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吸着工業(株) 泉 順社長 「世の中にないものを作り出すこと、しかもそれは性能、コスト面で一番優れた製品であることが重要です」 |
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【吸着技術の適用分野は無限大にある】
吸着工業は自社製品の商品化を進めており印刷工場などで需要を見込み「PSA−VOC回収装置」の生産を始めた。同装置は気化したVOCを吸着した後、真空ポンプで回収して低温で液化し再利用する。
印刷所は塗料の溶剤に大量の酢酸エチルを使う。回収率は80%以上のため環境にやさしくコスト削減につながるという。従来、排ガスを無害化するには熱源や燃焼装置が使われており、コスト高や環境面で問題があった。
同社は06年1月に生まれたばかりの若い会社だが、泉社長の吸着技術に関する研究は長い。大学卒業後に就職したのは三菱重工業の長崎研究所。研究は大型プラントの開発が中心で「小物は手掛けていなかった」(泉社長)。
だが、そのころから「VOCの分解装置を作ったら売れると思っていた」(同)と笑みを浮かべる。退職後も千葉県の研究機関で研究を続け、現在は九州大学の客員教授の肩書をもつ。
今後、泉社長が拡大市場と位置づけるのは家畜のし尿などを活用したバイオマス事業だ。
07年度から鹿児島県垂水市や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同で同市の養豚場に精製プラントを設置。吸着技術工業のアンモニアなどの吸着剤を使い、豚ふんからメタンガスを作っている。ガスは近隣地にある道の駅の温泉やレストランの燃料として使っている。
また北海道の牧場でも精製したメタンガスを温室やトラクターの燃料に使用している。泉社長は「精製したガスは純度が高く1立方メートル約70円で販売できる」という。同社の吸着技術がエネルギーの地産地消を可能にする。
08年3月をめどにシルバー精工と共同で遊技場向けに、たばこの煙に特化した脱臭装置「エデオ」を売り出す。発売に向け、パチンコ店で試験運用を始めた。
【大事なことは世の中にないモノを作ること】
吸着技術工業の07年5月期の売上高は約8,500万円。08年5月期の売り上げは約4億円と飛躍的に伸びると予測する。吸着技術を応用した製品群が国内大手半導体メーカーのほか、海外企業からの引き合いが強いためだ。
泉社長は「わが社のような中小企業はコストが低いことに加え、性能も安さも他社と比べて一番良くないとダメ」と熱っぽく語る。農作物の劣化要因になるエチレンの除去装置販売も本格化するなど研究の手は止まらない。
研究畑の長い泉社長だが「市場にない、世の中にないモノを作るのが売れる条件」と、商売への貪欲さをにじみ出す。
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