製造/関東 「高効率業務用LED照明器具の開発および事業化」

高効率LEDで蛍光ランプからの置き換えを狙う

 金型製造、メッキ、電気機器設計を主力とする3社が連携し商品化を目指すのは、高効率がウリの発光ダイオード(LED)照明。LEDそのものではなく、レンズ、反射鏡、電源を組み合わせた照明器具を開発、拡販を狙う。

 LEDは蛍光灯や白熱灯などの光源に比べエネルギー効率が優れており急速に普及が進んでいる。しかし照明器具として商品化されているのは装飾品類がほとんど。価格の高さがネックとなり、道路照明やショーケースなどの実用品、商用品での置き換えは本格化していないのが現状だ。

 3社が開発中のLED照明は業務用途。既存LEDに比べ価格を半値に抑える戦略で販売を促進する。さらに性能面でも優位性を持ち、従来品と同じ電力で約2倍の明るさを引き出す高付加価値製品に仕上げる計画。

 コア企業のプラテック(群馬県吾妻郡)がレンズの設計開発を担当。これまで大手電機メーカー向けに照明器具の樹脂部品を製造していた実績で、これまで蓄積した金型製造、樹脂成形技術をレンズ生産に生かす。

 連携企業としてヘイワテクノ(群馬県高崎市)とテクノデバイス(栃木県真岡市)が、それぞれ反射鏡の表面処理、回路設計・製造を行う。

(株)プラテック


会社名
役割分担
■コア企業
(株)プラテック
成形金型加工・製造、商品開発設計・評価・LED応用技術
ヘイワテクノ(株)反射鏡の表面処理、AL真空蒸着技術、各種メッキ・塗装
(株)テクノデバイス電子回路設計・製造



(株)プラテック 市川祐子社長<br>「サブリーダーや社内外の関係者の尽力によって約6カ月で認定を受けることができました。またLEDは蛍光ランプに比べて寒さに強いため、冷蔵施設や屋外用途での拡販に努めていく考えです」

(株)プラテック 市川祐子社長
「サブリーダーや社内外の関係者の尽力によって約6カ月で認定を受けることができました。またLEDは蛍光ランプに比べて寒さに強いため、冷蔵施設や屋外用途での拡販に努めていく考えです」

【独自形状のレンズ開発に成功】

 新連携の認定は07年12月20日。「スピードは力」とプラテックの研究所内に掲示されている社内スローガンを実践するように、急ピッチで開発を進め、08年10月には発売にこぎ着ける計画だ。商品化に向けた取り組みも佳境に入っており、市川祐子社長は開発速度をさらに速めるよう技術者たちを鼓舞する。

 試作したLED照明は134cm×5cm×6cm。既存製品と比べて、7割の電力で2倍の明るさにあたる約1,400ルクスを発揮する。3社の技術が融合することで初めて実現した高い性能で、なかでも特筆すべきポイントはレンズだ。

 樹脂製のレンズ表面には鋭角に凹凸が細かく刻まれている。これはLEDからの光を反射鏡で平行光に変え、その光をレンズに通すことで任意の角度に拡散できる構造によるもの。

 これにより明るくしたい範囲を均一に照らすことが可能となった。つまり「光を使いたいところに、使いたい量を送ることができる」(市川社長)レンズというわけだ。

 レンズ開発には光の特性を十分に把握した技術者が必要だった。そこで山本哲専務の友人だった、大手照明機器メーカー出身の上田修氏を開発部長としてプラテックに招き、研究開発にあった。

 上田開発部長がはじき出した理論を製品に落とし込む際には同社が蓄積してきた金型、成形技術をフル活用した。複雑形状のレンズを成形するのは金型の精度、材料、温度管理などで課題が多く、開発に1年を要したという。同社はこのレンズで特許を取得している。


【連携企業の鏡面処理技術で相乗効果】

 ランプの性能を決定づける部品の一つに反射鏡がある。反射鏡の表面処理を担当するヘイワテクノは独自のアルミ真空蒸着技術を生かす。

 試作品の反射鏡は横22.5cm×縦3cm×厚さ1cmの樹脂製パネルに縦2個、横15個の穴が開けられている。これをLEDの基板に取り付け、一つひとつの穴とLEDとを組み合わせることで、それぞれを反射鏡として機能させる。

 穴はパネル表面部12mm×裏面部3mm×高さ10mmの半楕円(だえん)形。内部まで均一に鏡面処理されなければ光の方向が変わってしまうため、ここにも高度な技術力が求められる。

 市川社長は新連携制度に馴染みがなかった。「熱心な地元商工会職員から新連携を知り、近所の会社が認定受けていることもあり申請した」という。同社にとっても新連携での低利融資はメリットの一つ。中小企業金融公庫前橋支店から3,000万円の融資を受けた。 

 開発した製品を街路灯や冷凍庫、ショーケース用途に販売し、2012年には同製品で売上高12億円を目指す。