製造/近畿 「足圧動的計測を応用した靴、家電、健康産業関連商品の事業展開(ダイナミックウオーキングナビゲーション)」

さまざまな分野へ足裏センサーを展開
 
 コンフォートラボは、フットケア商品の企画開発や販売を行う企業。03年に大阪医科大学と共同で医療向けの商品開発に着手。同社が持つフットケア商品の企画力を活かし、義肢や装具をフィッティングする装置の開発を進めてきた。そこで必要となるのが歩行時にかかる足への負担を計測するセンサーだ。
 
 一方、同時期にイナバゴムは大阪大学と共同で、強度のあるシリコーンセンサーの開発を行っていた。自動車タイヤの圧力分析を行う装置用に開発を進めていたが、技術を幅広く活用するために他の製品化案も求めていた。
 
 コンフォートラボとイナバゴムの思惑が合致し、05年9月に新連携の認証を受け、製品開発に取り組むこととなった。コンフォートラボが用途開発やマーケティング、製品販売を行い、イナバゴムがセンサーの製造などを行う形となった。2社で連携した足圧動的計測装置を使ったさまざまな製品開発の連携事業が進められ、07年3月にはセンサーの試作機が完成した。
 
 開発したセンサーは足の裏に接触する部分に多くのセンサーが配置され、それぞれが圧力を感知して歩行時に足にかかる負担を面的に計測する。イナバゴムが開発したこの技術を使って、コンフォートラボが医療やスポーツなど多様な分野で製品化に取り組んでいる。

(株)コンフォートラボ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)コンフォートラボ
ビジネスプラン構築
イナバゴム(株)センサーと機器製造



(株)コンフォートラボ 椋本 満社長<br>「知名度に劣る中小企業が公的支援を活用することのメリットは、やはり企業の信用力が得られることですね」

(株)コンフォートラボ 椋本 満社長
「知名度に劣る中小企業が公的支援を活用することのメリットは、やはり企業の信用力が得られることですね」

【開発をスムーズに進めるために多数の企業と連携】

 コンフォートラボは大阪電気通信大学なども参画しているプロジェクトで、ゲーム感覚のフィットネスマシンを開発中だ。センサーを取り付けた専用の靴を履いて歩くウオーキングマシンで、画面に映し出された風景写真が移動し、街や山中を散策できる。靴に取り付けたセンサーで歩行者の足への負担を感知し、足に負担のかかりにくい正しい歩き方ができれば得点が入る仕組み。07年6月には、このマシンのデモンストレーションを行った。

 同社はほかにも大阪医科大学と共同で、医療分野でのリハビリ用装置を開発中のほか、スポーツ用品や靴の販売支援など、さまざまな製品開発を進めている。センサーの技術を応用して、スポーツ選手のトレーニング用にボディースーツの開発にも取り組む予定だ。

 足裏センサーの関連事業では、新連携事業の連携体であるイナバゴム以外にも多数の企業と連携し、さまざまな製品開発を進める計画。同社は製品のデザインのみを担当するデザイン事務所や、スポーツ選手向けの効果測定だけを担当する大学など、連携する組織ごとに細かく役割を分担する。そのため同社が足裏センサーの関連事業で連携している企業や団体は、現在20強になる。

 多数の企業と連携し製品開発に取り組む際に、同社は必ず契約書を取り交わし、各企業が開発に携わる分野を明文化している。各団体に取り組んでもらう分野を限定することで、専門以外の分野にその企業が取り組む必要がなく、連携事業による開発がスムーズになるという。

 契約書には特許関連事項も盛り込み、特許出願者についても開発を始める前の段階で事前に取り決めておく。そうすれば特許にかかわる事後のトラブルを極力減らすことができるという。


【公的支援を積極活用して企業の信用を高める】

 コンフォートラボは大阪府東大阪市にあるモノづくり支援拠点「クリエイション・コア東大阪」内に事務所を構え、公共の事業支援施策の活用に積極的だ。こういった公的施設の利用や新連携などの施策による支援を活用するメリットを、同社の椋本満社長は「中小企業にとって信用が得られることが最も大きい」と語る。知名度に劣る中小企業にとって、公的機関からの認証を受けることで取引における信用が得られることを狙った戦略だ。

 新たな連携先を探す際にも、公的機関に相談して紹介された企業と連携を組んだことも少なくない。マーケティングや企画力を強みとする同社。今後も独自の連携の進め方でスムーズな製品開発を行い、さまざまな分野で販路拡大を目指す。