製造/関東 「COガスセンサーを用いた安全監視システムの開発・販売」

事故を未然に防ぐ監視システム

 高感度で誤作動のない高性能COガスセンサーを用いた安全監視システムの開発、販売を目指す。COガスセンサーを開発した坂口技研がコア企業となり、光無線伝送技術を有するエルテル、回路技術を持つインテックスが連携する。支援金融機関として商工中金松戸支店が参加する。

 COガスは無色無臭で、人体へ悪影響を及ぼす危険性の高い物質。これまでに小型COセンサーが開発されているが、人命にかかわる高濃度領域の測定が困難とされており、事故を未然に防げる監視システムの確立が求められていた。

 新システムは0・1−5%まで幅広いガス濃度範囲をカバーする。さらにインテックス、エルテルの独自技術を活用することで、遠隔監視機能や集中管理機能を盛り込む。大掛かりな配線工事を伴わない安価で柔軟なシステムとして、幅広い分野での普及を見込む。

 公共施設向けを当面の顧客ターゲットとして官公庁へ売り込む方針。人の密集する駅や地下街、マンションなどの集合住宅、中国の炭坑内での活用も想定する。

(株)坂口技研


会社名
役割分担
■コア企業
(株)坂口技研
センサ技術
(株)インテックス回路技術
(株)エルテル通信技術



(株)坂口技研<br>坂口正明社長

(株)坂口技研
坂口正明社長

【COガスセンサー技術で市場開拓目指す】

 坂口技研をコア企業とする企業グループは、一酸化炭素(CO)ガスセンサーを用いた安全監視システムの開発、販売を進める。同社は1971年の創業以来、自動車部品向け金型の製造販売を主に手掛けてきた。その後、東京大学と共同でCOガスセンサーの開発に着手、量産技術を確立した。今回、新連携を活用することで、事業展開を本格化する。

 安全監視システムは、CO濃度0・1−5%の幅広い濃度領域を計測できるとともに、ワイヤレスで遠隔監視できるのが特徴。従来は困難とされていた高濃度のガス測定に対応する。坂口技研が産学協同で開発したCOセンサー技術と、インテックスの回路技術、エルテルの通信技術を組み合わせた。これによりCOガスが充満する危険性の高い場所でも、遠隔操作による高精度測定を実現する。

 すでに坂口技研は千葉県柏市の本社隣接地に製造拠点を設置。生産ラインを整え、センサーユニットで月3万個規模の生産能力を確保している。

 新連携を利用する背景には、一社単独で製品開発をすべて手掛ける従来型の開発手法に限界を感じたことにある。「コア技術を持った企業が連携し、商品化に結びつける必要がある」(坂口正明坂口技研社長)。

 同社が本社を構える千葉県柏市には独自技術を有する企業が集積する。そのなかで同市内に立地するインキュベーション施設の東葛テクノプラザ、東大柏ベンチャープラザに入居するエルテル、インテックスと連携を構築。互いに技術を持ち寄ることで高付加価値製品の開発を進める。


【コーディネーターの育成が必要】

 新連携の特徴として、事業化の当初から金融機関が参加することが挙げられる。同社の新連携では商工中金松戸支店が参加する。「どんなに優れた新製品であっても、市場性まで確保することは難しい」(同)。企業と金融機関が連携を組むことで、これまで課題とされてきた販路開拓や資金調達の課題を解決できると期待する。

 製品開発から販路開拓まで一貫して手掛ける新連携。この支援システムを「出口まで想定する究極のシステムだ」と坂口社長は評価する。
 だが一方で、企業と金融機関、国などをつなぐコーディネーターに対して、「一層の機能強化が必要だ」(同)と指摘する。金融機関からの資金調達を含め、新連携を有機的に機能させるためには、各機関との橋渡し役が欠かせない。
 「システムを拡充する必要がある。コーディネーター育成機関を新たに設置することも一つの対応策ではないか」(同)と提案する。

 事業計画では2008年度に売上高5億円を見込む。もちろんこれには新連携を活用し、事業を軌道に乗せていく考えだ。