サービス/九州 「結婚式場の業務処理効率化サービス(one−Wシステム)の事業化」

結婚披露宴業務を効率化

 婚礼・挙式のコーディネートなどを手掛けるピー・アイがコア企業となり結婚披露宴業務の支援ソフト「one−Wシステム」の普及を目指す。

 one−Wシステムは、新郎新婦や結婚式場の管理者、ブライダルプランナー、挙式関連業者らが、インターネットを使って挙式にかかわる情報を共有できるのが特徴。

 同ソフトでは新郎新婦が入力する披露宴の参列者のデータが基本情報となる。これをもとに席次表が作成され、出席者ごとに異なる引き出物や引き菓子の情報もここに反映することができる。

 また新郎新婦や結婚式場の管理者、関連業者らはパソコンや携帯電話を使って、随時披露宴準備の進行状況を確認できるため、これにかかわる打ち合わせ時間の削減や業務の効率化が期待できる。

 利用したデータは挙式後の礼状やあいさつ状用のリストとしても使用でき、将来的には関連業者の発注書を作成できるようにするなど機能の拡張も検討している。

 one−WシステムはASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)ソフトとして利用者に供給する。料金は出席者の人数により異なるが、一挙式当たり6,000円から1万4,000円程度。
 
 ウエディング業界は職人的な世界で、いまだに手作業に頼る部分が多い。関連業務の効率化につながるソフトとして、今後は全国で代理店を募るなど、本格的な普及に乗り出す。

ピー・アイ(株)


会社名
役割分担
■コア企業
ピー・アイ(株)
婚礼関連印刷、 婚礼企画、one-Wシステムの企画・販売支援
イー・アンド・エム(株) one-Wシステム設計開発・運用
PIEM(株)システムの販路開拓・導入指導



ピー・アイ(株) 中牟田喜成専務<br>「中小機構から派遣されたコーディネーターが、販路開拓を支援してくれたことが非常に大きかったです」

ピー・アイ(株) 中牟田喜成専務
「中小機構から派遣されたコーディネーターが、販路開拓を支援してくれたことが非常に大きかったです」

【互いに補完し合う理想的な連携体】

 コア企業のピー・アイは婚礼にかかわる招待状や席次表などの印刷や挙式のコーディネートなどに携わるブライダル関連事業者。今回の連携は同社の印刷分野の延長から生まれたものだ。

 連携体は経営者同士が旧知の間柄だったことから、ブライダルのノウハウを持つ同社とソフト開発の技術を持つイー・アンド・エム(東京都千代田区)が手を組んだ。そして「one−Wシステム」の普及のための販売会社としてパイエム(宮崎市)を設立した。

 それぞれの事業内容が大きく異なる連携体であるあるため「補完し合うという意味で理想的な連携だった」と事業の推進役であるピー・アイの中牟田喜成専務は言う。

 通常、披露宴を控えた新朗新婦は申込書のほか、招待状の発送や席次表の作成、引き出物の手配など、たびたび書面の作成を強いられる。またブライダル業者はこれにあわせて、種々の手配や確認の作業に追われる。

 中牟田専務は「発注先が異なるために同じものを何回も書いている」と指摘する。そこで「一度入力した情報は、使えるところに使っていく」という観点から、このシステムを考案した。

 これまで紙の上でやりとりしていたものを、インターネットを利用することでペーパーレス化が実現した。またブライダル業者の事務作業が効率化するだけではなく「生み出された時間で打ち合わせを充実してもらう」(中牟田専務)という新郎新婦にとってのメリットも挙げられる。


【コーディネーターとともに販路開拓】

 3社による新連携の申請は「国が認めた事業ということで低金利の制度融資など、公的な支援を受けられる」(同)といった点が魅力だったという。

 実務的には中小企業基盤整備機構から派遣されたコーディネーターが、同行して販路開拓を支援してくれたことが非常に大きかったという。

 地方の企業が首都圏で販路開拓をするのは至難の業。しかしコーディネーターが同行したことで「大きな式場ともきちんとアポイントが取れた」(同)。ただ「仕方ない面はあると思うが、申請をする際に提出する書類が多い。本来の営業活動に差し支えては本末転倒だ」(同)という意見もある。

 06年10月にソフトをリリースして以来、1年間で約1000組の利用があった。08年にはソフトのバージョンアップも予定している。5年後には「年間1万組の利用者」が目標だ。

 また、これまでに約20の式場と契約を結んだ。大半は地元の九州だが、東北や首都圏の式場とも商談が決まりつつある。

 中牟田専務は「首都圏を回ってブライダル業界の問題は全国の問題だとわかった。今後は九州プラス首都圏で普及に当たりたい」と力を込める。