サービス/近畿 「接骨院向けレセプト作成・提出支援システム&経営支援コンサルティング」

接骨院運営業務をシステム化

 コア企業のLEIS(神戸市東灘区)は医療保険が適用される在宅マッサージ事業を全国で手掛ける医療サービス事業者。独自のレイスシステム(レセプト作成、進捗管理)を構築して療養費の立て替え・請求と療養費支給明細書(レセプト)作成も代行している。また新規開業の支援や、運営業務に関する相談も請け負っている。

 LEISは約80店舗の治療院をフランチャイズチェーン(FC)展開しており、なかには打撲やねんざなどを治療する接骨院も含まれている。こうしたなか同事業でのノウハウを活用しつつ業界の専門知識などを持つ3社と連携体を構成、接骨院向けの新しいシステムを完成した。

 新システムではパソコンと管理サーバ、受け付け用端末、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」を使用する。

 仕組みはこうだ。治療前に患者がリライトカード型の診察券を端末に通すと来院記録が残り、PSPの画面で治療項目と金額が表示される。それを確認すると、無線LAN通信機能を利用し情報がパソコンに送られる。患者の同意を得て治療する「インフォームド・コンセント」も実現した。

 治療後、再び端末に診察券を通すと治療内容証明を兼ねた領収書が発行され、正確なデータがサーバに蓄積される。これに基づきLEISが月1回、レセプトを作成する。

 同システムはインターネットで情報共有と一括管理を行うアプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)方式。安価かつ携帯性に優れた端末とともにインフォームドコンセプトを実現する医療保険診療システムとして、医療関連のシステムでは初めて新連携事業の認可を受けた。

(株)LEIS


会社名
役割分担
■コア企業
(株)LEIS
レセプト作成・提出支援システム構築、経営支援コンサルティング
(株)オーシャンウェルフェア接骨院経営の情報・ノウハウ提供、販売
(株)ソフトベネフィット保険請求の情報提供、電話相談センター運営ノウハウ
NPO法人医療ネットワーク情報センター医療システム開発



(株)LEIS 松永力会長<br>「レイスシステムを業界標準に育て上げられるよう努力していきたいと思っています。またレセプトが電子化になるよう国の主導を働きかけていきたいです」

(株)LEIS 松永力会長
「レイスシステムを業界標準に育て上げられるよう努力していきたいと思っています。またレセプトが電子化になるよう国の主導を働きかけていきたいです」

【接骨院業界での標準化を目指す】

 レイスシステムは、接骨院での治療内容や実績をはっきりと証明できるようにシステム化することで、業界で問題となっている不正や過誤請求の解消、業務の簡素化を図るのが本事業の目的。

 とくに療養費の不正請求や受給により、行政処分を受けている経営者が増加しているなかで「通常のレセプトは手書きで記入項目が細かいうえ、情報の照合も難しいためデータの書き換えが可能な状況」(松永力会長)という欠点を指摘する。

 接骨院向けにシステムを展開するには、マッサージ師が訪問して施術を行う従来の事業と違って、外来向けのシステム構築と業界の専門知識が必要だった。

 そこで接骨院経営やコンサルティングを行うオーシャンウェルフェア(東京都新宿区)、業界団体を運営するソフトベネフィット(大阪市西成区)、保健医療分野で豊富な実績を持つ医療ネットワーク情報センター(兵庫県加古川市)という、治療院運営を通じて知り合った3社と組んで事業を推進する。

 開発したシステムは7月をめどに「ワッドシステム」として販売する予定。療養費の4%を利用料金とし、初年度に約40社への導入を目指す。高齢化社会の影響で接骨院を介護業務と兼務する人、マッサージ需要の伸びなどから新たに開業する人が急増しており、ビジネスチャンスは大きいと見る。

 「同システムを業界の標準に育て上げたい。またレセプトが電子化になるよう、国の主導を働きかけたい」(同)と社会的意義にも言及する。


【システムと接骨院の異業種展開も視野】

 連携によりシステムの普及と合わせて新規の開業支援やコンサルティング体制の整備も可能になった。接骨院での治療は疲労回復やリラックスなどの効果もあるため、タクシー会社など異業種にも接骨院経営への参入を促していく考えだ。

 「たとえば会社の敷地内に治療院を設置することで、社内では福利厚生の一環として活用できるほか、社外向けにも治療を行えば営業になる」(同)と狙いを語る。

 同システムで通信用の端末として使われるPSPは、ゲーム機として普及しているが、もともと情報機器としても十分な機能を備えている。画面の表示の見やすさやインターネット通信の機能、価格面なども考慮して採用を決めた。この携帯性を生かして特別老人養護ホームや病院などの医療機関向けに転用するなど、今後幅広い展開を考えているという。

 コア企業のLEISでは07年、同システムの開発のために事業部を立ち上げており、本事業は軌道に乗れば独立させたいというほど大きな期待を寄せるプロジェクトだ。新連携事業の最終年度となる2012年度末には、456店舗への同システム導入達成を目指している。