IT/関東 「色彩配列を用いた独自の汎用自動認識技術カラービットコードの事業化」

色の配列で認識

 現在、自動認識技術として広く普及しているものとして、バーコードや2次元コードがある。これらのコードはコード自体の大きさに限界があるほか、形状が規定されているため自由度がない。

 またコードを印字した表面をならさないと読み取ることは難しい。色を利用したコードも存在するが、変色やゆがみ、鮮明さなど読み取り障害が発生する課題を抱えている。

 ビーコア(東京都千代田区)が開発した「カラービットコード」は赤・黄・青など、3色のセルの配列でコードを認識する技術。隣り合う色が識別できれば認識できる。このためコードの形状が制限されることはない。また、鮮明さが欠けても、ぶれても、ゆがんでも認識することができる。既存のコードよりも安定した認識技術を実現した。

 このためこれまでバーコードやクイックレスポンス(QR)コードなど、2次元コードに適用できなかった狭いスペースにもコードを貼ることができる。例えばファイルの端面やCDの背表紙などだ。

 また「カラービットコード」は一括読み込みができるため、効率的な文書管理を実現する。紙や布、プラスチックから金属まで、あらゆる素材に張り付けることで、幅広い応用が期待できる。

ビーコア(株)


会社名
役割分担
■コア企業
ビーコア(株)
基本コードの開発、システムソフトの開発
(株)マイクロジェット自社開発ヘッドによる専用プリンターの開発、製造手配、販売
(株)出口織ネームジャガード織機による布タグの開発、製造、販売



ビーコア(株) 漢人邦夫社長<br>「カラービットコードはシンプルな技術でありながら布タグやプリント基板への利用など、高い自由度があります。当面はFA分野へ拡大を図っていきたいです」

ビーコア(株) 漢人邦夫社長
「カラービットコードはシンプルな技術でありながら布タグやプリント基板への利用など、高い自由度があります。当面はFA分野へ拡大を図っていきたいです」

【織物と印刷技術で用途拡大】
 
 カラービットコードの用途は大きな可能性を秘めている。布タグに色彩配列を織り込むことができれば、アパレルやレンタルリネン、ユニフォームなどの繊維製品の管理の効率化につながる。

 これを担当するのが連携体の一つである出口織ネーム(石川県白山市)。同社は織物技術を担当し、ジャカード織機による布タグの開発や製造、販売を担っている。

 連携体を構成するもう一つの企業、マイクロジェット(長野県塩尻市)はプリント技術を担当。自社開発ヘッドによる専用プリンターの開発、製造手配、販売を手掛けている。例えば、プリント基板の端部にカラービットコードを印刷して各基板を特定できるようにする。

 認識コードの印刷は、インクジェット方式で3本のノズルから異なる色のインクを吐出しコードを形成する仕組み。端部にコードを印刷するため、基板表面の省スペース化が実現でき、工程管理の効率化や製造履歴管理を可能にする。

 また保管や輸送時にケースに積まれた基板や、機器に組み込まれて表面が露呈しない基板も特定できるようになる。


【古い技術が蘇る】

 コア企業であるビーコアの漢人邦夫社長は「コード技術の開発行為はとくに緻密(ちみつ)なコミュニケーションが必要になる。高い信頼関係を構築できる会社と連携した」(同)という。

 連携によるカラービットコードの開発・普及は「高度な技術から単純な技術へ、という昔に戻る流れをとっている」(同)。「例えばカラービットコードは3色で可能な技術だから、3本のノズルがあればできる。シンプルな技術を利用している」(同)と話す。

 織物についても同じことが言える。低コスト化の流れで中国に生産拠点が移ってしまった古い技術を日本で再度利用するという姿勢だ。

 現在、3色のセルが連なってできる列によってデータを表す1次元と、並列する3色のセルが長さ方向にON-OFFを繰り返して形成される模様によってデータを表す1.5次元の2種類がある。

 コードがさまざま形状をとることができることでデザイン分野への用途も期待されるが、「当面はFA(ファクトリーオートメーション)分野への拡大を図って行きたい」(同)という。