サービス/関東 「メーカーサポートの終了した電子計測器修理ビジネス」

サポート期間の落とし穴に着目

 計測器メーカーは一般的に、生産から7-10年経過した製品についてサポートをやめてしまう。京西テクノスはこれに着目し、06年5月にメーカーを問わずサポート期間を過ぎた計測器の修理に対応する事業を本格的に始めた。

 同社は医療機器や計測器、通信機器の修理など、電子機器のサポートサービスが主力。創業は1946年で、約60年にわたり大手電子計測器メーカーの機器の受託修理などを通して独自の技術を蓄積してきた。

 同社はこうしたノウハウを活用し、コア企業として修理業務を行う。また中古計測器部品の調達をコムサーチ(東京都大田区)、顧客開拓をTEMCO(愛知県豊田市)が担当し、各企業が連携・支援する体制を築き上げた。

 さらに顧客が利用する計測器が故障した際、迅速なサービスを提供するために「トータルマルチベンダーサービス」も構築。トラブル発生時に専門の技術者が時間や場所を問わず速やかに対応するばかりでなく、機器の修理や部品の供給など総合的なサービスの拡充も図っている。

 今年度の修理完遂台数は月平均で60台前後、修理完遂率は95%以上に上るという。

京西テクノス(株)


会社名
役割分担
■コア企業
京西テクノス(株)
電子計測器修理技術、全体総括
(株)コムサーチ生産中止部品調達・供給
トーメンテクノソリューションズ(株)顧客開拓



京西テクノス(株)臼井 努社長<br>「ユーザーは計測器メーカーでなくても経済産業省が認定した『お墨付き』があれば安心してメンテナンスを任せていただけます」

京西テクノス(株)臼井 努社長
「ユーザーは計測器メーカーでなくても経済産業省が認定した『お墨付き』があれば安心してメンテナンスを任せていただけます」

【受託修理から転身】

 きっかけは3年前にさかのぼる。大手航空会社が定期的な機体の整備を行う際、10年以上使用した計器の修理が必要となった。しかし製造元からは、サービスの期限を超えていると言われた。航空機を10年以上使用するのは当たり前。結局製造元のメーカーは、受託修理業を手掛けていた京西テクノスに修理を依頼した。

 同社はこれまで蓄積した技術で計測器の調整や修理などを行い、航空会社に納めた。これが他の航空会社に口コミで伝わり、成田空港にあるメーカーサポートの終了した計測器のほとんどは、同社が修理業務を行うこととなった。

 計測器の寿命は長い。ユーザーのニーズがあるにもかかわらず、サービス期限を越えると製造元は修理を受け付けない。製造元が終了した修理サービスを提供すれば、ユーザー、メーカー双方にメリットがある。

 同社は試行期間を経た後、新事業は採算がとれると判断。一方で同社の手の届かない顧客開拓と部品調達に力を発揮するパートナー企業を模索した。

 そして06年、多摩信用金庫(東京都立川市)の後押しにより、連携体による事業を展開させる糸口をつかんだ。生産中止部品の調達をコムサーチが、情報収集など顧客の開拓をトーメンテクノソリューションズ(現TEMCO)が担い、従来にない市場へのビジネス展開を目指すこととなった。


【PRが市場を広げるカギ】

 経済産業省の認定を目指した狙いは、「何よりも信頼感を顧客に与えられるから」と臼井努・京西テクノス社長。「ユーザーは計測器メーカーでない会社がメンテナンスを行うということに抵抗感があるもの。しかし経済産業省が認定した『お墨付き』があれば安心して任せていただける」と、ビジネスを強力に後押しする存在と受け止める。

 開発費用としては助成金が少ないと言う声も聞かれる。しかし「それは事業体による。事務手続きが増える点もあるが、当社のケースでは、業務に支障をきたすものではない」という。

 同じ事業を行う競合企業は今のところ見当たらない。年平均102万台が生産される電子測定器。同社の試算によれば、年間約2万3000台の修理ニーズがある。「当社がコアとなった新連携事業は、PRすればするほど市場規模が広がると考えている」とし、受注増を目指すためにもPR活動に力を入れたいとしている。

 また図面などがなくても不良品の判別ができる部品検査機器など技術面でも開発を進め、充実したサービスの実現を目指していく。