製造/近畿 「カーボンランプヒーターを活用した電化厨房機器の開発、製造、販売事業」

お好み焼きやたこ焼き向けの電化厨房機器

 シルクインダストリーは、お好み焼き店が使用する鉄板機器など厨房(ちゅうぼう)機器を製造する企業。従来はガス厨房機器がメインだったが、05年初頭に電化厨房機器の開発に着手した。

 百貨店の催事コーナーなどで、お好み焼きやたこ焼きが販売される際、電化厨房機の使用を求められるケースが増加している。大手スーパーで電化厨房機を指定するところも現れており、安全・安心や省エネニーズともからんで今後、ニーズの増加が予想される。

 そうした流れに合わせて、同社も電化厨房機の開発をスタート。電化厨房機に関するノウハウを持たない同社は電気まわりに強い田中電工(大阪市旭区)と連携を組み、またフィルム関係の商社であるリュウテック(大阪市北区)からは材料関係の情報について、どの部材を使えばコストを抑えられるかなどの知見を得た。

 この連携で、まずお好み焼き向けのものを製作。順次、たこ焼き向け、たい焼き向けなども開発、製品の幅を広げている。今後も顧客の要望に応じて機器を開発して行く計画だ。

 現在、シルクインダストリーが中心となり、営業を展開中。もともと厨房機器を扱っていたため、既存の営業先を中心に普及を急いでいる。デモ機を持参して顧客に性能をチェックしてもらったり、レンタルを行うなど積極的に拡販活動を行っている。

(株)シルクインダストリー


会社名
役割分担
■コア企業
(株)シルクインダストリー
商品企画・商品設計・組み立て・メンテナンス
田中電工(株)電気器具設計製造
(株)リュウテックマーケティング、総合調整、販路開拓、宣伝支援



(株)シルクインダストリー 山岡正美社長<br>「連携体を組んだことで技術ノウハウをスムーズに取得し、事業を早く進めることができました。次は製品ラインアップの拡充とコストダウンに取り組みます」

(株)シルクインダストリー 山岡正美社長
「連携体を組んだことで技術ノウハウをスムーズに取得し、事業を早く進めることができました。次は製品ラインアップの拡充とコストダウンに取り組みます」

【熱効率やメンテナンス性にも優れたものを追求】

 連携体企業3社は飲食店で使用する呼び出しチャイムを共同で開発するなど、以前から付き合いがあった。そういった流れでシルクインダストリーが電化厨房機器の開発について両社に相談。その後、新連携制度を知り、応募することになった。

 製品にはパナソニック四国エレクトロニクス(愛媛県東温市)が発売するカーボンランプヒーターを活用した。使い勝手がよく、低コスト、そして遠赤外線でまろやかに焼き上がるのが特徴で、電気お好み焼きテーブルは220℃程度まで温度が上昇、調理に十分な熱さを提供する。

 また反射板を設置して熱が逃げるのを防いだり、カーボンランプヒーターの外管を2重にすることで汚れを防ぎ、部品の持ちを良くするなどの工夫を施した。さらに顧客が簡単にヒーターを取り換えられるものや、部品を簡素化してよりコストがかからない製品の開発に取り組むなど、現在も改良を加えている。

 電化厨房機は調理中に燃焼排ガスが発生しない、電気なので設置が簡単といったメリットがある。防火上安全で、アルバイトにも扱いやすい。しかし一方でガス厨房機よりも部品が多様なため、コスト高の要因となっている。この点に関しても装置の簡素化による部品削減や、より安い材料の探求などでコストダウンに取り組んでいる。


【連携体で事業の幅を広げる】

 連携体を形成することで窓口が広がり、様々な企業から製品開発を求められることが増えたという。現在では顧客のリクエストに応じて製品を開発し、順次、品ぞろえを充実させている。

 「これからは中小企業が単体でやっていくのは厳しい世の中になる」(山岡正美社長)。今回の製品についても「田中電工の協力がなければ完成は難しかった。連携体を組んで良かった」(同)と分析する。連携体の形成で技術ノウハウをスムーズに取得し、事業を早く進めることができたようだ。

 またシルクインダストリーは07年8月に本社を新築した際に、新たに展示室を設置。展示室にはガス厨房機、電気厨房機の両方を展示する。ガスと電気、2つの厨房機をそろえることで顧客への提案の幅も広げられた。

 今まではデモ機などを顧客の元へ搬送していたが、展示室の設置で効率をアップ。実際に顧客が材料を持ち込み、試しに調理することができる。デモ機の貸し出しも引き続き行うなど、多様なニーズに応えている。

 月1回は3社の担当者が集まって会議を実施。互いの開発動向や生産体制の状況などの打ち合わせを行う。また製品開発における協業の壁になりやすい企業文化によるすれ違いなどを排除するために、臨機応変にミーティング機会を設けるなど、人的交流を高めた綿密なコミュニケーションを確保、製品開発における協業体制を敷いている。

 新連携の認定を受けて「資金面でメリットがあった。製品開発で大いに活用した」(同)というように、補助金をうまく活用して製品のラインアップを充実させた。今後は顧客からリクエストのあった、焼きおにぎり製造機や、みたらし団子製造機の開発を急ぐとともに、新製品の開発やコストダウンなどの課題にも取り組むという。