製造/近畿 「無菌粉末充填機・充填システム(Mオーガー充填機・Mオーガー充填システム)の製造・販売」

微量粉末充填装置を投入
 
 コア企業であるモリモト医薬を中心とした企業グループは、取り扱いの難しい粉末状の医薬品を充てんする装置を開発した。盛本修司社長が大手製薬会社時代に開発し、特許取得した装置をベースに開発を完了、受注活動を始めている。

 一回当たりわずか5ミリグラムからという微量充てんが可能な装置で、抗がん剤やホルモン製剤、抗生物質など付加価値の高い分野での用途を想定している。

 同装置の最大の特徴は、食品や飼料など大量充てん用に採用されてきた「オーガー式」という方式の採用と、独自方式での高速全数秤量システムを新開発したこと。

 無菌状態での製剤プロセスでの粉末充てんは「ダイホイル式」と呼ばれる装置が大半を占めている。フィルターを装着したピストンを使用して粉末を吸引し、吐出充てんする構造だが、ピストンが目詰まりして充てん量が変化し、少量充てんには不向きだった。

 これに対しオーガー式はホッパーに粉末を入れ、先端部でスクリューを回転させて押し出す仕組みだ。構造がシンプルで粉末の残量が少ないなどの利点がある。ただ軸と外筒との接触による金属異物が発生する恐れがあったため、そこで軸振れ対策を行い、軸の接触による異物発生をなくした。

 すでに受注を得ており2007年内にも1号機を納入する見込み。装置単体だけではなく、搬送系や電子てんびんなどと組み合わせた生産ラインとしても提案していく。

(株)モリモト医薬


会社名
役割分担
■コア企業
(株)モリモト医薬
構想企画立案、特許・ノウハウ提供、実験・試運転
(株)ユニテック部品加工・開発、機器・システム製造、営業活動
ファーマテック(有)機械製造設計、営業活動



(株)モリモト医薬 盛本修司社長<br>「粉末においても微量から3グラムと、医薬製剤の範囲で他のどの機種よりも高精度を出す自信がありますし、量産ラインも幅広く対応できます」

(株)モリモト医薬 盛本修司社長
「粉末においても微量から3グラムと、医薬製剤の範囲で他のどの機種よりも高精度を出す自信がありますし、量産ラインも幅広く対応できます」

【20年の開発実績を基に】

 モリモト医薬は05年5月に設立されたばかりの新しい企業。今回の計画が新連携事業に認定されたのも07年の7月だ。しかし代表の盛本修司社長の製剤プロセスでの開発実績は20年にも及ぶ。

 Mオーガー充てん機の前身となる装置は、今も大手製薬会社の抗がん剤の量産ラインで活躍している。それを考案した盛本社長は数々のプロセス装置を開発し、80件もの特許を出願した経験を持つが、「この装置が最高傑作」と評価する。

 無菌粉末充てん工程は製剤プロセスでも最も難易度が高いとされる。事実、異物の混入や飛散、充てん量の不均一など数々のトラブルを抱えているという。主流であるダイホイル式は異物のトラブルに加えて粉末ロスや残量が多くコスト面でも無駄が多かった。

 しかしMオーガー充てん機は、ハザード対応の完全クローズド化が可能なので作業者にとっても安全だ。


【試験から量産まで】

 同機について盛本社長は、「従来難しいとされている粉末においても微量から3グラムと、医薬製剤の範囲で他のどの機種よりも高精度を出す自信がある」と胸を張る。

 また「研究所向けの試験機から治験薬などの準量産ライン、年間数百万本単位の量産ラインまで対応できる」強みをアピールする。試験機として導入し、評価が済めばそのまま治験薬製造、製造ラインに投入できるというわけだ。

 一方、今回の連携体で主に製造を担当するユニテック(大阪市此花区)は、製薬関連などの特殊部品や加工を手掛けており、盛本社長とは15年以上のつき合いがある。また設計を担当するファーマテックも、盛本社長と同じ大手製薬会社の設計者が独立してできた企業。気心の知れた連携体だ。

 新連携制度を知ったのは、中小企業の経営支援などを目的としたNPO法人、オービット関西(大阪市福島区)から寄せられた情報。申請手続きもオービット関西が行い、現在も連携体の運営を支援している。

 また今後の資金需要の発生に備え、補助金や融資などの準備も始めている。この分野では珍しく学会での発表などの活動も盛んに行っており、展示会活動と併せて本格的な受注活動に乗り出そうとしている。

【欧米へも展開】

 同機は試験機で1,000万円から2,000万円、量産機で5,000万円から1億円と高価なため、アジア市場では当面ニーズがないものと見ている。このため将来的には製薬の大市場である欧米への販売展開を狙っている。その時に備えて特許も国内だけでなく海外でも出願した。海外で販売するとなれば、メンテナンスも不可欠なため市場を熟知したパートナーと連携する考えだ。