生活/関東 「快適歩行のための“NEWウォーターインソール”(靴の中敷き)の開発と販売」

医学的に実証されたインソール(靴の中敷き)をめざして

 日本ヘルス・サプライが保有する基本特許を使って、ウォーキングDAYが開発、鈴プラ産業が製造するというスキーム。静岡大学や浜松医科大学が臨床実験を行いデータを収集、分析して医学的見地から効果を裏付ける。

 「オリフィスソール」は、水をさえぎる堰(せき)とオリフィス(水の流出口)で、歩行時に内部で生まれる水流を制御するもの。堰の位置・形状とオリフィスの大きさで調節できる。衝撃吸収機能があるだけでなく、水流によって足裏がマッサージされ、血流を改善する効果が見込まれている。

 靴の部材商社とはすでに販売の契約を結んでいる。しかし介護・福祉分野は販売実績のない新市場のため、販路のパートナーを探す。新しい介護予防製品として、医療・介護関係に売り込む。価格は1足3000円、当初月間5000足の販売を見込む。今後は同様の理論を用いた介護・福祉用マットレスやクッションの開発にも着手する。

(株)日本ヘルス・サプライ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)日本ヘルス・サプライ
統括/管理/r線照射
(有)ウォーキングDAY研究/企画/開発
鈴プラ産業(株)加工/製造/圧着



(株)日本ヘルス・サプライ<br>金田泰社長

(株)日本ヘルス・サプライ
金田泰社長

【介護予防品につなげる】

 日本ヘルス・サプライ(東京都千代田区、金田泰社長、03・5825・9346)は約20年前に水の入ったインソール(靴の中敷き)を開発、累計400万足を販売してきた。しかし医学的根拠がなく、最近は販売が伸び悩んでいた。科学的データの必要性を強く感じていたものの、資金面や人脈の面で打開できずにいた。

 そんな同社に、かねてインソールの製造を委託していた鈴プラ産業(東京都墨田区、鈴木国之社長、03・3614・3373)と、水入りインソール開発を目指していたウォーキングDAY(横浜市中区、高野鏡美社長、045・680・2957)が加わり、3社の共同開発が行われるようになった。
 試作段階では、高野社長の知人である静岡大の森田信義教授に相談するなど大学のパイプを生かし、検査機器を借りて臨床実験を約30回も繰り返した。試行錯誤を経て、他社製品に比べ、衝撃吸収とマッサージ機能に優れているインソール「オリフィスソール」を生みだした。

 こうして新商品はできたものの「医学的根拠」を得るためにはまだまだ臨床データが必要だった。しかし研究費がない。そこで補助金や低利融資を含む「新連携」の制度を活用することにした。


【スピード認定をうける】

 日本ヘルス・サプライの金田社長は「関東だけで80件近くに上る相談案件があった中で、制度開始早々に認定を受けられたのは、(新連携についての)情報の入手が早かったからだ」と振り返る。金田社長は中小企業基盤整備機構(中小機構)の勉強会「ビジネス塾」を受講しており、2005年2月の段階ですでに制度のあらましを知っていた。
 4月初めから申請準備を始め、6月末に事業評価委員会の審査を通過し、認定申請書を関東経済産業局に提出。7月8日に認定を受けた。

 中小機構のサブマネジャーの支援も大きかった。「彼らは我々の"味方"。全幅の信頼を置くべきだ。私たちの案件では、商社出身で靴業界の知識をもつ方が担当してくれたので、非常にスムーズに事が運んだ。応募する企業が多いからと遠慮するのではなく、どんどん相談に訪れた方がいい」(同)と語る。
 また中小機構のなかに事業化に向けた支援体制ができ、いろいろな角度から支援を受けられるようになった。国の後ろ盾があることで信用の向上につながり、1社の資金力では難しいと思っていた大学との共同研究契約も結ぶことができた。

 「オリフィスソール」の臨床実験結果は学会で発表される予定となっており、学術面にも生かされる。「連携体にかかわる人みんながハッピーになれればいい。連携体として利益を出すことはもちろん、製品の流通を通じて予防医療へ貢献したい」(同)と語る。