製品開発とその販売拡大事業」

安全・衛生をキーワードにした文具開発

 文具を開発・販売するサニーと、製品デザインを手掛けるワイエスデザイン(大阪市中央区)、製造を担当するマルニ(大阪市阿倍野区)、筆記用シートに使う特殊吸着フォームを開発したサンファイブ(鳥取市湖山町)が連携し、安全で衛生的なマーカーペン「ペンクル」と関連商品群の改良、拡販を行う。

 ペンクルは無害なアルコール系インクを用いたマーカーペン。速乾性で直ぐ乾き、触れても消えないけれど水に溶けるため消しカスなどが発生しない。ヨーロッパの安全基準EN71-Part3に適合し、口に入れられるほど安全性が高いのが特徴。

 またキャップ部分に磁石を仕込んでおり、20度の傾斜角度で金属面に張り付くことができるなどユニバーサル・デザインに配慮した設計。07年度グッドデザイン賞、ステーショナリーオブザイヤー2007機能部門グランプリを受賞した。

 関連商品群として専用筆記用シート「ラクスルー」、消去具「キレイサー」がある。ラクスルーは背面に特殊吸着フォームを用いており、多少の凹凸がある壁紙などでも貼り付けることが可能。金属板を埋め込んでおり、ペンクルやマグネットを付けることができる。

 キレイサーは消去面に吸水性の高い素材を用いており、ペンクルで書いた文字をサッと拭くだけできれいに落とせる。水分の蒸発を抑えるため簡易密閉式の独自構造を採用する。

 価格はペンクルが1本420円。ラクスルーは縦1,100mm×横1,200mmで1万5,540円。キレイサーが1,155円。

(株)サニー


会社名
役割分担
■コア企業
(株)サニー
製品の開発、製品受注・販売、知的財産申請管理、独自販売方法実践販路開拓、製品販売促進活動
(株)ワイエスデザイン設計・総合デザイン、説明書等関連デザイン、販売促進用品のデザイン
マルニ(株)生産技術開発、資材調達、製造業務・完成品管理全般
サンファイブ(株)特殊吸着フォームの開発・供給



(株)サニー 西川雅章社長<br>「安全・安心で人と環境に優しい商品というのが当社の開発キーワードです。今後も独創的な発想で子供が楽しく遊べて教育にも役立つような商品を開発、それを教育現場に広げていきたいです」

(株)サニー 西川雅章社長
「安全・安心で人と環境に優しい商品というのが当社の開発キーワードです。今後も独創的な発想で子供が楽しく遊べて教育にも役立つような商品を開発、それを教育現場に広げていきたいです」

【5年後に2億円の売り上げ目標】

 「安全・衛生、低環境負荷は、うちが商品開発をする際に絶対はずせないキーワード。子供が楽しく遊べて、教育にも役立つような商品にしたい」と力を込めるのはコア企業であるサニーの西川雅章社長。

 サニーは文具メーカーのマルニで常務を務める西川氏が設立した文具の開発・販売会社。ペンクルおよび関連製品の開発・販売をメーン事業としている。

 ペンクルは07年10月に、キレイサーなどは11月末に発売。世界堂などの画材専門店や雑貨・ホビー製品などを扱う東急ハンズで一般販売しているほか、託児所や幼稚園、工場、オフィスなどにも販売している。

 売り上げは販売後3カ月で「数百万円程度」(同)。目標売上高は08年9月までに2,000万円、09年9月までに7,000万円と設定している。西川社長は「5年後には2億円以上の売り上げを実現したい」と意気込む。


【のびのびと落書きできることで親子の対話】

 自らも一女の父である西川氏は「落書きは子供のいたずら心が刺激される遊び。ラクスルーを家の壁に貼り、のびのびと落書きをさせることで子供が大変喜び、親子の対話も増えた」と顔をほころばせる。

 「子供が使うということで安全・衛生的な製品を目指した。片手でキャップの取り外しができるようユニバーサル・デザイン対応の意匠になった」と実体験を反映させた開発の経緯を振り返る。

 ペンクルシリーズを開発する上で最も苦労したのは「ラクスルー」の開発だ。背面の吸着フォームの改良に苦心したほか、シートの中に金属板を埋め込んだことで表面に微妙な凹凸ができてしまう問題があった。しかし連携企業と協力し、何度も試作品を作成。試行錯誤を繰り返すことで完成へと至った。
 

【連携企業と協力し、さらなる製品改良を目指す】

 サニーを中心とする連携体は、2月27日に新連携事業の認定を受けた。認定について西川社長は「中小企業にとって製品開発にかかる苦労は並ではない。これから商品改良を行っていく上で補助金の交付や設備投資の減税措置を受けられるのは本当にありがたい」と語る。

 現在、ペンクルシリーズはオフィスや工場での導入が先行しているが、西川社長は「子供の教育にも役立つツールだと思うので、小学校、幼稚園などの教育機関、子育てをしている一般家庭に買ってもらいたい」と販売方針を示す。

 同リーズの具体的な改良方針については未定だが「より一層の使いやすさを目指し」(同)、消去具、ボードなどの改良を行う予定だ。そのほか子供が楽しく遊べるような補助製品の開発や、子供の教育に役立つような商品開発も検討している。