| 
(株)菱豊フリーズシステムズ 二宮一就社長 「今後は商社などの力を借りて、輸出にも乗り出す計画です。また従来の1/6程度(約7分)の時間で解凍できる次世代解凍機の開発にも取り組み、ユーザー層を一気に拡大してきたいと思います」 |
|
【食品鮮度を落とさない効果】
新連携事業では菱豊フリーズシステムズが開発・基本設計などを手掛け、実機の量産はアイエムテック(三重県木曽岬町)、販売・マーケティングはワタナベフーマック(名古屋市中川区)が担当する。
当面の事業で、食品の鮮度と品質を落とさない凍結機「ユースフル・フリーザー」と、冷凍食品を復元する機能の高い解凍機「ヒュージョン・ディフリーザー」の開発に取り組んだ。
菱豊フリーズシステムズが開発していたプロトタイプ製品(試作機)をベースにしたため、早期に製品化は実現した。並行してアイエムテックは量産体制を整え、食肉用スライサーで国内トップメーカーのワタナベフーマックは業界で信頼されるブランド力を武器に全国での拡販に動いた。
3社は2、3カ月に1回のペースで、技術者や営業担当者が集まり連携事業を練っていった。製品は食品会社を筆頭に大阪や東京・築地の魚市場などにも納入。凍結機、解凍機ともに初年度の販売台数は数10台に達しており、軌道に乗りつつある。
「新連携としての事業が認められたことで、金融機関の反応もよくなった」(同)という。
販売する凍結機や解凍機の活用で、肉や魚に加え、弁当類、すし類などで鮮度を落とさない効果が注目されてきた。さらにシフォンケーキや生クリーム、築地のにぎりずしなど、これまで凍結・解凍には不向きと考えられた食材にも活用が広がりつつある。
【次世代解凍機も開発へ】
新連携事業の具体的成果として売上高ベースで初年度に5億円、5年後には14億円を目指している。また関連設備の海外販売も視野に入れる。
国内の冷凍食品生産量は年間約153万トンだが、海外は4倍以上の約674万トンにおよぶ。商社などの力を借りて、輸出にも乗り出す計画だ。
連携体は次世代解凍機の開発にも取り組む。凍結した弁当の解凍は現時点で40分かかっているが、次世代解凍機では7分程度の大幅短縮を目指す。これが実現すると、ユーザー層も一気に拡大が見込めるという。
菱豊フリーズシステムズは07年12月、本社を奈良市内の交通アクセスの良い場所へ移転し、併せてテストキッチン・ショールームも開設した。カフェのような明るいデザインの空間で、凍結機・解凍機を使って持ち込んだ食材の冷凍・解凍が試験できるのが特徴だ。
「奈良で新連携第1号という自覚を持って、今後も事業展開を進めていきたい」(同)と強調する。また研究開発面では北海道大学大学院工学研究科の水野忠彦助教(工学博士)の協力も得る。
研究開発型のハイテクベンチャー企業が少ない奈良では、同社の連携事業の展開に注目が集まっている。連携体は菱豊フリーズシステムズを中心に個性ある人物が集まっており、今後さらにネットワークを広げていく方針だ。
|